ex
「ex」とは・「ex」の意味
「ex」はビジネスや医療などの現場やスラングなど多岐にわたって使われる英語で、名詞や前置詞、接頭辞などとしても使われるため、どのような意味で使われているかを判断して理解すべき単語である。「ex.」などのように「.(ピリオド)」が付いている場合には、「examined」「example」など何らかの単語の省略形だ。英語圏で教科書に「ex.」が出てきた場合には「exercise」の省略形で、「練習問題」の意味である。大文字の場合は、省略形でもピリオドがない場合が多い。「exampl(例)」の省略形として「ex.」を用いるが、「たとえば」という意味で使いたいときは「e.g.」を用いるのが一般的だ。「e.g.」はラテン語の「exempli gratia」の省略形で、英語では「for example」に相当する。「e.g.」の原文の原語をブルガリア語とする辞書もある。「ex」の取り扱いは辞書によって異なる。英語の前置詞として「〇〇から」や「〇〇から(売り)渡し」の意味だとするものもあれば、「〇〇から(売り)渡しの」という意味のラテン語だとするものもある。英語を母語とする人たちの一般的な使い方は名詞の「前夫」や「前妻」、「昔の恋人」などで、話し言葉でありビジネスシーンなど公式な場では不向きである。「前夫」などとして「ex」を使う場合は、「one's ex」として所有格とともに使うのが定例だ。この用法では、接頭辞「前の」の意味で「ex‐husband(前夫)」や「ex-girlfriend(前の彼女)」などとするのが正式な使い方であるが、この使い方も砕けている。「ex-president(前大統領)」などのようにも使えるものの、公式な場では「ex」の代わりに「former(前の、元の)」を使うことが多い。
形容詞としての使い方には、「かつての」「前の」という意味がある。「時代遅れ」と言う意味で使われることもあり、こちらも話し言葉だ。名詞で「Ex」または「Ex.」と表記されている場合は、「Exodus(脱出)」の省略形の可能性が高く旧約聖書の「出エジプト記」を指す。「EX」が大文字の場合は国際自然保護連合(IUCN)の定めた絶滅危惧種が記載された、「レッドリスト」の8つのカテゴリーのうち「絶滅」を指す「Extinct」である。
ビジネスでの使い方としては形容詞「executive」の省略形「ex.」として、「(会社の)方針を策定する」「(会社の)幹部用の、重役向けの」などの意味がある。経営戦略として2015年ごろから知られるようになってきた言葉には「Employee Experience」の略語としての「EX」がある。直訳すると「従業員の経験」であり、人事の分野で広く用いられ「従業員の満足度」や「健康状態」、「個人としてのスキルアップ」など従業員が職場や組織内で得られる経験や体験、感じたことなどを包括している。従業員の職場に対する愛着や貢献の意志などを深めるという意味の「従業員エンゲージメント」に代わる言葉として注目され、アメリカの「Airbnb(エアビーアンドビー)」という会社が、人事部を「Employee Experience」に変更したことでさらに注目を浴びた。「EX」の根底にあるのは、「従業員が働きやすい環境を提供できない企業は、顧客も満足させられない」という考え方である。マーケティングでは「CX(Customer Experience)」という考え方が知られている。「顧客経験(体験)価値」と訳され、2000年ごろから使われ出した比較的新しい考え方である。「CX」では商品やサービスの価値だけでなく、顧客が商品やサービスを購入するまでの過程や購入後のフォローアップの過程までの、すべての経験に対する感情的な価値を重要視する。「EX」は「CX」の考え方を人事方面にあてはめたものであると言われ、関連性が深く今後の企業経営にとって重要である。
医療の現場では、「SOAP方式」というカルテの記載方法の中に「Ex」と言う略語がある。SOAPは「主観的データ(subjective)」と「客観的データ(objective)」、「評価(assessment)」と「計画(plan)」の項目に沿って記載するカルテだ。「Ex」は、このうちの「計画(plan)」に含まれる。プランは「治療プラン」「診断プラン」「教育・説明プラン」に分かれており、「教育・説明プラン」である「educational/explanatory」の省略形が「Ex」である。「Ex」には「説明(explanatory)」として病状や治療方針を、「教育(educational)」として食事や運動、薬剤やセルフケアについて記載する。これにより患者への病状の説明や治療の同意を得るだけでなく、心理ケアによって患者の不安や苦悩を低減させ患者自身が主体的に治療を受けられるようになることを目指す。そのほかにも「エンドトキシン(Endotoxin)」という物質も「Ex」と略す。エンドトキシンは「Lipopolysaccharide」とも呼ばれるグラム陰性菌の細胞壁を構成するリポ多糖である。グラム陰性菌はグラム染色によって赤、もしくは桃色に染色される菌の総称だ。グラム染色は染色によって細菌を分類する方法であり、この方法を発明したデンマークの細菌学者ハンス・クレスチャン・ヨアキム・グラムの名前から命名されている。エンドトキシンは代表的な発熱物質で、微量でも体に入ると発熱などの様々な生体反応を引き起こす。
「ex」の読み方
「ex」の読み方は「エクス」である。ただし、省略形の「ex.」の場合は省略せずに発音する。「ex.」が「example」の意味なら「イ(エ)グザンプル」である。「ex」の熟語・言い回し
「ex」の熟語・言い回しには次のようなものがある。My exとは
1章でも述べたが「My ex」は話し言葉として「ex」を「前夫」や「前妻」、「昔の恋人」などの意味で使う場合の言い回しの1つである。文や固有名詞などではないので、最初の文字を大文字にする必要はない。通常、所有格を取り「one's ex」の形で使う。従って「My」に当たる部分は必ずしも「my(私の)」ではなく、「your(あなたの)」や「his(彼の)」など状況によって変化する。
In exとは
「In ex」という熟語や言い回しはない。文や固有名詞などではないので、最初の文字を大文字にする必要もない。英単語の意味の覚え方の1つとして、語源を理解すると覚えやすくなるものがある。単語の頭に「in」と「ex」が付く英単語は多く、「In ex」は「in」と「ex」の本来の意味を知ることで、これらの単語の意味を覚えようと考える人がインターネットで検索している語だと考えられる。「in」には「中に」という意味があり、例外もあるが「include」や「install」などがこれに当たる。「ex」には「外に」という意味があり、「export」や「exception」などの英単語が該当する。
「ex」の使い方・例文
「ex」を話し言葉で使う場合は、「He is her ex(彼は彼女の前夫だ)」などの使い方ができる。接頭辞として使うと「He is her ex‐husband」のようになる。意味は同じである。相手が自分の別れた妻の場合は、複数形を使って「We are exes(私たちは夫婦だった)」のように言うこともできる。この文は状況によって、「私たちは恋人同士だった」と訳すこともできる。「Ex. is the story of Moses' escape from Egypt with the oppressed Jews」(「出エジプト記」はモーセが虐げられたユダヤ人を連れてエジプトから脱出する物語だ)や、「By writing and executing the Ex. in the SOAP-style chart, the patient will overcome their anxiety and become able to tackle treatment on their own」(SOAP方式のカルテに『教育・説明プラン』を書き込み実行することで、患者が不安を克服して自ら治療に取り組めるようになる)などの例文もある。「SOAP方式のカルテでは『教育・説明プラン』をEx.と省略して書く」、「「EX」は「CX」の考え方を人事方面にあてはめたものだ」「EXは主に人事方面で使われるようになった言葉だが、従業員が職場で得られるすべての経験を指し、従業員が満足できる環境を整えられない企業は顧客が満足するような商品やサービスを生み出すことはできないという考え方に基づいている」など、日本語で使うこともできる。医師が「患者の発熱はEx.が原因だと考えられる」と書いていれば、エンドトキシンという菌のことだ。「Ex(エンドトキシン)は代表的な発熱物質だ」などと使うこともできる。
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