こはぜ屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 03:10 UTC 版)
宮沢紘一(みやざわ こういち)〈56〉 演 - 役所広司 埼玉県行田市にある老舗足袋製造会社「こはぜ屋」4代目社長。 「こはぜ屋」の資金繰りに悩んでいたところにメインバンクの担当銀行員である坂本から新規事業への参入を助言され、たまたま立ち寄った靴屋で足袋型のランニングシューズを見かけことをきっかけに、自社の技術を活かした足袋型ランニングシューズの開発を思いつく。 「第62回豊橋国際マラソン選手権大会」を観戦した際に、ケガで棄権になりながらも走ることを諦めようとしなかった茂木の姿を見て、本格的に足袋型ランニングシューズの開発を決意。「シルクレイ」の特許を持つ飯山や茂木のシューフィッターである村野の協力を得ながら自社製の足袋型ランニングシューズ「陸王」の開発を進める。 シルクレイが靴のソールに合う硬度で完成した後の居酒屋での祝勝会で、「陸王を世界一のシューズにする」との野望を言い放つ。 大地が茜に話した「逆転の発想」をヒントに、シルクレイをソールにした地下足袋「足軽大将」を発案・商品化し、瞬く間に大ヒット商品となる。 ニューイヤー駅伝での茂木の活躍をきっかけにして、「陸王」の商品化に踏み切ったが苦戦する。同時に「アトランティス」から嫌がらせを受けるようになり、「タチバナラッセル」との契約が打ち切りになったことで「陸王」のアッパー素材を失い窮地に追い込まれる。 陸王を知ってもらおうと参加した「第19回行田市民駅伝競走大会」では5区に出場したが、途中で他チームの参加者がけがをしているのを放っておけず、大通りまでおぶりながら走って順位を落としてしまう。 「フェリックス」への買収話は、飯山の助言によりシルクレイを独占的に供給する業務提携として変更するのを御園に提案するが、経営に対する考えに大きな隔たりがあって物別れに終わる。しかし後日、御園から条件付きの融資の提案があり、それを受ける。そして豊橋国際マラソンに臨む茂木に対し、たとえRIIを履いていても応援することを決めた。 「第64回豊橋国際マラソン選手権大会」で茂木が優勝した直後から陸王の注文が殺到する。「こはぜ屋」は1年後には工場を別場所に増設し、従業員を20人から60人に増員。メインバンクを埼玉中央銀行からメガバンクの東京中央銀行に替えて急成長を遂げる。 宮沢大地(みやざわ だいち) 演 - 山﨑賢人 紘一の長男。大学の工学部を卒業するが就職に失敗し、「こはぜ屋」を手伝いながら就職活動を続けている。就職活動がなかなか上手くいかずに希望の会社や職種を妥協し始めていた中、「こはぜ屋」の顧問に就任した飯山のアシスタントにつき、「シルクレイ」を「陸王」のソール部分に合う硬度を目指して昼夜働き、その中で自分のやれることを見出していく。 父親である紘一とはぶつかることもあるが、昔から紘一が作った足袋を茜と取り合っていたほど「こはぜ屋」への愛着は強く、従業員達からも「大ちゃん」と呼ばれ可愛がられている。 飯山がシステム金融業者に襲われ入院してからはシルクレイ製造に、タチバナラッセルとの取引がなくなってからはアッパー素材を作れる会社探しに孤軍奮闘する。 「第19回行田市民駅伝競走大会」ではアンカーの6区に出場し力走したものの、チームは10位入賞にわずかの差で及ばず11位に終わってしまう。 元々希望していた「メトロ電業」の中途採用で内定が決まったものの、「こはぜ屋」でランニングシューズの開発に挑戦し続ける方がやりがいがあるのではと辞退しようとしたが、紘一から「こはぜ屋」で得られない知識や経験を蓄積して欲しいと激励され、考えを改めて一旦出るからには「戻るつもりはない」と気を引き締め入社する。 安田利充(やすだ としみつ) 演 - 内村遥 係長。現在では入手出来ないドイツ式八方つま縫いミシンが故障した時は、他の予備部品から取り出して修理する。 「第19回行田市民駅伝競走大会」では直前にけがをして参加出来なくなりチーム出場が危ぶまれたが、大会に来た坂本を含むチーム陸王の仲間を予め全員補欠登録していたことで坂本が代わりに出てチーム出場が出来た。懸命に仕事を覚えている美咲を見て想いを寄せるが、彼女が大地のことを好きだと分かると諦める。 仲下美咲(なかした みさき) 演 - 吉谷彩子 縫製課で働く最年少の従業員。 冨久子から業務を教わりながら可愛がられており、彼女が倒れて入院してからは代わって業務を任される。あけみの指導の下で、不器用ながら徐々に上達し始める。この頃から密かに大地に好意を寄せている。 「第19回行田市民駅伝競走大会」では2区に出場する。 「こはぜ屋」の買収話に皆と違って強い反対意識はないが、あけみたちと残業を断る。その後、米子・美子の後に冨久子と共に残業に賛同する。 水原米子(みずはら よねこ) 演 - 春やすこ 縫製課の従業員。しっかり者で、時にはあけみと共にみんなを引っ張る。 「こはぜ屋」の買収話に反対の立場で残業を断ってきたが、安田から給料が払えなくなるのを聞いて美子と共に残業に賛同し、今までより給料が上がるならば買収されることにも賛成する。 西井冨久子(にしい ふくこ) 演 - 正司照枝 縫製課で働く最年長で一際小柄な古株従業員。ゲンさんからは姐さんと呼ばれている。心臓に持病を抱えている。先代の「陸王」製造にも携わっていたこともあり、こはぜ屋への思いや愛は誰よりも強くリストラ騒ぎが起きた際は「あたしゃ、辞めないよ!」と繰り返していた。 「足軽大将」の大ヒットにより残業続きとなり身体に疲労と負担がかかったことで、心臓に違和感を覚えた直後に倒れて入院する。「こはぜ屋」の買収話が持ち上がっている時に退院し戻ってきたが、紘一に全快祝いを提案されたものの買収話に反対の立場で断り、紘一を裏切り者とすら言い放った。その後、美咲と共に残業に賛同する。 橋井美子(はしい よしこ) 演 - 上村依子 縫製課の従業員。仕事場では眼鏡とふくよかな体格がチャームポイントだが、普段は眼鏡を外している。 「こはぜ屋」の買収話の件では米子と同じ気持ちで残業に賛同し、買収されることにも賛成する。 正岡あけみ(まさおか あけみ) 演 - 阿川佐和子 縫製課のリーダー。誰に対しても気さくに接し元気づけたりして明るく優しい人物だが、その反面物怖じせず気が強い為感情的になりやすい所がある。 「第19回行田市民駅伝競走大会」では3区に出場し、序盤で何名かに抜かれるものの終盤で抜き返すしぶとさを見せる。 先代と大ゲンカの末「こはぜ屋」を一度退社し大手のファッションブランドに就職したが、想像していた環境と違ってボロボロの状態となる。その状態の時に先代から電話があり、そろそろ戻るように言われ涙が出てしまい戻ってきた。それからは「こはぜ屋」を第二の家と思って愛してきた経緯があり、誰よりも「こはぜ屋」の買収話を否定し、断固として反対の立場をとり残業拒否の主導的役割を担う。最後まで残業拒否の姿勢をとってきたが、大地の「陸王」を再度作りたいとの強い熱意を受けて、「陸王」製作への気持ちを新たにした。 富島玄三(とみしま げんぞう) 演 - 志賀廣太郎 専務取締役、経理担当。「こはぜ屋」の面々からは「ゲンさん」と呼ばれている。神経質で慎重、守りに入るタイプの性格。 先代の「陸王プロジェクト」に携わっており、その時の資金繰り失敗で会社の規模を縮小せざるを得ない状況にした負い目を感じ、紘一にプロジェクトを止めるように忠告する。 会社の財政を圧迫する「陸王」の開発に最後まで消極的な立場だったが、地下足袋「足軽大将」の商品化などは歓迎し、従来足袋より値段を高めに設定して差別化を図るように提案する。 「フェリックス」からの融資でも最後まで慎重の立場でいたが、冨久子に押される形で承諾する。
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