ラガー・ビールとは? わかりやすく解説

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ラガー‐ビール【lager beer】

読み方:らがーびーる

貯蔵室で熟成させたビール低温でゆっくり発酵させて造る。→生ビール


ラガービール

貯蔵工程低温熟成させた下面発酵ビールのこと。
16世紀頃までは、一次発酵終る出荷販売されいましたが、ラガー貯蔵庫)に貯蔵することにより、味と貯蔵性が良くなることがわかり、ラガー二次発酵を行うようになりました
ラガービールには、熱による処理をしないビールと熱による処理(パストリゼーション)をしたビールあります

ビールの表示に関する公正競争規約第4条第1項)』では「貯蔵工程熟成させたビールなければラガービールと表示してならない」と決められています。

ラガー (ビール)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/10 14:57 UTC 版)

ラガードイツ語: Lager)は、下面発酵で醸造されるビールスタイル。日本におけるビールの分類では「貯蔵工程で熟成させたビール」のことで「ビールの表示に関する公正競争規約及び施行規則・第4条」によって定義されている[注 1][1]。一般に切れのよい苦みとなめらかでマイルドな味わいを持つ。

上面発酵で醸造されるビールはエールと呼ぶ。

解説

原料麦芽を使用し、二糖類メリビオース)を発酵に利用する[2]サッカロマイセス属のカールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)という酵母を用い、低温(10℃以下)で熟成させながら比較的長時間の発酵を行う。名の由来は1881年に初めて培養に成功したカールスバーグから。酵母が最終的に下層に沈み込むため、下面発酵と呼ばれる。なお、1984年にサッカロマイセス・カールスベルゲンシスはサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)として分類され分類学上の差は無くなった[2]。近年のゲノム解析の結果、ラガービールに用いられる酵母は、Saccharomyces cerevisiaeSaccharomyces eubayanusの自然交雑の結果生じたSaccharomyces pastorianusであるとされている[3]

元々は、ドイツバイエルン地方のローカルなビールであった。この地方の水は軟水のため、硬水でなければ酵母が活動しにくいエールビールを作ることは困難だったが、土地の醸造師たちは、軟水でも低温下で活動する酵母の存在に気づき、特殊な製法でビールを醸造するようになった。秋の終わりにビール樽を洞窟の中で氷と共に貯蔵し、翌年の春に取り出すのである。この貯蔵(=ドイツ語で、「ラガー」:Lager。動詞形ならlagern)されたビールをラガービールと呼んだ。19世紀以降、冷却機などの設備が発明されると、瞬く間に世界中に普及し、それまで主流だったエールを凌ぎ、ビールの主流となった。

生産には冷却機など大規模な設備が必要とされるが、低温なので雑菌が繁殖しにくく[4]大量に生産することが可能であるため、大資本が生産に参入し、現代では日本を含め世界の大ビールメーカのほとんどがラガービールを生産し、世界のビール生産量の大部分をこれが占める。

ラガーに属するスタイル

  • ピルスナー(Pilsner):チェコピルゼン地方が原産。ピルスとも言う。
  • ヘレス(Helles):ヘレスはドイツ語で「淡色」。
  • エクスポート(Export):ドルトムント・ミュンヘン・ウィーンのものが有名。アルコール度数が5パーセント強とやや高い。
  • メルツェン(Märzen):赤みがかった琥珀色のビール。
  • デュンケル、ドゥンケル(Dunkel、Dunkles):デュンケルはドイツ語で「濃い」。
  • ボック(Bock):特に濃いもの。濃褐色
    • マイボック(Maibock or helles bock):春に出荷されるボックビールで、ドイツ語で「5月のボック」と言う意味。ヘレスタイプの淡色ビールだがボックのアルコール度をもたせたもの。
    • ドッペルボック(Doppelbock)、ダブルボック(Double Bock):アルコール度の高い(7%–12%)ボックビール。「Salvator」のように製品名の語尾に「-ator」と付けられることが多い。しばしばエール系のバーレーワインと比肩される。
    • アイスボック(Eisbock):ドッペルボックを部分的に凍らせて氷を取り除き濃度を高めたもの。アルコール度数40%を超えるものも知られている。
  • フェストビア(Festbier):現代のフェストビアは淡色、飲みやすい、へレスより少し高めの6%前後。過去にはフェストビアはメルツェン。

脚注

注釈

  1. ^ 業界内の自主規制ルールである。詳しくは公正競争規約を参照

出典

  1. ^ ビールの表示に関する公正競争規約及び施行規則 (2016年8月30日施行) (PDF)より
  2. ^ a b 有村治彦、ビール酵母 日本醸造協会誌 Vol.95 (2000) No.11 P.791-802, doi:10.6013/jbrewsocjapan1988.95.791
  3. ^ Libkind, Diego; Hittinger, Chris Todd; Valério, Elisabete; Gonçalves, Carla; Dover, Jim; Johnston, Mark; Gonçalves, Paula; Sampaio, José Paulo (2011-08-30). “Microbe domestication and the identification of the wild genetic stock of lager-brewing yeast”. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 108 (35): 14539–14544. doi:10.1073/pnas.1105430108. ISSN 1091-6490. PMC 3167505. PMID 21873232. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21873232. 
  4. ^ エフシージー総合研究所 IPM研究室 (2016年7月22日). “ラガービールとエールビール”. 産経新聞 (産業経済新聞社). http://www.fcg-r.co.jp/micro/micro28.html 2017年10月9日閲覧。 

外部リンク


ラガービール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 01:31 UTC 版)

ビールの表示に関する公正競争規約」の記事における「ラガービール」の解説

貯蔵工程熟成させたビールなければラガービールと表示してならない

※この「ラガービール」の解説は、「ビールの表示に関する公正競争規約」の解説の一部です。
「ラガービール」を含む「ビールの表示に関する公正競争規約」の記事については、「ビールの表示に関する公正競争規約」の概要を参照ください。

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