春の祭典
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『春の祭典』(はるのさいてん、ロシア語: Весна священная、フランス語: Le Sacre du printemps、英語: The Rite of Spring )は、ロシアの作曲家イーゴリ・ストラヴィンスキーが、セルゲイ・ディアギレフが率いるバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のために作曲したバレエ音楽。オリジナルの振り付けはヴァーツラフ・ニジンスキーが、舞台デザインと衣装はニコライ・リョーリフが担当した。1913年5月29日にシャンゼリゼ劇場で初演され、音楽と振り付けの前衛的な性質がセンセーションを巻き起こした。初演の聴衆の反応は長年「暴動」と呼ばれることが多かったが、近年は誇張表現だったとして見直されている。この表現は10年以上後の1924年の後の公演のレビューまで現れず[1]、負傷者が出たり、物が壊されたりしたことはなかった[2]。また二日目以降のパリ公演や、二ヶ月後のロンドン公演でも特別なことは起こらなかった[3]。しかし、後世の作曲家に和声法、ポリリズムなどの面で大きな影響を与え、20世紀の管弦楽を象徴する作品のひとつしての評価は変わらず持っている。
注釈
- ^ 実際には『牧神の午後』の上演は1912年に延期された。
- ^ その3ヶ月後の8月にアストゥリュクは破産した。
- ^ 同じボックスに座っていたモントゥーの母親によれば、サン=サーンスは「彼は狂っている」と繰り返したのちに席を立った。1914年の演奏会初演に出席したときは、冒頭を聴いてアルフレード・カゼッラに「あれは何の楽器かな?」と聞き、ファゴットだという答えに「嘘だ!」と叫んで退出していった[21]。ただしストラヴィンスキー自身は、サン=サーンスは1913年の初演に出席していなかったと語っている[22]。
- ^ ストラヴィンスキーの『結婚』が完成しなかったため。
- ^ 初演にまつわるエピソードに基づきBBCが2006年3月11日にドラマ "Riot at the Rite" を放送した(同局ミス・マープルシリーズのケヴィン・エリオットが脚本、アンディ・ウィルソンが演出)。フィンランド国立バレエのメンバーが出演し、劇中の演奏はオスモ・ヴァンスカ指揮・BBC交響楽団が担当。セット、振り付けとメイクの再現にホドソンとアーチャーの研究が反映されている。
- ^ 漢字の田の形の記号をJurgenson版火の鳥から用いており、スル・ポンティチェロ・シノ・アル・セニョ・田という指定を春の祭典でも使用している。この指示を使った楽譜は、リプリント以外ではもう入手できない。
- ^ ファジル・サイは、多重録音を用い一人で演奏している[35]。このほかに、ピアノ独奏のための編曲を作り録音しているピアニストにダグ・アシャツ(Dag Achatz)、ジョルジュ・プリュデルマシェなどがいる。
- ^ ストラヴィンスキーは俗称の「テナーチューバ」を指示しているため注意。
- ^ トランペット奏者の持ち替えであり、本来は師リムスキー=コルサコフが発案したE♭アルトトランペットが想定されている。低音域のソロは練習番号132を含めて非常に少ない。スコアにE♭バストランペットと書かれているため、今日ではトロンボーン奏者の持ち替えによりC管などのバストランペットで演奏されることが多い[36]。ただしストラヴィンスキーはトランペット奏者からの持ち替えを1947年版で指定しており、曲想に合う楽器は4番バルブ付きのフリューゲルホルンではないかと推察される。
出典
- ^ Levitz, pp. 146–178
- ^ 音楽の進化史 ハワード•グッドール p338
- ^ 音楽の進化史 ハワード•グッドール p338
- ^ White (1979) p.207 注2
- ^ Taruskin (1996) p.861 注32
- ^ Taruskin (1996) pp.878-879 注74
- ^ Taruskin (1996) p.863
- ^ イーゴリ・ストラヴィンスキー 著、塚谷晃弘 訳『ストラヴィンスキー自伝』全音楽譜出版社、1983年、45頁。 NCID BN05266077。
- ^ リチャード・バックル(:en:Richard_Buckle) 著、鈴木晶 訳『ディアギレフ ロシア・バレエ団とその時代 上巻』リブロポート、東京都新宿区、1983年、203頁。ISBN 4-8457-0089-1。
- ^ バックル、前掲書、上巻212頁
- ^ バックル、前掲書、上巻206頁
- ^ 『自伝』51-52頁
- ^ バックル、前掲書、上巻247頁
- ^ 小倉重夫『ディアギレフ ロシア・バレエ団の足跡』音楽之友社、1978年、198頁
- ^ a b 『自伝』57ページ
- ^ バックル、前掲書、上巻288ページ
- ^ バックル、前掲書、上巻287ページ
- ^ バックル、前掲書、287ページ
- ^ バックル、前掲書、290-291ページ
- ^ 『自伝』66ページ。このため、ストラヴィンスキーは初演が大騒動になるとは予想していなかった。
- ^ Stephen Studd (1999) Saint-Saëns: a critical biography. Cygnus Arts. p.251.
- ^ Stravinsky, Igor (1959). Expositions and Developments. University of California Press. p.144.
- ^ 鈴木晶『ニジンスキー 神の道化』新書館、1998年、232ページ
- ^ 『自伝』72ページ
- ^ バックル、前掲書、下巻110ページ
- ^ バックル、前掲書、下巻111-112ページ
- ^ 鈴木晶、前掲書、235-236ページ
- ^ 鈴木晶、前掲書、236-241ページ
- ^ 鈴木晶、前掲書、236ページ
- ^ 『ブーレーズ音楽論 - 徒弟の覚書』 ピエール・ブーレーズ/船山隆・笠羽映子(訳) 晶文社 (1982年1月初版発行)
- ^ van den Toorn, Pieter C. (1987). Stravinsky and The Rite of Spring. Berkeley: University of California Press. p. 41. ISBN 978-0-520-05958-0
- ^ “《春の祭典》初演から100年 自筆ファクシミリ版スコア 5月に公刊”. www.schottjapan.com. ショット・ミュージック (2013年4月10日). 2020年5月21日閲覧。
- ^ ロバート・クラフト指揮フィルハーモニア管弦楽団 "STRAVINSKY: 125th Anniversary Album" (NAXOS, 8.557508) のCD解説書
- ^ 『小澤征爾さんと、音楽について話をする』小澤征爾・村上春樹 新潮社 2011年 160-162ページ
- ^ ファジル・サイ - PROFILE. 2018年5月10日閲覧
- ^ 佐伯茂樹「リムスキー=コルサコフが考案したアルトトランペットを再現する」『パイパーズ』301号、杉原書店、2006年
- ^ 『【新音楽鑑賞法】名曲に何を聞くか〜音楽理解のための分析的アプローチ〜』田村和紀夫著、音楽之友社、2004年 ISBN 4276101433
- ^ («Technique de mon langage musical» Olivier Messiaen. Ed.: Alphonse Leduc, 1944. 日本語訳:『わが音楽語法』 オリヴィエ・メシアン著 - 教育出版、1954年初版発行、絶版)メシアンはトゥランガリーラ交響曲など数々の自作にもこの「ペルソナージュ・リトミック」を応用させている。
- ^ Taruskin (1996) pp.893-894
- ^ Taruskin (1996) pp.895-900
- ^ Taruskin (1996) pp.900-923
- ^ Golden Record: What's on the Record: Music from Earth, NASA JPL
「The Rite of Spring」の例文・使い方・用例・文例
- The Malay Times に掲載されていた、非常勤の下級アナリストの職に関する広告についてご連絡を差し上げています。
- ‘They are flying kites.' はあいまいな文である.
- 話し中です (《主に英国で用いられる》 The number's engaged.).
- 名詞相当語句 《たとえば The rich are not always happier than the poor. における the rich, the poor など》.
- 総称単数 《たとえば The dog is a faithful animal. の dog》.
- =《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
- 王立オペラ劇場 《the Covent Garden Theatre のこと》.
- 英国学士院 (The Royal Society)の会報.
- 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
- 『Scotish』は、『The Scottish Symphony』や『Scottish authors』、あるいは、『Scottish mountains』のような、より正式な言葉遣いの傾向がある
- STD(神学博士)はラテン語のSanctae Theologiae Doctorに由来する
- 『The boy threw the ball(少年がボールを投げた)』は、能動態を使う
- 『The ball was thrown(ボールは投げられた)』は簡略化された受動態である
- 1992年,「The Animals(どうぶつたち)」という本のために,まどさんの動物の詩のいくつかが皇后美(み)智(ち)子(こ)さまによって英訳された。
- 式典は,3Dコンピューターアニメ映画「I Love スヌーピー The Peanuts Movie」の米国公開の数日前に行われた。
- Microsoftがβ版をランチするのは「NetShow streaming server」で動画や音声をオンデマンドで提供する。
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- 篏入的 r 音 《英音の India office /ndiərfɪs/の /r/の音》.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
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