オペラ劇場とは? わかりやすく解説

歌劇場

(オペラ劇場 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/17 03:54 UTC 版)

歌劇場
ウィーン国立歌劇場
ロイヤル・オペラ・ハウス
ベルリン・ドイツ・オペラ
びわ湖ホール

歌劇場(かげきじょう)は、オペラ及びバレエの上演を目的とする劇場オペラハウスとも呼ぶ[1]

概要

歌劇場のホール内には、舞台に加えて、客席と舞台の間に低くした部分(オーケストラピット、略称:ピット)を設けてここにオーケストラ指揮者を置く。ピットの深さは歌劇場によっていくらか違いがある。舞台は円滑な場面転換のために3面・4面舞台を有する。歌劇場ではない通常の劇場やコンサートホールのなかにも、舞台または客席の一部の床を低くしてオーケストラピットを設けてオペラに使用することが可能なように作られているものもある。

歌劇場は、ピット内でのオーケストラの多人数での楽器演奏と舞台上での独唱および合唱による歌唱の演出に適合するように、音響特性の大変複雑な考慮が必要とされる[1]建築物である。歴史の浅い新しい歌劇場よりも伝統ある世界的に著名な歌劇場のほうがかえって19世紀建設の古い建物の構造等のために音響が十分でない事例がしばしばある。

定義

日本語でいう「歌劇場」は、単にオペラ・バレエが上演可能な「建物」のことだけを指すのではなく、独力で継続的にオペラ・バレエをオーケストラ付きで上演し、それらを運営することの出来る組織を持っているものをあわせて指すのが通常である。世界の多くの歌劇場には、音楽監督ないし常任の指揮者、専属のオーケストラ合唱団が設置されている。たとえばベルリン国立歌劇場のオーケストラは、シュターツカペレ・ベルリンと呼ばれる。ウィーン国立歌劇場の専属オーケストラであるウィーン国立歌劇場管弦楽団は、このオーケストラの団員がコンサート活動を行う組織がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団である。しかし広義の意味で単に「オペラ団体」(歌劇団、英:opera company)を指す場合もある。「歌劇場」とあった場合、「建物」「オペラ団体」のいずれを指しているのか注意が必要である。

なお、ヨーロッパでは大都市だけでなく人口十数万程度の小都市でもオペラ団体を備えた歌劇場が存在する、と一般に言われることがあるが、これはオペラハウスが充実しているドイツ(および同じくドイツ語圏のオーストリアスイス)にはほぼあてはまり、イタリアがこれに準じる。ただドイツとイタリアでも人口の少ない地方では建物だけで常設演奏団体は備えていないケースもある。

ドイツ・イタリア以外の国では歌劇場は代表的な大都市に限られるところが多く、アムステルダムのように国内最大都市でありながら常設オペラ団体を持たないところもある。

種類

日本国内の主要な歌劇場

3面・4面舞台を持つ施設として定義した場合。

世界の主要な歌劇場

ドイツ
 オーストリア
イタリア
フランス
ベルギー
スイス
 スウェーデン
スペイン
イギリス
ロシア
アメリカ合衆国
オーストラリア

脚注

出典

  1. ^ a b 『建築大辞典 第2版 普及版』彰国社 p.261 1993年

関連項目


オペラ劇場 (OPERA PALACE Tokyo)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 16:12 UTC 版)

新国立劇場」の記事における「オペラ劇場 (OPERA PALACE Tokyo)」の解説

座席数:1,814席 1〜4階4階層に客席配置主としてオペラバレエ等の公演利用コンサート開催されたことは、過去数回しかない最大120人(4管編成)の奏者が入るオーケストラピット常設であり、公演内容に応じて深さ調整が可能である。 4面舞台をもつプロセニアム形式上下舞台機構使用し、度々入れ替え公演が行われている。 オペラ字幕装置舞台左右に設置され縦書き表示される劇場愛称公募し2007年3月29日オペラパレス(OPERA PALACE Tokyo) と決められた。

※この「オペラ劇場 (OPERA PALACE Tokyo)」の解説は、「新国立劇場」の解説の一部です。
「オペラ劇場 (OPERA PALACE Tokyo)」を含む「新国立劇場」の記事については、「新国立劇場」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「オペラ劇場」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「オペラ劇場」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オペラ劇場」の関連用語

オペラ劇場のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オペラ劇場のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの歌劇場 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの新国立劇場 (改訂履歴)、ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートポータブル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS