Lマウントカメラボディー
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「キヤノンのレンジファインダーカメラ製品一覧」の記事における「Lマウントカメラボディー」の解説
キヤノンSII(1946年) - 途中からライカLマウントと同一規格の「標準ねじマウント」に切り替わった。「ライカに追いつき追い越せ」という標語を掲げ、戦前とは比べ物にならないほど高品質かつ多機能なカメラが開発され、輸出商品の花形となった。 キヤノンIIB(1949年4月発売) - キヤノンSIIの後継で当初4月号の広告ではキヤノンSIIbと告知されていたが5月号ではキヤノンIIBで広告されている。0.67倍50mm/1.0倍100mm/1.5倍135mmに変更できる世界初の変倍式ファインダーを搭載した。このファインダー方式はキヤノンVI時代まで踏襲された。 キヤノンIIC(1950年7月発売) - キヤノンIIBにタイム露出を装備。スローシャッターダイヤルにクリックストップがついた。 キヤノンIII(1951年2月発売) - 国産カメラで初めてシャッター最高速1/1000秒を実現した。 キヤノンIV(1951年4月発売) - 世界初のワンタッチ式フラッシュバルブ取り付けレールを装備し、コードレスでフラッシュが使用できるようになった。 キヤノンIIIA(1951年4月発売) - キヤノンIIIのマイナーチェンジ版。 キヤノンIVF(1952年1月発売)/キヤノンIVS - キヤノンIVをベースに完全ダイカスト化などの改良を施した。途中で改名された。 キヤノンIIA(1952年3月発売) - キヤノンIVSから1/1000秒とスローシャッターを省略したモデル。ジャーディン・マセソンの注文で約300台が生産され、オセアニア方面に販売された。 キヤノンIID(1952年10月発売) - キヤノンIIAの1/8〜1秒のスローシャッターを装備した。途中で巻き上げノブ上にフィルム感度メモを装備した。 キヤノンIVSb(1952年発売) - 変倍ファインダー内蔵に加え、世界初のX接点によるスピードライト同調を実現し、ついにライカを超えたとまで言われ、キヤノンを一流のカメラメーカーとして世界に認知させることに大いに貢献した。洗練されたボディデザインからレンジファインダー時代のキヤノンを代表する名機と呼ばれることが多い。キヤノンIVSbブラック - 黒塗り仕上げ。展示用に作成されたもので市販されたことはない。塗り替えられた偽物が流通しているので注意が必要である。 キヤノンIIAF(1953年6月発売) - キヤノンIIAにシンクロ接点を装備したもので、数が極めて少ない。 キヤノンIIAX(1953年6月発売) キヤノンIIF(1953年6月発売) キヤノンIIS(1954年2月発売) キヤノンIVSb改(1954年3月または1955年発売) - キヤノンIVSbの改良型で1/15秒のスローシャッターを実現しシャッター速度系列が擬似的倍数系列となるなどより完成度を高めキヤノンIVSbとともに現在でも人気の高い機種となっている。 キヤノンIIS改(1955年4月発売) - キヤノンIISの改良型でシャッター速度系列が倍数系列になった。 キヤノンIID改(1955年4月発売) - キヤノンIIDの改良型でシャッター速度系列が倍数系列になった。 キヤノンIIF改(1955年4月発売) - キヤノンIIS改からX接点を省いたⅡFの後継機。シャッター速度系列は倍数系列。海外市場向けに作られたが極めて生産数が少ない。 キヤノンVT(1956年8月発売) - ライカM3の発売を受けて軍艦型のトップカバーをやめ、コダック・エクトラを参考に設計者の川田龍宥が「航空母艦のデッキ」と呼んだ、すっきり洗練された直線的なデザインに変更した。またより迅速な巻上げができるとされた底部トリガー巻き上げ、フィルム交換が容易な裏蓋ちょうつがい式開閉、外付けのファインダーなしで35mm広角レンズも使用できる新型変倍ファインダーなどを装備した。ボディーに入ったボーダーラインはわざわざ川田龍宥が京都や奈良に出向いて職人に教えを乞うた漆塗り。アクセサリーシューは対応ファインダーを使用すると自動でパララックスを補正するピン入り。 キヤノンL2(1956年または1957年3月発売) - 大幅なコストダウンを図ってより廉価にカメラを供給することを目指した。巻き上げはボディー上部のレバー式。 キヤノンVTデラックス(1957年5月発売) - キヤノンVTを改良したものだが「改」の文字は使われず別モデルとして扱われている。当時のライカM型にはないクランク巻き戻し装置を装備し、裏蓋安全ロックを追加した。背面のボタンを押すとノブによるフィルム巻上げが可能になり、三脚使用に対応する。当初金メッキだったハーフミラーのメッキが途中で銀メッキに変更されている。設計は川田龍宥。キヤノンVTデラックスブラック - 黒塗り仕上げ。 キヤノンL1(1957年5月発売) - 第1回のグッドデザイン賞受賞。当初布幕シャッターであったが途中からステンレス製に変更された。キヤノンL1ブラック - 黒塗り仕上げ。 キヤノンL3(1957年11月発売) - ボディ価格を最高級機種キヤノンVTデラックスより26,000円も安価にすることに成功した。 キヤノンVL(1958年3月発売) - キヤノンVTデラックスのトリガー巻上げを一般的なレバー巻上げに変更した。 キヤノンVL(1958年3月発売) - 巻き上げはボディー上部のレバー式。設計は川田龍宥。 キヤノンVL2(1958年3月発売) - シャッター最高速は1/500秒、ノブ巻き戻し、シンクロなしとキヤノンVLを簡略化した。 キヤノンVIT(1958年9月発売) - シャッターダイヤルを一軸不回転とし着脱式露出計「キヤノンメーター」に対応、標準と中望遠レンズ用アルバタフレームを内蔵しつつさらにファインダー倍率を引き上げた。キヤノンVITブラック - 黒塗り仕上げ。 キヤノンVIL(1958年9月発売) - キヤノンVITをレバー巻き上げに変更したモデル。キヤノンVILブラック - 黒塗り仕上げ。 キヤノンポピュレール(Populaire 、P型)(1959年3月発売) - ファインダーを等倍固定、35mm/50mm/100mmの3重フレーム式に簡略化したモデル。枠は自動でパララックス補正され、アクセサリーシューのパララックス補正ピンは省略された。値段もキヤノンL3より大幅に安く、キヤノンVITと比較するとほぼ半額になった。当時高級機にしか搭載されておらずキヤノンL3にも装備されていなかったシャッター速度最高速1/1000秒を備え、1軸不回転式シャッターダイヤル、巻き戻しクランク、セルフタイマーを搭載していたため、「低額高級機」として爆発的ヒットとなった。「キヤノンメーター」にも対応している。コストダウンの技術は高級機にもフィードバックされ、高級機の値段は急激に下がっていくことになった。キヤノンポピュレールキヤノン社章入り - キヤノンの社章が軍艦部に入っている。 キヤノンポピュレール自衛隊用 - 桜のマークが軍艦部に入っている。 キヤノンポピュレールブラック - 黒塗り仕上げ。 キヤノン7(1961年9月発売) - 型番がローマ数字でなくアラビア数字になった。距離計連動式24×36mm(ライカ)判カメラで初めてシャッター速度と連動させたセレン光電池式の露出計が組み込まれた。ライカM型と同様の採光式ブライトフレームファインダーを搭載、35mm/50mm/85mm/100mm/135mmの5種類の枠を切り替えできる。ねじマウント外周への外爪バヨネットマウント追加により史上最高の明るさを持つ「キヤノンレンズ50mmF0.95」や望遠レンズ用ミラーボックス2型を装着可能にした。アクセサリーシューはない。キヤノンのレンジファインダーカメラの最高峰に位置するが、コストダウン技術が進み50mmF1.8付きで46700円を実現し、メーターと50mmF1.8を付属した場合のキヤノンポピュレールの53500円より廉価となった。レンズも同様に価格改定が行われ、キヤノンレンズ交換式レンジファインダーカメラ史上最多の生産台数を記録、国産レンズ交換式レンジファインダーカメラはキヤノンの独擅場となった。しかしヒット直後からレンジファインダーカメラは急速に廃れ始め、このヒットが逆にキヤノンの一眼レフカメラ参入を遅らせる結果となった。キヤノン7ブラック - 黒塗り仕上げ。 キヤノン7S(1965年発売) - CdS露出計を装備した。キヤノンはレンズ交換式レンジファインダーカメラ開発から撤退することとなった。アクセサリーシューを再装備した。
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