8あらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:16 UTC 版)
「ラヴクラフトとダーレスの合作作品」の記事における「8あらすじ」の解説
インスマスから数マイル離れたファルコン岬に、イーノック・カンガーは住んでいた。ある夜、カンガーがインスマス沖合の悪魔の暗礁で引き上げた網には、大量の魚と共に「人ならざる女」がかかっていた。女はカンガーに助けてくれと懇願し、いつの日かカンガーが危険にさらされるようなことがあれば助けると約束した。カンガーは居酒屋で仲間にそのことを打ち明けると、仲間の一人は人魚だと言って笑う。カンガーは、手足と水かきがあり、人間の顔と海の色の胴体をしていたことから、人魚ではないと否定する。男たちは笑いころげ、カンガーを粗野に冷やかす。以来カンガーが居酒屋に行くことは稀になり、話しかけられたり冷やかされても沈黙するのみとなった。またカンガーが悪魔の暗礁で魚を獲ることは二度となくなった。 数年後、カンガーが海上のボートでひどいケガをしているところが発見される。発見者の二人に、カンガーは自宅に連れて帰ってほしいと言ったので、二人はカンガーを岬の自宅に運び込むと、ギルマン医師を呼びに急いでインスマスに引き返す。しかし医師を連れて戻ると、カンガーは姿を消していた。ドアやノブ、ベッドまでが濡れており、家から水際まで一列の足跡が残っていたが、一人きりでカンガーをかついで運ぶことなどできるはずがないので、結局カンガーの失踪は謎のままとなった。 ある夜、漁師たちの長老ジュディダイア・ハーパーは、悪魔の暗礁沖で異様な生物たちが泳いでいるのを目撃する。なかば人間でなかば蛙のような彼らは、男女あわせて二十人ほどおり、ダゴンの賛歌を歌っていたが、その中にはイーノック・カンガーの姿があった。ハーパーが驚いて大声で呼びかけると、彼らはいっせいに海中に潜って姿を消した。この出来事は噂となったが、ハーパーは突然口をつぐんで何も喋らなくなる。ハーパーが金に不自由しなくなったことで、おそらく海の異様な住民と結託していると噂されるマーシュ家やマーティン家の介入があったのだと思われた。 また別の目撃例もあり、そちらでは、顔はイーノック・カンガーのものであったが、耳の下には長い裂け目(=鰓)があり、ファルコン岬の廃屋を懐かしそうに眺めていたという。
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8あらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 00:26 UTC 版)
「タイタス・クロウの事件簿」の記事における「8あらすじ」の解説
新著を執筆中のジェラルド・ドーソンは、複写魔術(共感魔術)についての箇所で何をどう書こうか悩みこみ、タイタスに相談する。タイタスは、実例をいくつか詳しく知っており実証もできると言いつつ、それらの事象のほとんどは単なる偶然と説明する。だがドーソンとしては、その実例の方を詳しく聞きたくてならない。タイタスは、9年前に起こった出来事を語る。 イギリス人医師モーリスの趣味は、昆虫収集である。彼の手法は、昔ながらの台紙に虫を固定するやり方ではなく、樹脂を用いて虫を固めて標本を作るという方法であった。また弟のデイヴィッド医師は、アフリカの途上国で15年にわたり医療に従事し、人々を救い貢献していた。だが過労がかさみ、兄医師が弟のもとにやって来る。兄が弟に無理やり休息をとらせた矢先、弟は流行りの熱病に感染して寝込んでしまう。 兄弟の治療を受けて恢復した患者の多くは、未開のムブルス族の者たちである。彼らの部族の医術は半ば呪術であり、この熱病は呪医ダルフトの手にはまるで負えず、治療に効果を上げるのはもっぱら白人の医療であった。そんな状況において、酋長ノトカが熱病に倒れ、ノトカの息子とダルフトがモーリス医師のもとに懇願にやって来る。ダルフトにとっては、自分の治療はまるで効果がないにもかかわらず、ライバルに頭を下げねばならず、プライドはズタズタであった。 ノトカの依頼を、モーリス医師は拒絶する。ダルフトはキレた。だが鬱屈があふれ出、これを期に目障りな白人医師たちを追い払ってやろうと悪意に駆られる。そしてダルフトは、「大きな一匹の甲虫」をモーリス医師に突き出して逃走する。白人医師にはまるで意味がわからなかったが、現地人看護士は甲虫が悪しき呪物であることを説明し、捨て去ってしまうように助言する。だがモーリス医師は一笑に付し、それどころか珍虫を入手したことを喜び、嬉々として樹脂で固めてコレクションに加えようとする。 少し間を置いて、医師が樹脂を見てみたところ甲虫が消えていた。生きていて逃げたのかと思った矢先、医師は頭痛を覚える。3日後、弟医師が恢復したことで、兄医師はイギリスに帰国する。だが頭痛は収まらず、どんな処方も効果がない。 一方の弟デイヴィッド医師は、兄の頭痛を気にしていた。聞こえてくる太鼓の音が、呪いを増幅させる儀式であると知ったデイヴィッド医師は、確保した薬を携えてムブルス族のもとに赴き、ノトカ酋長に薬を与えて恢復させた後に、呪いの儀式を行っていたダルフトを探し出してやめさせる。その儀式は、人形を用いた呪術であり、「赤い頭頂部と青い眼」のモーリス医師を模した人形の中に、甲虫を埋め込んで、人形のこめかみ部を絞め続けていた。デイヴィッド医師は人形を回収して、イギリスの兄のもとへと郵送する。兄モーリス医師は、奇怪な人形と共に同封されてきた弟からの手紙を読むも、呪いなど信じなかった。 タイタスから話を聞いたドーソンにしても、頭痛になったのも頭痛が止んだのも、ただの偶然としか思えない。そこまではいいとして、タイタスは話を続ける。 だがモーリス医師の妻ミュリエルは、モーリス医師やドーソンとは違った。体調を崩した夫を気遣い、呪いを心配した。さらに件の人形はとても脆く壊れやすそうで、とても一生分の時間もつようには思えない。この人形が経年で風化していくとしたら、連動して夫の身にも同じことが起こるのではないかと、思ってしまう。そして夫人は、人形が壊れないようにと、樹脂で固めるという処置を施す。一時間後、夫人が夫の書斎を訪れると、モーリス医師は悶死していた。呪医の人形に夫人の処置が逆効果で作用したのか、はたまた偶然か、真相はわからない。死亡診断書には、アフリカで虫から病を移されたのだろうと書かれたのみである。夫人は己を責め、一年半ほど気の狂わんばかりとなる。 また夫の死の数日後、夫人は人形を暖炉にくべて燃やしてしまった。またその日の夜、たまたま遺言状が読み上げられたが、その内容は「もし自分が死ぬようなことがあったならば、遺体はきっと火葬に付してほしい」というものであった。合成樹脂に固められてちょうど棺に納められたかのような泥人形は、火葬された。話を聞き終えたドーソンは、是非ともこのエピソードを自分の著書に収録したいと述べる。
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