黒薔薇会関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/04 00:17 UTC 版)
「少女革命ウテナの登場人物」の記事における「黒薔薇会関係者」の解説
御影草時(みかげ そうじ) 声:緑川光 高等部3年の生徒で、御影ゼミ(通称黒薔薇会)を主宰する天才。自らもデュエリストの一人だが、根室記念館へ面会にやってきた悩める生徒(サブキャラクター)たちの心の闇に「深く、もっと深く」とカウンセリングのような形式で入り込み、心の闇を解放させ、「あなたは世界を革命するしかないでしょう。あなたの進む道は用意してあります」と囁き(もともとこの言葉は鳳暁生が根室教授に語ったことに由来)、黒薔薇のデュエリストに仕立て上げてデュエリストたちの決闘に介入した。 実は肉体・精神年齢共に、数十年に渡って成長が停止している。かつては「根室教授」と呼ばれ、100人の少年たちと、学園主催の「永遠」を手に入れるための研究を行っていた。しかし100人の少年たちと根室の関係は、根室は「純粋にビジネスのため」、少年たちは裏で根室に「電子計算機」とあだ名を付け、「世界の果て」との契約の証である「薔薇の刻印」を飾り、研究成果つまりは「永遠」を手に入れるためにお互いを利用しあっていたにすぎなかった。後に理事会から派遣されてきた監察官・千唾時子に心を奪われ、不治の病を持つ彼女の弟・馬宮に「永遠」を与えるために無関心だった研究に取り組むようになり、やがて研究を完成させて「城」を出現させることに成功した。しかしその後理事長・鳳暁生と時子がキスしている所を目撃したことがきっかけで「永遠」に対する執着を失い、「世界の果て」と契約。その後馬宮の言葉に背中を押され、根室記念館に火を放って100人の少年たちを殺害、彼らを「推進燃料」にして研究を進めるが、それも「世界の果て」に利用されることになった。 ウテナを初めて見たときに、彼女に時子の面影を感じ、彼女を「ウテナ」とも「時子」とも呼ぶが、後者で呼ばれたウテナには当然何のことなのかさっぱりだった。ウテナとの出会いを、時子の再来と考えて彼女を御影ゼミへ勧誘。ウテナは入会へ無関心だったが、自身にでも自身の友達にでも困ったことがあったら相談に乗るという言葉に誘われ、根室記念館を訪れる。だがエントランスホールに飾られていた黒薔薇のデュエリストの写真を見て御影が暁生の婚約者・香苗や親友の若葉をはじめとする黒薔薇のデュエリスト達を操っていたことを知り「やっと帰ってきましたね」「僕を捨てたこと、後悔しなくていいんです」と、彼女を受け入れる姿勢の御影を殴り倒し、左腕を締め上げ、薔薇の刻印を持つことを確認すると決闘を挑んだ(勝利者が参加者に決闘を挑むのは、アニメ版ではこの件が最初で最後)。そして告白昇降室で、自分は根室教授と呼ばれていたときから前に進んでいない、時子を倒さねば、自分は前に進めないと馬宮に告白、「世界の果てに咲き誇る薔薇、僕に」と宣言し、決闘に赴いた。最後はウテナとの決闘の最中に机の上に置かれていた写真を見て馬宮の本当の姿と根室記念館が焼け落ちた事件の真相を思い出し、ウテナに敗北したあと暁生によって「卒業」させられた。 「御影草時」という名前は根室記念館が焼け落ちた後に自らつけた偽名。ピンクの髪に茶色の瞳。根室教授時代は紫のレンズの眼鏡をかけていたが、現在はかけていない。決闘の際に胸に挿す薔薇の色は黒。決闘の際机の上に置かれていた物はモノクロ調の時子と馬宮の写真(この写真は草時が馬宮の本当の姿を思い出すきっかけになる)。同じ写真のカラー版は御影の回想の千唾家にあった。 彼の決闘に当てられた名前は「自覚(conscience)」。 漫画版では番外編である「黒バラの刻印」に登場、ウテナに決闘広場ではなく根室記念館で決闘を挑むが、馬宮が死亡していることを思い出して敗北。その瞬間に根室記念館が崩れ始めたが、御影は脱出せず生死不明となる。 劇場版に御影草時と黒薔薇会は登場しないが、下降するエレベーターの中での対話を通して心の奥底へ「降りていく」、そして本音へ「到着する」演出は再現されている。クライマックスでアンシーたちの脱出を阻止しようとする棺桶車(ベルゼブルカー)の大群は黒薔薇のデュエリストたちのメタファーとも言える。 プロフィール誕生日:11月30日 星座:射手座 血液型:AB型 千唾馬宮(ちだ まみや) 声:川村万梨阿 御影のパートナー。中性的な容姿の少年。御影を「先輩」と呼ぶ。不治の病を患っており、余命は幾ばくもない。後述の姉の時子は馬宮に「永遠」という寿命を与えるために、「永遠」を生み出す研究の監察官として根室に会いに鳳学園を訪れた。口では「永遠なんて無い」と言うが、本心は永遠を欲している。当時も今も根室(御影)の良い理解者であった。後に根室が暁生と時子との関係を知って「永遠」への執着を失った際、「永遠が欲しい」と発言、根室記念館を放火して100人の少年を殺し、根室の背中を押す。 現在では、御影ゼミの地下にのみ登場し、草時以外の人間と会話する機会は無かった(ただし第14話では香苗に一方的に話し掛けるシーンがある)。草時は黒薔薇の決闘を通してアンシーを手に入れた上で彼女を殺し、馬宮を新たな「薔薇の花嫁」(黒薔薇の花嫁)に仕立て上げようと目論んでいた。数十年前に根室記念館に放火した犯人とされているが、これは御影の幻想で、真犯人が御影自身であったことが黒薔薇編ラストで明かされる。銀髪に緑の瞳・褐色の肌という容姿で、容貌がアンシーやディオスに似ている。 実はこの馬宮(銀髪・緑の瞳、褐色肌で、黒薔薇編終盤まで視聴者が観ることになる姿)は世界の果て(鳳暁生)が草時を利用するべくアンシーに演じさせていた偽の馬宮で(アンシーの一人二役。容姿がアンシーやディオスに似ていたのも、黒薔薇編のアンシーがたまに転寝するのもこのため)、本物の馬宮(こちらは千唾時子の弟で、顔もアンシーが演じていた馬宮とはまったく異なり、黒い髪でそばかすがある素朴な少年である)は既に亡くなっていた。この偽者の馬宮が、御影が自分の記憶に幻想(100人の少年(=自分以外の決闘者)は死に、自分が馬宮に永遠を与え、現在も彼が生きている)を抱けた理由である。草時は馬宮が死んでいることを忘却しており、時子への未練で馬宮を側においていたが、ウテナとの決闘の際にようやく馬宮の本当の姿と根室記念館に放火したのは馬宮ではなく自分だったことを思い出した(この決闘時に彼に語りかけたのはアンシーではなく本物の馬宮の心情のようだが、明確な答えは描写されていない)。 千唾時子(ちだ ときこ) 声:日髙のり子 千唾馬宮の姉。かつて根室教授(御影草時)の元に理事会から監察官として派遣されるが、後に余命幾ばくも無い弟・馬宮のために「永遠」を手に入れる研究に参加した。根室教授に思いを寄せられていたが、彼女自身は鳳暁生と親密な関係となっていた。やがて根室記念館が焼け落ちた事件がきっかけとなり、根室教授の下を去って行った(この事件のとき時子は根室記念館が放火された現場におり、その際に「馬宮君が火を放った」と発言した根室の頬を叩く描写がある)。 花が散ることを嫌い、「永遠」を生み出す研究の当時は、彼女宅の薔薇は散る前に砂糖漬けやドライフラワーにされていたが、現在の鳳学園で暁生に再会したときは「実を結ぶために花は散る」と発言した。 御影は時子が自分の下を去った後も時子を強く想っていたようで、後に時子と似ている女性を自らの秘書にし、彼女に髪を時子と同じショートヘアにすることを強いていた。 第22話で馬宮の墓参りのついでに鳳学園を訪れるが、その際彼女とすれ違った御影は彼女が時子であることに気づかなかった。その後時子は根室教授(御影)が今も年を取らずに鳳学園に居座っているのだと気づき、暁生に「何か間違っている」と話した。 草時や暁生と同年輩であるが、再び鳳学園を訪れた時は彼らよりも年齢が上になっていた。このことは、現実における時の流れから隔離された鳳学園の不自然さを強調するものとなった。
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