首藤家 (Sudou Family)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 06:54 UTC 版)
「七つの大罪シリーズ」の記事における「首藤家 (Sudou Family)」の解説
蛇国の中で唯一異国人の居住が許されている伊耶美藩「鬼ヶ島」の、円尾坂の片隅にある仕立屋。伊耶美奉行・奥戸家の親戚筋にあたるが、複雑な家庭事情から本家から勘当されていた。 首藤禍世(カヨ=スドウ)(Kayo Sudou) モチーフ:巡音ルカ(ルカーナ=オクト) 円尾坂の片隅にある仕立屋の若き女主人。長い黒髪に片メガネをかけた和風美人。母が1年前に謎の死を遂げてしまうも、夫の楽我と生まれたばかりの息子・煉と共に幸せに暮らしてきた。気立てがよく、仕事になると周囲の音が一切聞こえなくなる程の集中力を持つ。亡き母から形見として「二丁の鋏」を受け継いでいたが、それがかつて「レヴィアンタの双剣」と呼ばれた「嫉妬の器」であり、母が奥戸家から持ち出した「妖刀」と呼ばれる物であるということを最後まで知らなかった。 円尾坂を襲った大火で逃げ遅れてしまい、彼女自身は酷い火傷を負いながらも助かったが、愛する夫と息子を失ってしまった。禍世は母方の親族である伊耶美奉行・奥戸家に引き取られ、4年後には再興した円尾坂で仕立屋を再開するも、家族を失った空虚は癒えることはなく、もう火傷は癒えた関わらず自分の顔には酷い火傷があると思い込むようになっていた。そんな時に、レヴィン教の宣教師であるエルルカ=‘Ma’=クロックワーカーと出会い、醜い火傷がある自分の身体と彼女の身体を取り換えることができると言われ、それを快諾しかつての先祖ルカーナ=オクトの姿となった。エルルカの催眠で姿が変わっても周囲からは驚かれることはなかったが、しかしそれ以降は謎の夢を見るようになり、また夫と息子が生きているような言動をしていることから、周囲からは気がふれたと敬遠されるようになった。そして街で見かけた三六悔を自分の夫だと思い込むようになり、彼に近づく女たちへの「嫉妬」から連続殺人を起こし、そして最終的には浮気を繰り返す「夫」の悔を殺し、血濡れのまま山を下りてきたところを捕えられて奉行である祖父の我斗に死刑を言い渡された。 実際は禍世は狂人ではなく、全ては自分から家族を奪った悔への復讐のためだった。本来の予定では禍世は本当に悔を夫と思い込み、彼の家族を浮気相手と勘違いして殺していき、最終的には「はじめましてこんにちは」と悔に言われて逆上し、彼の死の間際に大火の犯人が反異人「紅衣衆」に所属していた悔であったことを知るはずであった。しかし、裁きの場でそのことを公表したが為に、幕府と紅衣衆の全面戦争となり紅衣衆の拠点地の近くにある円尾坂が戦火に巻き込まれ消失するという未来を、ルカーナの能力である「紫の夢」で予知してしまい、自分から全てを奪っておきながら家族と共に幸せに過ごす悔への「嫉妬」から復讐を果たしながらも、大好きな円尾坂を守るために自ら狂人を装い、真相を隠したまま円尾坂に混乱に陥れた自分の刑の執行を望んだ。 実は「嫉妬の悪魔の娘」であった禍世は、先天的に大罪の悪魔の契約者と同じ体質になってしまうため誰も彼女を殺せないでいたが、息子の「煉」として可愛がっていた黒檀童子の持つ憤怒の器「グリムジエンド」によって刑は執行され、彼女は死ねない痛みから解放される。しかし元より「悪魔の娘」であったこと、そして罪のない悔の家族を殺したことから天界には受け入れられず、その魂は地獄へと落ちて行ったが、容姿がエルルカに酷似していたため、冥界の主であるグーミリアに気に入られ彼女の衣装係を務める事になる。 姓名の由来はそのまま「ストーカーよ」から。 首藤楽我(ガクガ=スドウ/楽舎(ガクシャ)(Gakuga Sudou/Gakusha) モチーフ:神威がくぽ 首藤禍世の夫。元は奥戸家の現当主・奥戸我斗の孫のひとりであり、妻の禍世とは従兄弟同士になる。武家の出身でありながら若い頃から遊び放題・喧嘩放題の放蕩者で、左手には以前人妻に手を出してその夫につけられた火傷がある。実家から勘当され、落ち延びた先である円尾坂で禍世に一目惚れした。その後彼女の母から禍世とは従兄弟同士であると聞かされるも、互いに愛は変わらず祝言をあげ、相変わらず遊び呆けてはいたものの浮気はせず、妻を一途に愛していた。 その後円尾坂を襲った大火で妻や息子と共に逃げようとするも、逃げ遅れて炎に包まれようとしていた。しかし、その時に傲慢の器「ルシフェニアの四枚鏡」によって悪魔の姿になり空を飛んで助かるも、異形の姿になってしまったことから妻に声をかけることを躊躇してしまい、偶然見かけた放火犯を見かけ追おうとするが、悪魔の力が弱まり山の中腹に落ちて記憶を失う。その後に魏耶羅という徳の高い僧に発見され、廃寺で治療を受けた後に人間の姿に戻り、楽舎という名前を与えられて同行するようになる。しかし、左顔半分にも火傷痕が残ってしまい、その顔を隠すために常に深編笠を被っていた。 魏耶羅の死後に初心に帰る意味も含めて記憶を失った自分がいた円尾坂を訪れ、そこで打ち首にされた女性の首を見る。その処刑場の前で黒檀童子と出会い、直後に間違って冥界に行ってしまった魏耶羅の計らいにより全ての記憶を取り戻す。首藤禍世は目の前の打ち首の女性だと黒檀童子に言われるも、エルルカの催眠の影響を受けていない楽我はその話を信じず、愛する妻に会いに深編笠を捨て去って行った。 首藤煉(レン=スドウ)(Ren Sudou) モチーフ:鏡音レン 禍世と楽我の息子で、生まれたばかりの赤ん坊。両親に似ない金髪であった。円尾坂を襲った大火で死亡した。 首藤流(ナガレ=スドウ)(Nagare Sudou) 禍世の父親。腕の良い着物職人であり、奥戸家の当主の娘であった神楽と駆け落ちし、円尾坂に辿りつき仕立屋をはじめた。既に病気で亡くなっている。 首藤神楽(カグラ=スドウ)/ラハブ=バリーゾール (Kagura Sudou/Rahab Barisol) 禍世の母親。奥戸家の現当主・奥戸我斗の長女であり、嫉妬の器「レヴィアンタの双剣」の番人であったが、家宝を持ち出し着物職人・首藤流と駆け落ちした。夫が亡くなり禍世が祝言を上げた後、海に落ちてしまい死亡した。 その正体は本物の神楽の精神を「転身の術」で入れ替え、神楽の身体を得た「嫉妬の悪魔」ことラハブ=バリーゾール。かつてはレヴィア神の部下であり、母でもあったという。首藤流に恋をし一緒にいたいが為に、美貌と魔力に優れた神楽の身体を乗っ取り神楽の精神を嫉妬の器「二丁の鋏」に閉じ込めた。そのため娘の禍世は人間の身体である神楽の子として生まれながら、「悪魔の娘」と呼べる存在になってしまった。 流が死んだことで人間界には殆ど興味を失っており、禍世の結婚を見届けた後は死んだことにして「人魚」として海辺で暮らしていたが、人魚の肉を食べれば不老不死になれるという伝説から漁船(特にフリージス財団の商船)に追い掛け回されていた。また全てを終わらせないために黒檀童子として転生した「イレギュラー」の記憶を術の介入で改竄し、燐として転生していた「リリアンヌ」から引き離した張本人。 最終的には「鋏」に宿っていたのが嫉妬の悪魔ではないことに気付いたエルルカ=‘Ma’=クロックワーカーによって居場所を突き止められ、神楽の身体ごと再び「鋏」の中に閉じ込められた。奥戸神楽(カグラ=オクト) (Kagura Octo) 奥戸家の現当主・奥戸我斗の長女で、嫉妬の器「レヴィアンタの双剣」の番人であった女性。強い魔力の持ち主であった為に嫉妬の悪魔に目を付けられ、「転身の術」によって精神を入れ替えられ「二丁の鋏」の中に閉じ込められてしまった。自分の身体を奪った嫉妬の悪魔と共に「鋏」として首藤家に渡り、嫉妬の悪魔が生んだ禍世をずっと傍で見守ってきた。「鋏」はシャルテット=ラングレーによって本来の能力を封じられているが、神楽は「二丁の鋏」として「鬼ヶ島」のあらゆる場所を見通すことができる。 自分の身体を奪った人魚こと嫉妬の悪魔を憎んでいるが、禍世のことは娘として大切に思っており、彼女のおぞましい犯行をただ見守ることしかできなかった。禍世の死後、仕立屋を訪れてきたエルルカに一連の出来事を話し、嫉妬の悪魔が鋏に戻ったことで神楽の魂は鋏から解放された。その直後にビヒモに声をかけられて彼やアレンと共に天界へと旅立つことになり、眼下に広がる禍世が愛し守った円尾坂を見つめながら、地獄にいってしまった禍世の幸せを願っていた。
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