規格化の歴史とは? わかりやすく解説

規格化の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 01:12 UTC 版)

海上コンテナ」の記事における「規格化の歴史」の解説

世界で最も一般的な貨物コンテナは、大きさなどの規格ISOによって国際的に統一されている「国際海上貨物用コンテナ」(Shipping containers または、Isotainers)と呼ばれるのである。このISOによるコンテナ標準規格将来わたって円滑に進め専門組織として、1961年6月ヘルシンキ開催されISO理事会にて「国際標準化機構貨物コンテナ専門委員会ISO / TC104)」が設立されている。このISO / TC104組織により、同年9月初め第1回ISO / TC104総会ニューヨークで開催され、後の各種規格制定下準備として各国間での調整議論始まった。 これらの議論の末に最初に登場した規格は、1964年7月ハンブルク開かれた第3回総会によって、現在の国際海上貨物用コンテナ基礎となる数値決定された後、1968年に「ISO 668」の初代規制値として確立する国際海上貨物用コンテナでは、複数長さがあるが主に長さ20 ft (6,058 mm)、40 ft (12,192 mm) の2種類用いられており、コンテナ取扱量を示す単位TEUは、20 ftコンテナ1個分を1TEUとしている。なお、制定当時コンテナ横幅及び高さでは、この2種類を含む全ての長さタイプで、横幅8 ft (2,438 mm)、高さ8 ft正方形となっていた。 その後世界的な物流事情変化に伴う「重量の軽い貨物もう少し積み込めるようにしたい」との要望により、少し背高となる8 ft 6 in (2,591 mm)タイプコンテナを、新たにISO 668基準値盛り込む要望出てきた。しかし、既にコンテナ陸送するための専用シャーシーは、世界で共通して円滑に輸送できるとの趣旨で、日本を含む地上高低く抑えられている国々でも、コンテナ積載した状態での地上高が3.8 mと決定されていた。これを元に最初コンテナの高さが8 ft決定されていたこと、当時コンテナ積載用のシャーシトラクターとの連結部分と、最後尾部位までが一直線状体のシャーシとなっていたので、既に限界までに低床化されていた。これらの現状での規制値内で、牽引するトラクター本体さらなる車高化は構造的に無理があり、また牽引トラクター40 ftコンテナ合わせた全長は、当時世界共通的に通用する最長値が現代のように長大ではなかった。 このために、20 ftタイプシャーシでは連結部位より後側の全体を少し下げて、8 ft 6 in型を輸送することは可能であったが、40 ftコンテナシャーシーでは、連結部位の構造上の理由前記のように連結時での最長値の制限により、さらにトレーラーシャーシ全長均等に低床にすることが出来ない態となっていた。そこで考案されたのが、元々コンテナ底部位(いわゆるコンテナ床下)には、保管時で地面置いた時に雨天時の床下水はけ事情等を考慮する必要があり、タンクコンテナなどの一部を除くほとんどのコンテナにはフォークポケットの有無には関係なく、十数センチ程の空間コンテナ構造上、存在している。この床下空間利用してシャーシー連結部分とはめ合う6インチ (153 mm)の深さの『グースネックトンネル』と呼ばれるくぼみを、積み込み口とは反対側の床下設けることで、連結部位より後のほとんどの部位となるシャーシー床面全体を6インチ下げることができた。道路運送上の要請から40 inコンテナにはグースネックトンネルと呼ばれるくぼみが設けられている。 これらの経緯をへて、1969年10月ニューヨークで開かれた第6回総会にて、まずは40 ftタイプ新しく高さ8 ft 6 inタイプが、ISOコンテナ認定された。その後、遅れる事5年後1974年10月東京開催され第8回総会にて、30 ftタイプ新しく、高さ8 ft 6 inタイプが【区分 1BB】コンテナとして、更に20 ftタイプ新しく、高さ8 ft 6 inタイプが【区分 1CC】コンテナとして、それぞれISOコンテナ認定された。続く1976年5月ワシントン開かれた第9回総会にて、旧シーランド社が独自規格として使用し続けていた35 ftタイプは、コンテナ船セル構造20または、40 ftコンテナとの積み併せや、保管時に組み合わせ悪さから発生する無駄なスペース等の汎用性がない事などを理由として、申請されていたISO規格への承認認めなかった。またこの件とは別にヨーロッパでUIC (国際鉄道連合)からの申請されていた、20 ftタイプの中で【区分 1C】及び【区分 1CC】タイプに対してコンテナ本体を含む最大総重量24 tまで認めることとなった。 これらの各種規制緩和ある意味苦肉の策編み出した8 ft 6 inタイプコンテナ積載しても、改善前と変わらぬ世界共通の地上高が3.8 mを維持する事となり、40 ftコンテナはグースネックトンネルを備えた8 ft 6 inタイプと、また40 ftコンテナ積載用のシャーシーは6インチ段差のあるタイプーへと全世界一気に広り、近代コンテナ土台となる各種規格完成したまた、航空機での運搬用には、海上輸送用のコンテナとは別規格国際的に統一されている『航空貨物用コンテナ(「航空コンテナ」も参照。)』がある。国際的に使用されるコンテナは、その発祥時点海上用、航空用ともヤード・ポンド法尺度とするアメリカ合衆国実用化された経緯から、ヤード・ポンド法に基づくフィート単位規格化されたものが主流占める。 なお、従来から日本国内使われているのは、旧、日本国有鉄道時代から鉄道貨物輸送用10 - 12 ft形の『鉄道用コンテナ』として採用され、「戸口から戸口へ」のキャッチフレーズ宣伝していた鉄道貨物コンテナであるが、これはトラックコンテナ貨車等のいわゆる鉄道コンテナ積載車両コンテナ接続固定する緊締装置含めて日本の独自規格である。 ウィキメディア・コモンズには、海上コンテナ細部特徴に関するメディアあります

※この「規格化の歴史」の解説は、「海上コンテナ」の解説の一部です。
「規格化の歴史」を含む「海上コンテナ」の記事については、「海上コンテナ」の概要を参照ください。

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