英雄の種族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 04:45 UTC 版)
黄金の種族の呼びかけに3番目に答えた種族。人型だが異形の怪物のような姿をしていて巨大。単独で宇宙空間を自在に飛び回ることが可能で、強大な攻撃力・頑強な肉体を持つ。その戦闘力は1体で人類や青銅の種族の艦隊を圧倒し、惑星すら破壊することが可能。黄金の種族を別とすれば、個々の戦闘力は全種族中最強である。 かつては争いを好み数々の他種族を滅ぼしていったが、黄金の種族によって諌められ、最終的に生き残った者は5体だけであった。黄金の種族によって、生き残った5体の英雄の種族は己よりも弱い鉄の種族や銀の種族に宿る罰を課せられた。英雄の種族が宿った人物は「ノドス」と呼ばれ、宇宙の命運を握る存在となる。 普段はノドスの身体に封印されており姿を現さないが、ノドスが発現を望んだ時、ノドスを中心に巨大な肉体が再構成される形で発現。ノドスと一体化する(エルマントスは例外的にノドスと一体化はしない)。英雄の種族は一旦戦闘が始まると近寄ることすらままならない巨大な戦闘力を発揮し、また本来の凶暴な性格も少なからず発現してしまうためコミュニケーションを取ることは難しい。しかし一体化したノドスの自我・記憶が反映されているため、戦う相手や場所をわきまえた理性的な面や、味方を気遣う面なども見せる。 3体以上の英雄の種族が争うと、その内の誰かが暴走し、敵味方の区別なく攻撃する「狂乱」と呼ばれる状態となる事があり、過去において狂乱状態の英雄の種族を止められたのは、黄金の種族のみであったと伝えられている。 また5体の英雄の種族の全ての名前はギリシア神話に登場するヘラクレスの12の功業に関連する。 ベルクロス 声 - 安元洋貴 鉄の種族である人類の赤ん坊であったエイジに宿った五人目の英雄の種族。その肉体は不変かつ限界を持たず、重力・引力・物理法則など様々の現象や超事象に耐久する事が可能で、その全てに干渉する。加えて、サイコキネシスによって発生する力場にも一切影響を受けず、時空流への知覚能力も備えており、時間制御に因る存在干渉も全て無効化していた。そのため、レクティは彼を「時空流の絶対存在」と評した。また、ケルビウスのブラックホールにすら耐性を誇り、自らの肉体とその力でブラックホールを消滅させた。 英雄の種族の中で最も強大な力を持ち、同胞さえ殺したことから「罪深きもの」とも呼ばれ、輪廻の刑により、エイジの生と願いを全うさせることでしか解放されない。最強であるがゆえに最弱である鉄の種族に宿らされたとされ、外見は鮫のように剥き出しの鋭い歯が並ぶ恐ろしい形相をしている。基本的には圧倒的なパワーとスピードによる肉弾戦を行う他、周囲の生命体からエネルギーを吸収し、強大な光線に転化して放つなどの攻撃手段を見せる。これはベルクロス自身の生体エネルギーをコアに収束させ、莫大な光熱に変換し一気に放出させるもので、収束現象があまりに強力であるために周囲の生命全てを巻き込む。この際、周囲の生命体は生命エネルギーを根こそぎ奪われる事になるが、吸収そのものを必要とするわけではないため、15話の「アルテミア」との戦闘では「狂乱」に陥った際に単体で放っている。また、アルテミアの放ったビームを手で掴み、そのエネルギーを自らに取り込む事で「狂乱」を鎮める触媒としていた(エナジードレインの一種)。 狂乱に陥った際の凶暴性と戦闘力は恐ろしく高く、レクティによれば「もしアルゴノートを撃墜してしまった」場合には、その力はケルビウスを除く他のノドスを圧倒するまでに高まり、太陽系を消滅させるまでに至る。彼の狂乱を止められるのはディアネイラのみである。なお、彼とエイジの示す力は“存在”となっている。 由来はギリシア神話で登場する“ヘラクレス”で、中貴種流離譚の最大の英雄である。ヘラクレスには12の功業というものがあり、これが12の契約になったと思われる。 レルネーア 銀の種族側のノドスであるカルキノス・ルーカンに宿る英雄の種族。エイジとは惑星ティターロスで初めて相まみえており、最も交戦回数も多いノドスである。英雄の種族の中で最も強い再生力と、あらゆる物質を崩壊・再生させる「猛毒にして万能薬」を持つ。猛毒はガス状に拡散させたりビームのように指向性を持たせることが可能で、威力は本気を出せば星を溶かす事も可能。物質の再生を行う際にはその物質との相互エネルギー交流が行われるため、「記憶」の再生と発展も可能である。ベルクロスとの戦闘の際には猛毒により岩石を分解・再構成し9つの首を持つヒュドラーのような外殻を造りだした。またその治癒能力は戦闘中に死亡したカルキノスを蘇生させるほどである。格闘能力も高い。 彼とカルキノスの示す力は"生命"である。 由来はヘラクレスの功業に登場するヒュドラーが棲んでいた“レルネの沼”をもじったもの。ちなみに、カルキノスはヘラクレスのヒュドラ退治の際にヘラが邪魔をするために送り込んだ大きな化け蟹であるが、ヘラクレスに踏み潰されてしまう。 ケルビウス 銀の種族のノドスであるユティ・ラーに宿る英雄の種族。 由来はギリシア神話で登場する地獄の番犬“ケルベロス”である。ギリシア神話ではヘラクレスに生け捕りにされる。 主な能力として、ブラックホールと同質の指向性過重力エネルギーを放出し、相手を光や物質、時空間すら永遠に停止する無の次元に吸い込ませる攻撃を行う。任意の空間に、マイクロブラックホールを出現させる攻撃も可能で、他に自分の正面に展開し、盾として惑星破壊規模の攻撃を防いでいた。他のノドスとは別次元の能力の持ち主。他の英雄の種族に比べて小柄な体格をしているが、肉弾戦においてもベルクロス相手に全くひけを取らない戦いを行う。カルキノスを失ったユティの絶望感に同調し、その力を暴走させ、周辺の星域一体を全て無の次元に飲み込んだ。 彼とユティの示す力は"虚無"であり、その圧倒的な力を暴走させ、全てを消し去ろうと最後の行動を起こす。その最中自らの真の存在意義である「扉」の力を目覚めさせる。 エルマントス 銀の種族側のノドスであるレクティ・レクゥに宿る英雄の種族。時空流を渡る。数時間から数日前の過去へ戻ることができると同時に、時空流を堰き止めることによる超高エネルギーを発生させることができるが、この能力はノドスにとっても負担が大きく、干渉できる時間の範囲は限定される。 特定の時点へ集中的に干渉させ過ぎると現在時とその時点との間に膨大なエネルギーが集積してしまい、最終的にはエルマントス自身にも制御不能になる。太陽系でのベルクロスとの戦いでは、あらゆる可能性において行った2万回の攻撃を阻止され、塞き止められたエネルギーは時空流暴走の果てにエルマントス自身へとはね返った。他の英雄の種族とは異なり、レクティと一体化するのでなく別に出現する。これはレクティが時間軸の一点に存在し、エルマントスのみが時間軸移動を行っているため。 エルマントスとレクティの示す力は"時間"となっている。真の力に目覚めた際には、自らの能力で果たす役割を見いだし、一つの時空のベルクロスでは受け止めきれなかった遺産を渡すため、「過去」や「訪れる筈であった未来」を問わず、あらゆる時間軸に存在するエイジとベルクロスを導き、黄金の種族の遺産を受け継ぐ助力を果たした。 ギリシア神話ではヘラクレスに生け捕りにされた猪の住処の地名、エリュマントス山である。 アルテミア 銀の種族側のノドスであるメヒタカ・ポレに宿る英雄の種族。肉体の各所に巨大なレンズのような器官を宿しており、ここから強力なビームを発射できる。エネルギーを溜めさえすればその威力は惑星すら破壊し、命中した艦船や小惑星を一瞬で蒸発させるほどで、耐えられるのは英雄の種族のみ。格闘はあまり得意でなく、専ら遠距離からのエネルギー投射で敵を殲滅する。光をゆがめ、自らを不可視状態にする事も可能(重力場によって時空を歪めて視認を阻害している)。また、スピードは全ノドス中最速。 彼とメヒタカの示す力は"光"となっている。真の力に目覚めた際には、エリュシオン周辺の破壊されたヘドロンの盾を再構成・合体させ巨大な盾を作り、狂乱したケルビウスのブラックホールの莫大な奔流を長時間に渡って防いだ。またこの盾が別の宇宙へとつながる扉の基礎となった。 由来はギリシア神話に登場する女神“アルテミス”で、ギリシア神話ではヘラクレスが生け捕りにした鹿を捧げた。「狂乱」したベルクロスに敗れ、メヒタカはアルゴノートに収容された。
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