秘密兵器説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:02 UTC 版)
自国を含めて、地球上のどこかの国の軍部によって秘密裏に開発されている戦闘機や兵器ではないかという説。冒頭で述べた通り、UFOの正体についての諸説は、いわゆる「超常現象としてのUFO」の存在を肯定するか否定するかで2通りに大別できるが、本説はその両者を含む。つまり従来の科学的知見を超えた秘密兵器を誰かが極秘裏に開発しているのではないかという主張と、単に見慣れない格好の航空機を誤認したに過ぎないという主張である。 新兵器を誤認したという観点では、例えばアメリカ軍であれば、XF5Uフライングパンケーキ、YB-49、F7Uカットラス、F-117ナイトホークなどの航空機が候補にあげられる。一般人からすると形状が奇妙だったり開発・運用が秘密だったりする。これらの機体は「UFO」であり正体を明かされていない飛行物体である。それらの新型機はいずれも民間空港で見慣れた形態ではなく、全翼機などの近未来風のSF戦闘機を彷彿させる形状をしており、常識を超えた速度(目視による速度の見積もりは問題が多い)で飛行できるなど、超常現象としてのUFOの目撃例と類似した点が見られる。実際、アメリカのネヴァダ砂漠にある空軍基地エリア51は、新型飛行機を含めた新兵器が開発・訓練するための基地である。当然のことながらこれらは軍事機密である。マンテル大尉事件においては、海軍が開発していたスカイフック気球を誤認したというのが、有力な説かつ空軍による公式見解であるが、当時のスカイフック気球は海軍の機密事項であったため、その存在を知らない大尉にとっては本来の意味においての「未確認飛行物体」であった。また実際に電波をすべての方向に均等に反射する目的で、円盤型の実験機が1950年代に製作されたこともあったが、空力的安定性があまりにも悪いために実用化には失敗した。 東西冷戦期には「ソ連の新型機」ではないかという説も盛んに主張された。確かに冷戦時代のソ連にはTu-95、Tu-160などの爆撃機をベースに改造された超長距離偵察機なども配備させていた。現在もロシアにそれらの機種は存在し稼動中である。これらは、しばしばアメリカ本土付近に現れ防空識別圏に侵入し、挑発的偵察活動を行った。日本付近にも現れた記録がある。2013年3月には、ロシアのSu-27戦闘機二機が北海道北部にある利尻島の日本領空に出現した。これらの偵察機は、米軍機や航空自衛隊など西側諸国の空軍機によって確認された場合もあったが、目視確認される前に飛び去った場合も多々あった。戦闘機が超音速で飛行できる時間はごく限られているので、亜音速偵察機でも時間に余裕があれば邀撃機に捕捉確認されずに十分遠方に逃亡できる。 又、2021年ころより、米国連邦政府機関(国家安全保障局、中央情報局、第16空軍、国防情報局など)は、UAPが「中国が開発する新型無人兵器、自律型AI兵器」である可能性も含め、その正体や物体、現象を検知し分析する調査部会「AOIMSG」を設置した。米国のインテリジェンスコミュニティーだけでなく、エネルギー省の研究機関やDARPA,IARPA、その他Palantirといった民間機関とも情報を連携、協力して調査を進めると言う。ファイブアイズに所属する英国やカナダとも情報を共有して未確認空中現象を検証する。 だが、このような世界的な動きに対して超常現象研究家のはやし浩司氏が指摘するには中国の軍用機は旧ソ連の技術をベースにしているため、最新戦闘機をチタニウムではなく鋼鉄で作っているような科学技術しか持たない中国がアメリカやロシアの最新戦闘機の追跡から一瞬で逃れるような真似はできないという見解も示している。(当然そのことはアメリカ軍部も察知していたはずであり、近年の米国のその種の調査活動は何らかの情報工作活動の一環と思われる。) 他には、陰謀論と呼ばれるものとして、非公開の科学情報として電磁場と重力場にはある種の相関関係があり、それを利用して密かに開発された超ハイテクタイプの地球製UFOの存在が取りざたされている。 それはロズウェル事件で回収したとされるような未知の飛行体に対するリバース・エンジニアリング(逆行分析)や、未知の文明に由来する高度な科学情報等によって得られたデータを基盤とした技術体系によって、電磁気的な重力効果やワープ航法などの手段で機体の重量を軽減できる航空技術が生み出されていたというSF的な推測を根拠にしているが、それが可能であった場合、それは途方もないレベルの省エネ技術や利便性の高い兵器の開発と普及に繋がる可能性があり、それは世界規模の産業界で最も巨大な影響力を持つ石油産業の利益と政治的影響力の急落が必至の情勢となる為に、世界的な政財界人のネットワーク組織によって半世紀以上も公的社会から隠蔽されていたという国際政治的な問題としての説明までがなされており、内容的には主要国指導部の名誉にかかわる問題となっている。 よって、これらの問題を公式に討議すべき問題とするには、数多くの証言者による内部告発や関係者による画期的な科学資料の提示が待たれる情勢であるといえる。一応その動きと思しき活動もあり、有名な活動としてはスティーブン・グリア氏によるUFOディスクロージャー・プロジェクトがある。 最近では中国、北朝鮮などの社会主義体制の国々とアメリカを始めとする自由・民主主義体制の国々との間でも未知の飛行体や地球外生命体を捕獲・回収した場合は、極秘裏に国連などを通して全世界レベルで情報共有と同時にメディアへの圧力も含めた一般・民間人への情報統制などがなされるように、仕向けられているといった内部告発も事実性のある都市伝説として取り上げられるケースもある。
※この「秘密兵器説」の解説は、「未確認飛行物体」の解説の一部です。
「秘密兵器説」を含む「未確認飛行物体」の記事については、「未確認飛行物体」の概要を参照ください。
- 秘密兵器説のページへのリンク