短波研究を学会発表とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 短波研究を学会発表の意味・解説 

短波研究を学会発表

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 05:54 UTC 版)

グリエルモ・マルコーニ」の記事における「短波研究を学会発表」の解説

マルコーニ前述したサウスウォールド(英国)とザンドヴォールト(オランダ)間の海上200kmを結ぶ北海横断回線(3MHz帯の2波を使う同時通話無線電話)の無線施設プレス電波関係者広く公開しており、逓信省工務課佐伯美津留穴沢忠平もパリ技術準備委員会1921年6月21日8月22日)の帰りにサウスウォールドでこれを見学し日本電信電話学会報告している。その後この北海横断回線は、ロンドンとサウスウォールド間およびザンドヴォールトとアムステルダム間の陸線と相互接続され、1921年12月18日にロンドン・アムステルダム間の有線無線式国際電話公開デモンストレーション大成功収めたマルコーニ手掛けたこれ以外の短波開拓についてはそれまで非公開だったが、1922年5月3日にまずフランクリン技師ロンドン開かれた英国電気学会英語版)(IEE)において、1916年よりマルコーニはじめたパラボラビーム実験数々とその成果発表した英国電気学会でのフランクリン発表1922年5月3日)時場所, 最大通信距離実験内容使用周波数, 方式1916年リヴォルノ沿岸イタリア), 10km パラボラビームアンテナの試験 150MHzと100MHz, 火花1917年 カーナボン近郊英国), 32km パラボラビームアンテナの試験 100MHz, 火花1919年 カーナボン・ホーリーヘッド間(英国), 32km 真空管無線電話試験 20MHz, 真空管1920年6月 アイリッシュ海横断試験英国・アイルランド), 130km 見通し外伝搬の試験 20MHz, 真空管1920年 フォース湾インチケイス島周辺海域英国), 13km 回転式パラボラビームによる電波灯台 75MHz, 火花1921年2月 ヘンドン近郊英国), 106km パラボラビーム局と自動車による陸上移動試験 20MHz, 真空管1921年8月 ヘンドン・バーミンガム間(英国), 156km パラボラビーム局同士による同時通話無線電話 20MHz, 真空管式 なお無線学会(IRE)はフランクリン技師対し短波パラボラアンテナ使用周波数対す開口長とビームパターンの関係などを明らかにした功績称え1922年度のモーリス・リーブマン記念賞Morris Liebmann Memorial Prize)を、『For his investigations of short wave directional transmission and reception.』として贈っている。 ついで1922年6月20日渡米したマルコーニニューヨークで開かれたアメリカ電気学会(AIEE)と無線学会(IRE)が共催する講演会において、短波ビーム通信について発表した。1160名の聴衆前にし、マルコーニ1896年9月ソールズベリー平原でパラボラビームアンテナを使い2.8kmの通信成功した話から、ヘンドン・バーミンガム間のビーム試験回線や、最近完成したばかりのインチケイス島のメリーゴーラウンドのような新型ツインビーム電波灯台仕組み詳細に説明したのである。 さらに大盛況会場では電波サーチライトRadio Searchlights)と称して波長1m(300MHz)のパラボラビームシステムのデモンストレーションが行われた。回転台載せられた300MHzパラボラ送信機を、300MHz受信機置かれテーブルの前で受信アンテナを手にして立っているマルコーニに対して向けた時だけ受信機反応する会場からどよめき起きたマルコーニ聴衆短波有効性将来性について熱く語った。 “短波研究は、これまでの無線歴史のなかで不幸にして無視されてきたとはいえ今後想像以上多方面での発展新分野研究成果期待できると、私は確信してます。故に、特にこの点にご注目いただきたいのです。” さらにレーダー原理にも言及したのである。 “講演終わり電波もう一つ別の利用可能性実現暁には航海者にとって計り知れない価値を持つでしょう - を指摘しておきますヘルツ最初に証明したように、電波導体によって完全に反射できます。私のいくつかの実験でも電波反射効果および数マイル離れた場所の金属物質によって電波屈折することに注目しました。船にビームをどの方向にでも放射、あるいは照射できるような装置を船に作ることは、私は可能だ思っております。このビーム例えば船のような金属製障害物遭遇した場合受信機にその障害物投影されるでしょう。これにより、船にたとえ無線装置配備されていない場合でも、悪天候下で直ちに他船の存在位置がわかるのです。” 講演会大盛況新聞各紙多く無線雑誌マルコーニビーム通信大きくとりあげた。日本では東京朝日新聞がこれを報じている。 しかし第一次世界大戦海底ケーブルだと敵国切断されることが実証され以来世界有線から大電長波無線へ舵を切ったばかりで、マルコーニ熱弁振るった短波」が研究機関無線機メーカ、そして電波主管庁の関係者たち心を動かすまでには至らなかった。同じく米国アマチュア無線家も「短波」には反応しなかった。1922年2月27日から3月2日フーバー商務長官召集した第一回国内無線会議First United States National Radio Conference)において、アマチュア用に1,091kHzから2,000kHzの周波数帯域分配する勧告採択され直後だったからだ。念願の低い周波数手に入る可能性出てきたため、アマチュア関心事は1,500kHz未満周波数集っていたのである短波による放送中継業務を研究していたウェスティングハウス電気製造会社ラジオ局KDKAの技術者フランク・コンラッドをのぞき、長波全盛のこの時代にあってマルコーニ言葉注目するものは現れなかった。マルコーニ通信試験により短波有効性証明するしかない考えた。そして1901年中波大西洋横断通信成功させたポルドゥー海岸局呼出符号MPD)を閉鎖し、ここに高さ325フィート(99m)もある4本のマストより吊り下げられ巨大パラボラビーム(波長97m、周波数3.1MHz)を建設することを決めたのが1922年夏だった。

※この「短波研究を学会発表」の解説は、「グリエルモ・マルコーニ」の解説の一部です。
「短波研究を学会発表」を含む「グリエルモ・マルコーニ」の記事については、「グリエルモ・マルコーニ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「短波研究を学会発表」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「短波研究を学会発表」の関連用語

短波研究を学会発表のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



短波研究を学会発表のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのグリエルモ・マルコーニ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS