特定金銭債権
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債権管理回収業に関する特別措置法2条1項は次のように規定する。 一 次に掲げる者が有する貸付債権 イ 預金保険法2条1項に規定する金融機関 ロ 農林中央金庫 ハ 政府関係金融機関 ニ 独立行政法人中小企業基盤整備機構 ホ 農業協同組合法10条1項3号の事業を行う農業協同組合及び農業協同組合連合会 ヘ 水産業協同組合法11条1項4号の事業を行う漁業協同組合及び同法87条1項4号の事業を行う漁業協同組合連合会 ト 水産業協同組合法93条1項2号の事業を行う水産加工業協同組合及び同法97条1項2号の事業を行う水産加工業協同組合連合会 チ 保険会社 リ 貸金業の規制等に関する法律2条2項に規定する貸金業者 ヌ イからリまでに掲げる者に類する者として政令で定めるもの 二 前号に掲げる者が有していた貸付債権 三 前2号に掲げる貸付債権に係る担保権の目的となっている金銭債権 四 機械類その他の物品を使用させる契約であってその使用させる期間(以下この号において「使用期間」という。)が1年を超えるものであり、かつ、使用期間の開始の日(以下この号において「使用開始日」という。)以後又は使用開始日から一定期間を経過した後当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないものに基づいて、当該物品を使用させることの対価としての金銭の支払を目的とする金銭債権 五 それと引換えに、又はそれを提示して特定の販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下この号及び次号において「販売業者等」という。)から商品を購入し、又は役務の提供を受けることができる証票その他の物(以下この号及び次号において「証票等」という。)をこれにより商品を購入し、又は役務の提供を受けようとする者(以下この号において「利用者」という。)に交付し、当該利用者がその証票等と引換えに、又はそれを提示して販売業者等から商品を購入し、又は役務の提供を受ける場合において、その代金又は役務の対価に相当する金額を当該販売業者等に交付し、当該利用者から当該金額又はあらかじめ定められた時期ごとにその代金若しくは役務の対価に相当する金額の合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た金額を受領することを約する契約に基づいて、当該利用者に対し生ずる金銭債権 六 証票等を利用することなく、販売業者等が行う購入者又は役務の提供を受ける者(以下この号において「購入者等」という。)への商品の販売又は役務の提供を条件として、その代金又は役務の対価の全部又は一部に相当する金額を当該販売業者等に交付し、当該購入者等から当該金額を受領することを約する契約に基づいて、当該購入者等に対し生ずる金銭債権 七 それと引換えに、又はそれを提示して商品を購入し、又は役務の提供を受けることができる証票その他の物をこれにより商品を購入し、又は役務の提供を受けようとする者(以下この号において「利用者」という。)に交付し、その証票その他の物と引換えに、又はその提示を受けて当該利用者に商品を販売し、又は役務を提供する場合において、その代金若しくは役務の対価又はあらかじめ定められた時期ごとにその代金若しくは役務の対価の合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た金額を受領することを約する契約に基づいて、当該利用者に対し生ずる金銭債権 七の二 それと引換えに、又はそれを提示して商品を購入することができる証票その他の物を利用することなく、購入者から代金を6月以上の期間にわたり、かつ、3回以上に分割して受領することを条件として機械類を販売する契約(以下この号において「機械類販売契約」という。)又は購入者から代金を2月以上の期間にわたり、かつ、3回以上に分割して受領することを条件として割賦販売法(昭和36年法律第159号)第2条第4項に規定する指定商品を販売する契約(機械類販売契約を除く。)に基づいて、当該購入者に対し生ずる金銭債権 八 資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第2条第1項に規定する特定資産(以下「資産流動化法に規定する特定資産」という。)である金銭債権 九 削除 十 金銭債権であって、これを信託する信託の受益権が資産流動化法に規定する特定資産であるもの 十一 資産流動化法に規定する特定資産の管理及び処分により生ずる金銭債権(資産の流動化に関する法律第2条第3項に規定する特定目的会社又は同条第16項に規定する受託信託会社等が有するものに限る。) 十二 一連の行為として、次のイからホまでに掲げる資金調達の方法により得られる金銭をもって資産を取得し、当該資産の管理及び処分により得られる金銭をもって、それぞれ当該イからホまでに定める行為を専ら行うことを目的とする株式会社又は外国会社が有する当該資産(以下「流動化資産」という。)である金銭債権 イ 証券取引法(昭和23年法律第25号)第2条第1項第4号に掲げる有価証券又は同項第9号に掲げる有価証券のうち同項第4号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券(同条第2項の規定により同号 に掲げる有価証券又は同条第1項第9号に掲げる有価証券のうち同項第4号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券とみなされる権利を含む。)の発行 その債務の履行 ロ 証券取引法第2条第1項第8号に掲げる有価証券又は同項第9号に掲げる有価証券のうち同項第8号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券(同条第2項の規定により同号に掲げる有価証券又は同条第1項第9号に掲げる有価証券のうち同項第8号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券とみなされる権利を含む。)の発行 その債務の履行 ハ 資金の借入れ その債務の履行 ニ 証券取引法第2条第1項第6号に掲げる有価証券又は同項第9号に掲げる有価証券のうち同項第6号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券(同条第2項の規定により同号に掲げる有価証券又は同条第1項第9号に掲げる有価証券のうち同項第6号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券とみなされる権利を含む。)の発行 利益の配当及び消却のための取得又は残余財産の分配 ホ 商法(明治32年法律第48号)第535条に規定する匿名組合契約に基づく出資の受入れ 利益の分配又は出資の価額若しくは残額の返還 十三 金銭債権であって、これを信託する信託の受益権が流動化資産であるもの 十四 流動化資産の管理及び処分により生ずる金銭債権(第12号に掲げる株式会社又は外国会社が有するものに限る。) 十五 第1号に掲げる者であって、商業、工業、サービス業その他の事業を行う者から金銭債権を買い取ることを業として行うものが有する金銭債権(その業として買い取ったものに限る。) 十六 破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令又は外国倒産処理手続の承認の決定(以下「手続開始決定」という。)を受けた者(当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続が終了している者を除く。次号において同じ。)が有する金銭債権 十七 手続開始決定を受けた者が譲渡した金銭債権 十八 特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律(平成11年法律第158号)第2条第1項に規定する特定債務者が同条第3項に規定する特定調停が成立した日又は当該特定調停に係る事件に関し裁判所がする民事調停法(昭和26年法律第222号)第17条の決定が確定した日に有していた金銭債権 十九 手形交換所による取引停止処分を受けた者がその処分を受けた日に有していた金銭債権 二十 前各号に掲げる金銭債権を担保する保証契約に基づく債権 二十一 信用保証協会その他政令で定める者が前号に掲げる債権に係る債務を履行した場合に取得する求償権 二十二 前各号に掲げる金銭債権に類し又は密接に関連するものとして政令で定めるもの
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特定金銭債権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/19 14:14 UTC 版)
「債権管理回収業に関する特別措置法」の記事における「特定金銭債権」の解説
不良債権の処理を迅速に進めるという立法趣旨から、サービサーが取り扱うことができるとされている債権(特定金銭債権)は一定の範囲に限定されている。具体的には以下の通りである(2条1項各号)。 金融機関等が有する貸付債権(2条1項1号):ここでいう「金融機関等」には、銀行、信金、農協、漁協、保険会社、貸金業者などが含まれる。貸金業者が含まれたのは平成13年改正によってであるが、これによりキャッシング債権も特定金銭債権に含まれることとなった。 金融機関等が有していた貸付債権(2条1項2号):転々譲渡の過程で一時的に金融機関に帰属していた債権をいう。 1.2.の貸付債権に関わる担保権の目的となっている金銭債権(2条1項3号):「担保権」とは質権や譲渡担保権などの物的担保をいう。 一定のリース・クレジット債権(2条1項4号ないし7号の2):たとえば、クレジットカードを利用する割賦購入斡旋契約に基づく債権がこれにあたる。 資産流動化法2条1項に規定する特定資産である金銭債権(2条1項8号):資産流動化・証券化スキームに基づく金銭債権をいう。 金銭債権であって、これを信託する信託受益権が資産流動化法に規定する特定資産であるもの(2条1項10号):金銭債権を信託譲渡し、信託受益権を特定目的会社に譲渡して流動化・証券化するスキームにおける、当該金銭債権をいう。 特定資産の管理・処分により生ずる金銭債権(特定目的会社又は受託信託会社等が有するものに限る)(2条1項11号):例えば、特定目的会社の保有する賃貸マンションが証券化された場合に、その賃貸マンションの賃料収入をいう。 SPV(特定目的会社)が流動化資産として有する金銭債権(2条1項12号):資産流動化法上の特定目的会社ではなく、SPVを利用する場合も、特定目的会社を利用する場合に準じて扱えるようにしたものである。 金銭債権であって、これを信託する信託受益権が流動化資産であるもの(2条1項13号):2項1項10号の規定をSPVにも適用できるようにしたものである。 流動化資産の管理・処分により生ずる金銭債権(SPVが有するものに限る)(2条1項14号):2項1項11号の規定をSPVにも適用できるようにしたものである。 ファクタリング業者が業として事業者から買い取った金銭債権(2条1項15号):ファクタリング業者は事業者から売掛債権を買い取ることにより資金を供給する機能を担っているので、立法趣旨に適うものとして特定金銭債権に加えられた。なお、ファクタリング業者は売掛債権の保証を行うことも多いが、この保証債務の履行による求償権は特定金銭債権に含まれない。 倒産手続中の者が有する金銭債権(2条1項16号):破綻した企業が保有している金銭債権については換価処分が必要になるが、これが遅延することは社会経済全体にとって不利益である。このような金銭債権をサービサーが回収することは、不良債権の迅速処理という立法趣旨にも適うものであるため、特定金銭債権に加えられた。 倒産手続中の者が第三者に譲渡した金銭債権(2条1項17号) 特定調停法に規定する特定債務者が特定調停成立日又は裁判所の調停に変わる決定の確定日に有していた金銭債権(2条1項18号):特定調停手続は経済的に破綻するおそれのある者の更生を目的とした手続であることから、立法趣旨に適うものとして特定金銭債権に加えられた。特定調停手続では破産や会社更生、民事再生とは異なり、裁判所による手続開始決定というプロセスを経ないことから、特定調停の成立日を基準日とすることとされた。 手形交換所による取引停止処分を受けた者がその処分を受けた日に有していた金銭債権(2条1項19号):手形交換所による取引停止処分も経済的な破綻を意味するため、破綻処理の迅速化という立法趣旨に適うものとして特定金銭債権に加えられた。 1.から15.までの債権を担保する保証契約に基づく保証債権(2条1項20号) 信用保証協会等が16.の債務を履行した場合に取得する求償権(2条1項21号) 1.から17.までの金銭債権に類し又は密接に関連するものとして政令で定めるもの 特定金銭債権にあたらないものとして、一般的な売掛代金債権や請負代金債権などが挙げられる。これらは流動化対象資産(2条1項8号、12号)になっていたり、ファクタリング業者が買い取ったものであったり(2条1項15号)、倒産手続中の者が保有している場合(2条1項16号)にあたらない限り、特定金銭債権にはならない。 また、貸付債権(2条1項1号)については、主体が限定されており、例えば貸金業者でない個人が貸し付けた貸金債権などはこれにあたらないことになる。
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特定金銭債権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/12 00:10 UTC 版)
特定金銭債権とは、金銭の給付を目的とする債権ではあるが当事者間で目的物が特定されている場合の債権である。例えば債権者が金銭の種類を指定するのではなく、「陳列棚のこの記念硬貨」などと目的物を特定して売買する場合である。特定金銭債権は特定物債権の一種である。
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