熱血高校ドッジボール部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/18 00:42 UTC 版)

『熱血高校ドッジボール部』(ねっけつこうこうドッジボールぶ)は、テクノスジャパンより1987年11月に発表されたアーケードゲーム。のちにハードウェア移植や続編が数多く発表された(#移植版・続編・関連商品を参照)。
ゲームについて
熱血高校を操作して、花園高校や世界の強豪相手にドッジボールで勝負する。難易度は、最初は大したことがないが、世界大会になるとかなり難しくなる。外国人は必殺技が打て、中には取れないものもある。さらに敵には途中出場もあり、誰か倒すと新たに出場してくるので、非常に難易度が高い。アメリカチームを倒すと、エンディング後にイギリス戦から再スタートして、制限時間が10秒縮小されたうえに敵の耐久力が上がった状態での試合となる。7周目を上限に10秒ずつ短縮されて耐久力が上がる仕様ではあるが、2周目の時点で耐久力アップした敵を時間内に倒すことがすでに困難であり、7周目到達は事実上不可能である。
2クレジットの投入で、1Pの熱血高校と2Pの花園高校での対人戦も可能。再戦は1クレジットで可能。再戦しなかった場合、勝利したプレイヤーは無料でそのまま1人用をプレイできる。対人戦では、時間切れになった場合、内野に残った人数が多いほうが勝者となる。しかし、内野の人数が同数だった場合は引き分けとなり、両者ゲームオーバーとなる(再戦や1人用の続行ができずタイトル画面に戻る)。なお、いわゆる「乱入プレイ」はない。
ドッジボールのゲームであるが、ルールは一般的なドッジボールのルールとは違う。相手の内野の選手にシュートがヒットした場合、その内野選手は外野に出ることはないが、体力値が減る。何度もシュートを当てられて体力が0になった選手は天使となって昇天して試合から脱落する(次の試合には帰ってくる)、という『くにおくんシリーズ』ならではのケンカスポーツである。
BGMは作中に登場する国々の民族音楽風に作曲されたものを使用している[1]。
なお、ほかの移植作品とは違い、ほとんどの選手に名前はつけられていない。
本作は新ジャンルを開拓してゲーム業界に新旋風を巻き起こしたテクノスジャパンの代表作で、岸本良久と富山徳之が制作に携わっている。
敵チーム内容
大部分のキャラクターは名前が設定されていないので、外観に由来する種類名(実際にゾンビだったりするわけではない)がつけられている。
なお、くにおのチームも含め、キャラクターの大きさが、小さいキャラと大きいキャラに分けられている。
花園高校
- 内野
- りき
- チビ×3
- 外野
- チビ×3
イギリス
- 内野
- 怪物×2(そのうち1人は補充)
- 痩せゾンビ×3
- 外野
- チビ×2、痩せゾンビ
アイスランド
床が氷になっていて滑りやすい。
- 内野
- 怪物×2(そのうち1人は補充)
- デブ男×3
- 外野
- チビ×2、デブ男
中国
- 内野
- 怪物×3(そのうち2人は補充)
- チビ、デブ男、痩せゾンビ
- 外野
- チビ、デブ男、痩せゾンビ
アフリカ
- 内野
- 怪物×3(そのうち1人は補充)
- 痩せゾンビ×2
- 外野
- 痩せゾンビ×2、怪物
アメリカ
- 内野
- 怪物×6(そのうち2人は補充)
- 外野
- 怪物×3
ルールについて
このゲームでは内野同士、外野同士のパスを行うことができるが、実際のドッジボールでは禁止行為である。
制限時間内に敵コートの内野を全員倒さないと、味方コートの内野の人数に関係なくゲームオーバーとなる。
ジャンプでのセンターライン超えてのシュート及びパスは可能だがジャンプせずにセンターラインに触れると敵ボールとなる。
ボールをしばらく持ったまま、または連続でパスし続けてシュートを打たずにいると、審判がカウントを始める。そして、カウントが終わると自動的に敵ボールとなる。
移植版・続編・関連商品
- アーケード版をベースにしたアレンジ移植。選手個別のパラメーター設定や必殺技の魔球が設定され、2人対戦モードも実装された。クラブ練習モードではマルチタップを用いての4人対戦も可能。グラフィックはファミコンのスプライト機能の制限により選手は全員同サイズで統一され内野は3人までとなる。
- 熱血高校ドッジボール部(X68000版)- 1988年9月
- グラフィックはアーケード版に準拠し、選手個別のパラメーター要素や必殺技の魔球の設定等はファミコン版から取り入れられ仕上げられたパワーアップ移植。通常の世界大会の他にも、宇宙人チームと戦うオリジナルのクエストモードも追加されている。対戦モードも実装されているが、ファミコン版のように全チームを使えるわけではなく、熱血高校と花園高校の2チームでしか対戦できない仕様となる。また、ゲーム中は常時60フレームで処理されており、キャラの動きのスムーズさにおいてはアーケード版以上だった。
- 熱血高校ドッジボール部 強敵!闘球戦士の巻(ゲームボーイ版) - 1991年8月8日
- くにおくんのドッジボールだよ全員集合!(スーパーファミコン版)- 1993年8月6日
- くにおの熱血闘球伝説(ネオジオ版)- 1996年
- 海外版でもめったにお目にかかれないレアゲー。テクノスジャパン倒産後に稼動開始したものと思われる。
- オレたちゲーセン族 熱血高校ドッジボール部(PlayStation 2版)- 2006年1月26日
- アーケード版だが、X68000版と比較すると、明らかに再現度や画面処理に関して問題点が見られる。
- 超熱血高校くにおくん ドッジボール部(ニンテンドーDS版)- 2008年3月19日
- ミリオン制作、アークシステムワークス販売の作品。本作では相手のコートで肉弾戦も可能。
- Super Dodge Ball(アーケード版、北米市場向け)
- プレイヤーのチーム本拠地はアメリカ。ステージはアメリカから始まり、決勝は日本となっている。
- Super Dodge Ball(NES版、北米市場向け)
- プレイヤーチームなどはアーケードと同じだが、決勝が日本ではなくUSSR(ソ連、性格やパラメータは日本版アメリカチーム)となっており、日本(性格やパラメータは日本版ソ連チームのキャプテン至上主義を踏襲)は準決勝となっているので、謎の軍団の戦いやエンディングの胴上げ記念写真はソ連ステージとなる。またアフリカは具体的に国名をケニアとなっている。詳細はSuper Dodge Ball(英語版)のページを参照。
- ダウンタウン ドッジボールだよ全員集合!!
- PC用に制作されたソフト(厳密に言えば同人ゲームの1つ)。製作チームである「Miracle Kidz」は後に会社化した。主要スタッフは元テクノス社員なので事実上の続編に近い存在。
- ダウンタウン 激凸ドッジボール!
- XNAで制作されたXbox 360インディーズゲーム。800MSP。Miracle Kidzが開発。
- モードはダウンタウンとワールドに分かれている。カスタマイズも豊富。800P。製作はMiracle Kidz。
- 熱血高校ドッジボール部 (PlayStation 4版/Nintendo Switch版) - 2015年7月31日配信[2](NSW版は2020年8月27日配信[3][4])
- アーケード版の移植。アーケードアーカイブスの一作品。
- レトロスティック 熱血LEGEND くにおくん - 2024年12月10日発売
- ファミコン版の移植。テレビのHDMIポートに挿して使用するゲーム内蔵スティックで、他に『ダウンタウン熱血物語』、『ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!』、『びっくり熱血新記録!はるかなる金メダル』、『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』も収録[5]。
- ジョイントTV!くにおくん - 2024年12月20日発売
- ファミコン版の移植。ラウンドワン限定プライズ景品。1タイトルのみを収録したPnPゲーム機で、他に『ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!』、『びっくり熱血新記録!はるかなる金メダル』のバージョンも存在する[6]。
脚注
- ^ M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』53ページ
- ^ “『熱血高校ドッジボール部』がプレイステーション4のアーケードアーカイブスで配信開始” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2015年7月31日). 2020年8月27日閲覧。
- ^ “『アーケードアーカイブス 熱血高校ドッジボール部』Switch版が8月27日に配信決定。1987年に発売された『くにおくん』シリーズ第2作目” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2020年8月26日). 2020年8月27日閲覧。
- ^ Gueed (2020年8月26日). “「熱血高校ドッジボール部」がSwitch向けアーケードアーカイブス作品として8月27日より配信へ” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2020年8月27日閲覧。
- ^ 「【くにおくん】『レトロスティック 熱血LEGENDくにおくん』が12月10日に発売、HDMIに挿すと遊べるゲーム機。『ダウンタウン熱血物語』『それゆけ大運動会』などシリーズ5作品がまとめて1本に」『ファミ通.comd』2024年11月26日。2025年5月18日閲覧。
- ^ ROUND1[アミューズメント公式] [@ROUND1_AMPRIZE] (2024年12月11日). "あのアクションレトロゲーム #くにおくん シリーズが プライズ化‼". X(旧Twitter)より2025年5月18日閲覧。
外部リンク
熱血高校ドッジボール部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 22:38 UTC 版)
「くにおくんシリーズ」の記事における「熱血高校ドッジボール部」の解説
ひろし(声:真地勇志(CDサッカー編)) 熱血高校のドッジボール部員。他のメンバー同様、様々なスポーツに対応できる才能を持つ。どのスポーツでも守備を得意とする。『第1作』から登場しているくにおの親友・ひろしと設定上の同一人物だが、作品毎にキャラクタードットが異なる。代表的な必殺技は「分裂シュート」と「スネークシュート」。 『格闘伝説(アプリ版)』では柔道家タイプとして登場。『行進曲AS』のDLCや『乱闘行進曲』では「熱血ドッジ部チーム」の副キャプテン「闘球ひろし」として参戦する。 こうじ(声:太田真一郎(CDサッカー編)、演:木村啓介(ドラマ)田中涼星(舞台)) 熱血高校のドッジボール部員。他のメンバー同様、様々なスポーツに対応できる才能を持つ。どのスポーツでも守備の要となる能力を持つ。髪型がややワイルドで見かけこそ派手目だが、メンバーの中では最も内向的であり、縁の下の力持ち的な存在でもある。『サッカー編』以降は、『熱血物語』で登場した汎用敵キャラクターのドットが流用されている。代表的な必殺技は「稲妻シュート」と「スクリューシュート」。 「熱血硬派シリーズ」である『初代』でもくにおの仲間として登場し、作中ではセーブデータを記録をする役割を担っている。『すぺしゃる』及び『乱闘協奏曲』ではドッジボール部のキャプテンとして登場し、くにおを部に勧誘する様子が描かれている。『格闘伝説(アプリ版)』では忍者タイプとして登場。『行進曲AS』のDLCや『乱闘行進曲』では「熱血ドッジ部チーム」のメンバーとして参戦する。 いちろう 熱血高校のドッジボール部員。スキンヘッドと足が速いのが特徴。必殺シュートは通常は使いづらいが、テクニックを駆使することでかなりの強さを誇るポテンシャルを持つ、エキスパート向けのキャラクター。代表的な必殺技は「もず落としシュート」と「かっくんシュート」。 他のメンバーに比べて登場作が少なく、『超熱血高校くにおくん ドッジボール部』で20年ぶりに再登場したものの『乱闘協奏曲』のミニゲームの対戦相手として再登場するまでに再び長い期間を要することとなった。『行進曲AS』のDLCや『乱闘行進曲』では「熱血ドッジ部チーム」のメンバーとして参戦する。また、『ホッケー部』の集合写真にて、彼らしきスキンヘッドの生徒が登場している。 しんいち(声:真地勇志(CDサッカー編)) 熱血高校のドッジボール部員。他のメンバー同様、様々なスポーツに対応できる才能を持つ。どのスポーツでも攻撃を得意としており、性格もかなり攻撃的である。『サッカー編』以降は、『熱血物語』で登場した汎用敵キャラクターのドットが流用されている(サングラスをかけた顔)。最近年上の彼女と別れたらしい。くにおと練習でよくキャッチボールをしており、そこにドッジボール以外のスポーツへの助太刀依頼が転がり込んでくる。代表的な必殺技は「圧縮シュート」と「おぶおぶシュート」。 『格闘伝説(アプリ版)』では柔道家タイプとして登場。『行進曲AS』のDLCや『乱闘行進曲』では「熱血ドッジ部チーム」のメンバーとして参戦する。 みつひろ(声:小林俊夫(CDサッカー編)) 熱血高校のドッジボール部員。他のメンバー同様、様々なスポーツに対応できる才能を持つ。スポーツによって得意とする分野が変わる。『サッカー編』以降、他のドッジボール部員が『熱血物語』で登場した汎用敵キャラクターのドットが流用されている中、彼のみ新規に用意された(耳が大きい顔)。食べ物の味にはうるさいグルメな一面もあり、見かけによらず実は硬派。代表的な必殺技は「加速シュート」、『サッカー編』では「ちゃらんぽらんシュート」。 『格闘伝説(アプリ版)』ではカンフータイプとして登場。『行進曲AS』のDLCや『乱闘行進曲』では「熱血ドッジ部チーム」のメンバーとして参戦する。 なりたか 花園高校のメンバー。登場キャラクターで唯一である特殊な設定が複数なされており、ダッシュ7歩目と1歩目でそれぞれ異なる必殺シュートが出せる点、ダッシュジャンプ必殺シュートが普通ジャンプで出せる点、さらに外野でも必殺シュートを打つことが可能、といった特筆すべき強みを持つ。 『RCG』ではりきに憧れる少年として登場する。 じえむす(じぇーむす) イギリスチームのキャプテン。FC版ではへいるまんの色違い(ピンク色と紺色のユニフォームにややピンクがかった白い肌)だったが、SFC版以降は金髪オールバックの白人になった。必殺シュートは「稲妻シュート」。 『行進曲AS』ではチームエディット専用キャラクターとして使用できる。『行進曲AS』での肩書は「Englishman」。 らはまあん インドチームのキャプテン。FC版ではもるどふの色違い(茶色の肌に薄紫色のユニフォーム)だったが、SFC版以降はやや老け顔っぽい顔つきになった。必殺シュートは「おぶおぶシュート」。 『行進曲AS』ではチームエディット専用キャラクターとして使用できる。日本のカラッとした気候が肌に合っており、気に入っている。好物はカレー。『行進曲AS』での肩書は「Indian boy」。 へいるまん(演:菅田俊(ドラマ)) アイスランドチームのキャプテン。登場キャラクター中、最大の体力を持つ。必殺シュートは「ワープシュート」。 『時代劇』では、甚六一家に雇われた外国人として登場する。「これで、オッケーね。」が決めセリフで、進め方次第ではくに政の味方となる。『乱闘協奏曲』ではミニゲームの対戦相手として登場する。携帯サイト『熱血硬派くにおくんi』に存在した掲示板では管理人の一人として登場していた。 『行進曲AS』や『乱闘行進曲』では「わーるど選抜チーム」のメンバーとして参戦する。日本の気候や食文化が合わず、早く母国に帰りたいと思っており、チームメイトにも心を閉ざしている。『行進曲AS』での肩書は「BIG BOSS」。 らおちぇん 中国チームのキャプテン。必殺シュートは「かっくんシュート」。 『時代劇』では、へいるまんの知人として登場し、とある場所で「謎の店」を営んでいる。 『行進曲AS』や『乱闘行進曲』では「わーるど選抜チーム」のメンバーとして参戦する。バブルの影響により、親の会社の経営が波に乗ったおかげで現在は豊かな生活を送っている。『行進曲AS』での肩書は「中華商魂」。 もるどふ ロシア(FC版発売当時はソ連)チームのキャプテン。スキンヘッドと口髭が特徴。ロシアチームは彼のワンマンチームと呼ばれる抜きんでた能力を持ち、登場キャラクター中、最高のボールパワーを持つ。必殺シュートは「圧縮シュート」。 『すぺしゃる』ではアイテムを換金してくれる謎のロシア人として、『乱闘協奏曲』ではミニゲームの対戦相手として登場する。『行進曲AS』、『マッハ』ではチームエディット専用キャラクターとして使用できる。『行進曲AS』での肩書は「Russian boy」。 んじょも アフリカ(続編ではケニア)チームのキャプテン。FC版ではらおちぇんの色違い(赤茶色の肌に黄色いユニフォーム)だったが、SFC版以降はパンチパーマ風の髪型に大きな目をした顔になった。必殺シュートは「ぶうめらんシュート」。 『乱闘協奏曲』ではミニゲームの対戦相手として登場する。『行進曲AS』ではチームエディット専用キャラクターとして使用できる。日本に来るのは初めてのため、興奮しすぎて知恵熱を出した。好物はウガリ。『行進曲AS』での肩書は「African boy」。 うぃりあむ アメリカチームのキャプテン。体力はアイスランドのへいるまんの次に高い。FC版ではへいるまんの色違い(クリーム色の肌に黄緑のユニフォーム)だったが、公式イラストやSFC版以降のドットグラフィックではやや強面な人相の黒人となっている。必殺シュートは「加速シュート」。 『マッハ』では「オールアメリカチーム」のキャプテンとして参戦し、アメリカ各界の猛者達を取りまとめている。 穴久保幸作著の漫画『おれは男だ!くにおくん』では美男子として登場している。
※この「熱血高校ドッジボール部」の解説は、「くにおくんシリーズ」の解説の一部です。
「熱血高校ドッジボール部」を含む「くにおくんシリーズ」の記事については、「くにおくんシリーズ」の概要を参照ください。
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