江戸幕府儒官林家関係資料とは? わかりやすく解説

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江戸幕府儒官林家関係資料

主名称: 江戸幕府儒官林家関係資料
指定番号 114
枝番 0
指定年月日 2002.06.26(平成14.06.26)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 1062点
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: 林家初代林信勝【のぶかつ】(羅山【らざん】)は、朱子学学識により徳川家康知遇を受け、外交文書起草寺社行政・史書編纂など草創期幕府政治大きな役割果たした三代信篤【のぶあつ】(鳳岡ほうこう】)以降代々大学頭だいがくのかみ】に任じられ官許儒学総帥となった江戸中期には、他学派興隆により学問的影響力はやや衰えたが、八代の衡【たいら】(述斎【じゆつさい】)は、「昌平坂学問所しょうへいざかがくもんじょ】」の幕府直轄化や、寛政改革教学行政手腕をふるうとともに、『寛政重修諸家譜かんせいちょうしゅうしょかふ】』『徳川実紀とくがわじつき】』などの大規模な編纂事業中心となって活躍し林家中興といわれた。幕末一一代〓【あきら】(復斎【ふくさい】)は、対外交流に関する史料集通航一覧つうこういちらん】」を編纂するとともに米国使節との和親条約締結交渉尽力したが、一二代昇【のぼる】(学斎【がくさい】)に至って明治維新迎えた。本資料は、昭和十九年一九四四)に林家から東京帝国大学史料編纂所寄贈されたものである内容多岐にわたるが、便宜上四分野に大別した
(一)家産家政に関する文書・記録類は、領知判物りょうちはんもつ】、知行地高帳【たかちょう】、家系履歴に関する記録牛込にあった下屋敷関係の書類往復書簡等の他、聖堂での釈菜せきさい】など職務に関する記録含まれるまた、家塾門人帳「升堂記【しょうどうき】」は、江戸前期から幕末まで門人収載しており、林家影響力窺知できる史料である。
(二)著述類は、歴代当主等の詩文集や学問上考証的な著作であり、羅山の「神道要語しんとうようご】」、鵞峰【がほう】の「職源抄不審問答しょくげんしょうしんもんどう】」述斎の「蕉窓永言しょうそうえいげん】」などが含まれる朝鮮通信使応接に際して交換され詩文原本韓人書【かんじんしょ】」「韓客唱酬かんかくしょうしゅう】」や、米国との開国交渉に関する復斎の記録「轎中雑識【きょうちゅうざっしき】」は林家役割にふさわしい。
(三)林家伝来典籍類は、多く明清および江戸時代刊本であるが、林家当主講釈用いた漢籍見られる中でも明版の『資治通鑑しじつがん】』には羅山および二代鵞峰の校閲識語があり、家塾における講釈様子をうかがうことができる。
(四)絵画器物類には歴代当主肖像画墓碑銘拓本絵図角筆等が含まれる
 これらの林家関係資料は、幕府教学中心的地位であった林家まとまって伝来し近世思想・学問教育研究上、価値が高い。同時に多く散逸した旧幕臣の家政関係資料としても貴重である。
 なお、一二代昇は維新後司法省職員群馬県教員等歴任しながら漢学講じた。本資料中には、昇の履歴に関する書類書簡自作詩文収集典籍等が一括して伝来している。これらは、新時代適応しようとした同家軌跡を示す資料として歴史的意義認められるので、附として保存を図るものである



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