楓荘住人
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コウタ(耕太) 声 - 鈴木千尋(幼少期 - 生天目仁美) 本作の準主人公。北海道出身。大学1年生。本作は彼の視点で描かれている。 従姉妹のユカから建物の掃除を毎日することを条件に使われていない料亭「楓荘」にタダで住むことになる。その際、由比ヶ浜に流れ着いていたルーシー(にゅう)を発見し、彼女を楓荘へ連れて行き一緒に暮らす事にする。最初はカナエの形見の貝殻を割ってしまったルーシーに対して激怒するなどしたが、徐々にルーシーと心を通わせていき、後に角沢教授の下から逃げ出した際に記憶を取り戻したルーシーが楓荘から去ろうとした際には「楓荘がルーシーの居場所だ」と彼女を引き止めた。楓荘の住民の中で唯一の男性である。女性にはそこそこもてるが、デリカシーの無い性格。しかしルーシー(にゅう)の角にも偏見を持たず、マユの境遇を見兼ねて手を差し伸べるなど面倒見も良い。 実は8年前にルーシーに父親(声 - 小野大輔)と妹のカナエを殺されており、その事件に関するすべての記憶をショックから失っている。それに関連して、カナエと父親の死因をそれぞれ病死と交通事故死だと思い込んでいる。 8年前に家族で鎌倉に遊びに来た際にルーシーと出会い、彼女の角を見て「かっこいい」と口にするが、角のせいでいじめられていたルーシーからは拒絶された。その後日に再びルーシーと再会、彼女を川や動物園に連れて行って一緒に遊び、ルーシーは心を開いていった。しかし、夏祭でユカに抱きつかれている所をルーシーに目撃されたことで彼女がDNAの声に従うきっかけを作ってしまう。その後江ノ電で帰る途中電車の中でルーシーと再会した際、彼女が夏祭りの会場で人を殺すところを見ていたカナエと喧嘩になり、直後に目の前でカナエと父をルーシーに殺され、豹変したルーシーの言動を目の当たりにしてショックを受け、このショックから事件の記憶を失った。 後に楓荘が能宗らに襲撃された時、コウタを攻撃しようとしたシンシアがルーシーによって腹部を両断されたのを目の当たりにした際にフラッシュバックを起こし、父とカナエがルーシーに殺されたことを鮮明に思い出し、同時にルーシーを憎むようになり彼女を遠ざける。物語終盤で自分を守る為にベクターを行使しすぎて体が溶けたルーシーの姿を目の当たりにしたことで彼女を赦し始めるが、その直後にルーシーはDNAの声に乗っ取られてしまう。その際幻影となって現れたルーシーとにゅうに頼まれ、8年前にルーシーに頼まれたことを実行し、ルーシーを手に掛けた。 全てが終わった後、ユカとの間に娘が産まれ、彼女に「にゅう」と名づける。その数年後、娘と共にルーシーとの思い出の場所を訪れた時にルーシーがいじめっ子に殺された仔犬の墓に埋めたコウタに宛てた手紙を発見し、それによってようやくルーシーを赦す事が出来た。その後、コウタがルーシーとにゅうのそれぞれの面影を持った角のない双子の女の子に出会う場面で物語は締め括られている。 アニメ版ではマリコが江ノ島に現れた際、白河がルーシーに殺されたのを目の当たりにした事で父と妹がルーシーに殺されたことを思い出すが、終盤までルーシーを赦さなかった原作とは異なり、マリコと蔵間の死後ルーシーに自分の想いを伝え、彼女を赦した。 ユカ 声 - 能登麻美子 コウタの同い年の従姉妹。神奈川県鎌倉市出身。 コウタがにゅうにエッチなことをしないかどうか見張る為という建前を得て、楓荘に一緒に住むことになる。成績は良い方だがコウタと一緒の大学に通いたい一心から偏差値の高い大学を蹴っている。それほどコウタに好意を寄せており、故に嫉妬深い一面もある。恥ずかしさを誤魔化すため等でコウタによく暴力を振るう。 本人は気づいていないが、8年前の事件でルーシーがコウタに裏切られたと勘違いする原因を作った張本人である。また、コウタの妹と父親が病気・事故で死んだのではなく何者かに殺されたことも知っていた。 原作の最終話ではコウタと結ばれ、彼との間に娘(名はにゅう)をもうける。 マユ 声 - 萩原えみこ 由比ヶ浜のボートハウスで犬のわん太と一緒に暮らす中学生の家出少女。家族は母と母の再婚相手である義父がいたが、義父が彼女に性的虐待を続け母も彼女を守らなかったため耐え切れなくなり家出。コウタ達が落とした傘を頼りに楓荘に訪れ、以後住み込むことになる。後に彼女の境遇を知ったコウタが彼女の母に連絡を取って彼女の住民票を移して楓荘に住み込ませ、その後は鎌倉の学校に通うこととなった。義父に受けた仕打ちにより、男性に対して不信感を抱いているが坂東だけは平気。初期はコウタに対しても好感を寄せていたが、コウタとにゅうの入浴シーンを目撃してから不信を抱き、距離を取る様になった。時々コウタに対して毒を吐いている。後に由比ヶ浜に住み着いた坂東と出会い、彼の食事の支援をしたことで坂東の心を開かせることとなる。 物語後半で黒帽子の男が楓荘に乗り込んできた際に彼に襲われるが、間一髪のところで坂東に助けられる。その後坂東がルーシーにふたたび敗れて下半身を失う瀕死の重傷を負い姿を消した後は彼に代わって毎朝浜辺のゴミ拾いをするようになる。最終話で由比ヶ浜に戻ってきた坂東と再会を果たした。 わん太 声 - 不明 マユと行動を共にする犬。本来の名はジェームスといい、元々別の飼い主に飼われていて、迷い犬となっていた。飼い主が見つかったが、飼い主の元から逃げてマユの元で暮らすようになる。物語の最後でマユの元を離れ、いずこかへと去っていった。 ノゾミ(原作のみ) ユカの後輩。死んだ母親のようにオペラ歌手になるために親に内緒で音大受験を目指している。歌が上手く母親と同様にソプラノ・ドラマティコと呼ばれる日本人では希少な声質の持ち主である。だがその声帯は喉が脆いという欠点を同時にもっており、ノゾミの母親はそのせいで喉を潰してしまい、声がでなくなったことを悲観して自殺していた。ノゾミの父は娘に母親と同じ道を辿ってほしくはないがために、彼女がオペラ歌手を志望することに反対し暴力まで振っている。極度の臆病のためおもらしをする癖があるので、常におむつを着けている。好きな歌曲は本作の題名ともなっているフーゴ・ヴォルフの「エルフェンリート(妖精の歌)」。ノゾミは楓荘で興味を示したにゅう(ルーシー)にこの曲を教えたが、実はルーシーが養護施設にいたころにも、悲しいことがあるたび家の近くの裏山でこの歌を歌っており、幼いルーシーはその歌声を聞いていた。物語の終盤で、この「エルフェンリート」が重要な役割を果たすことになる。 後に志望していた音大入試の合格通知が楓荘に届くが、その結果をコウタがノゾミに発表しようとしたそのとき、能宗の特殊急襲部隊が楓荘を襲撃。その際ルーシーと特殊急襲部隊との戦闘に巻き込まれて喉を負傷し、声が出なくなってしまう。その後治るかどうかは時間をおかなければわからないと医者に宣告された。 アニメ版では彼女は登場せず、代わりにコウタが幼い頃ルーシーに聞かせた「Lilium」(アニメ版のオープニングテーマ。ラテン語でユリ(純潔の象徴)の意味)のオルゴールがノゾミの役割を果たす。
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