昭和期の作品とは? わかりやすく解説

昭和期の作品

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 01:44 UTC 版)

音楽漫画」の記事における「昭和期の作品」の解説

1950年代 音楽漫画歴史は古い。赤本漫画時代は、実在したクラシックの音楽家などを題材とした偉人伝的なものがあり、次の貸本漫画時代では、当時実在人気歌手らを題材とした「童謡歌謡漫画」が存在したこうした『(芸能人芸名物語』といった実在歌手の名前を冠した作品その後引き継がれ時代時代人気歌手扱った作品生まれている。 ストーリー漫画としての音楽漫画は、少女漫画中心に発展した1958年昭和33年)にちばてつやが「少女クラブ」でヴァイオリンを弾く少女主人公にした『ママのバイオリン』の連載を開始デビュー間もないちばにとって初の雑誌連載となったこの作品は、少女大人気博し連載第2回目読者アンケート2位以降連載終了まで1位の座を守ったとされる。しかし当時漫画家多くは、楽器演奏などの実態知らないこと多く、そのため荒唐無稽な怪作と言える作品もしばしば生まれた1960年代 1960年代に入ると、トキワ荘紅一点として知られる水野英子が、西洋舞台にしたロマンティック・コメディ作品多く手がけはじめる。中でも1964年昭和39年)に連載を開始した『白いトロイカ』は、ロシア革命舞台オペラ歌手目指すロシア少女主人公据え音楽学校描写など「かなりのリアリティをもって描かれている。また1969年昭和44年)には、少女ロック漫画元祖とされ、水野少女漫画作品大きな節目となったファイヤー!』の連載開始された。感化院出たアメリカ青年がロックシンガーを目指すストーリーは、ベトナム戦争カウンターカルチャー台頭など当時の時代背景リアルタイム取り入れ話題呼んだバンドものの原点とも言われ男性漫画ファンにも人気博した1970年代 1970年代になると、音楽漫画1つジャンルとして成立していく。1975年昭和50年)には、劇画家の池田理代子が『オルフェウスの窓』の連載を開始南ドイツレーゲンスブルク架空音楽学校から始まる物語は、第一次世界大戦ロシア革命などの史実織り交ぜながら、ドイツロシアオーストリア舞台4部構成描かれた。作中ではベートーヴェン重厚な音楽多く登場し、また実在ピアニストヴィルヘルム・バックハウス)を登場させることで物語に厚みを持たせている。翌1976年昭和51年)には、大泉サロン中心メンバーであり「24年組」と称された、竹宮恵子増山法恵共作による音楽学校もの『ウィーン協奏曲』『変奏曲』が登場した原作を担当した増山ピアニスト志望であったことから、これらの作品通じて音楽に関する専門的な知識読者広まり、また音楽家心情が「はじめて実感をもって語られた」作品となった楽器嗜む読者見て不自然に感じないよう、「普通のグランド・ピアノとコンサート・グランドとの差」「鍵盤と手の大きさとの比率」「弦楽器演奏する人の微妙なポーズ」などの細かな点も丁寧に描写されている。当時竹宮は、オーケストラ楽器のほとんどを空で描けるまでに楽器の形などに詳しかったという。また、1978年昭和53年)には「ポスト24年組」の1人であるたらさわみちが、南ドイツバイエルン地方実在するテルツ少年合唱団モデル描いたバイエルンの天使』を発表それまで日本馴染み薄かった合唱団人気広めきっかけ作ったとされる1980年代 1980年代頃からは、日本舞台にした等身大主人公作品増え始める。1980年昭和55年)にはくらもちふさこが、ピアニストの母を持ち日本の音楽学校に通う女子高校生恋物語描いたいつもポケットにショパン』の連載を開始。この作品の影響ピアノ習い始めた少女多かったと言われ、特に最後コンサートシーン名場面として知られる男性向け作品では、1985年昭和60年)に上條淳士が「週刊少年サンデー」で『TO-Y』をスタートパンク・ロックバンドをしていた主人公が、芸能界ソロデビューする過程とその活躍描いた主人公歌い手であるにもかかわらず演奏シーンには一切歌詞」や「オノマトペ」を用いず、画だけで「音」を表現する手法が非常に特徴的な作品である。青年漫画においては1988年昭和63年)にジャズ題材にした『BLOW UP!』が、細野不二彦により「ビッグコミックスペリオール」で連載されている。また、少年の頃からピアノ習い音楽造詣深かった手塚治虫も、生涯通じて音楽漫画を何編か描いている。1987年昭和62年)に始まったベートーヴェン題材にした『ルードウィヒ・B』 は、連載中1989年平成元年2月9日手塚亡くなったため未完絶筆となった

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