文学的評価とは? わかりやすく解説

文学的評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 22:47 UTC 版)

神曲」の記事における「文学的評価」の解説

『神曲』は、世界文学代表する作品として評価定着しており、西洋において最大級賛辞受けている。「世界文学」を語る際にはほぼ筆頭位置置かれ古典文学最高傑作ルネサンス先蹤となる作品とも評されている。特に英語圏では『神曲』影響極めて大きく部分訳含めれば百数十作にのぼる翻訳が行われ、膨大な数の研究書批評紹介発表されている。ダンテ文献多く蔵するアメリカコーネル大学図書館では、ダンテ関連文献だけで4冊の目録作成されているほどという。日本における『神曲』受容も、西洋からの翻訳紹介から始まったこともあって、基本的にはこの流れを汲む『神曲』は、執筆当時から様々な毀誉褒貶受けていた。ダンテとほぼ同時代活躍したボッカッチョは、深くダンテ傾倒し最初崇拝者となった。彼は『神曲註解』や『ダンテ礼賛』を著してダンテ顕彰し、後には『神曲』講義行っている。一方でダンテによって地獄に堕とされた人々の子孫や関係者たちは、当然ながら『神曲』快く思っていなかった。また、ダンテ正義倫理観反する者は、例え教皇であろう容赦なく地獄に堕として責め苦に遭わせたため、この点を反教的と批判する者もいた。 また今日の評価からすると驚くべきことかもしれないが、ルネサンス終わりかけに入る頃、ダンテ『神曲』もほとんど言及がなくなる。後輩格のペトラルカボッカッチョその他ヨーロッパ文学与えた影響比べる明らかに寂しい。例えフランス古典主義文学は完全に『神曲』無視して成立している。 19世紀初頭イタリアロマン主義詩人アルフィエーリは、イタリアにおいて『神曲』はほとんど読まれていない語りスタンダールイタリアでダンテ軽蔑されていたと書いている。ゲーテはこの作品偉大さ理解していたものの、その苛烈表現不快感示し批判している。19世紀半ばからロマン主義運動ナショナリズム高揚するにつれてダンテ注目されることになり再び読まれ研究されることとなった。そして20初めにホフマンスタールT.S.エリオット詩人作家によって、半ば神格化され今日の評価に至るのであり、永続的な高評価受けてきたわけではないことに留意する必要がある『神曲』中には様々な書物から引用がある。中でも聖書が最も多く次にアリストテレスウェルギリウスなどの哲学倫理学、詩が多用されている。また、当時自然科学における天文学測量学などの知見素材として論理的立体的に構成されていることから、中世における百科全書的書物であるとも評価される。さらに聖書伝説ギリシャ神話ローマ神話神々怪物多数登場し古典文学流れを引く幻想文学代表作とも言えよう。実際、その幻想的な内容豊饒なイメージから、後述するように数々文学芸術作品大きな影響与えてきた。『神曲』の持つファンタスティック描写は、現代のSFファンタジーの源流一つもみなされている。

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文学的評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 10:44 UTC 版)

大江健三郎」の記事における「文学的評価」の解説

谷崎潤一郎賞最年少受賞はじめとして国内主要な文学賞を他の作家より二十年以上早いペース次々受賞して1994年には日本人二人目ノーベル文学賞受賞している。 比較文学小谷野敦は「大江戦後日本最大作家である」とした上で三島由紀夫が、谷崎潤一郎没したときに、明治末年谷崎現れてから没するまでの半世紀を「谷崎時代」と呼んだのになぞらえて大江デビューした1958年以降を「大江時代」であるとした。 「同時代大江健三郎」(群像2018年8月号)と題され大江同世代筒井康隆×蓮實重彦による対談において、筒井は「1950年代から2010年代まで、ずっと大江健三郎時代だった」と評している。蓮實は「大江さんが作家として一番偉いと思っている」と述べた読売新聞文化部記者尾崎真理子は、大江最新作いち早く的確に評することは同時代の批評家にとっての必須要件であったため、大江を軸にして日本主要な批評家並べることで1950年代から2020年までに至る日本現代文学史を描けるとした。 バージニア大学教授 Michiko Niikuni Wilson は「大江現代日本文学長年孤立から脱け出させ、世界文学中心に届けた」("Oe has delivered modern Japanese literature out of its long isolation and into the heart of world literature.") と評している。

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