ファンタジーの源流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 13:57 UTC 版)
文学史の中にファンタジーの起源を求めると、古代・中世の書物に記された神話や伝説、英雄物語などに行き着く[要出典]。例えば『ベーオウルフ』、『ニーベルンゲンの歌』、中世ロマンス、アーサー王伝説群などが挙げられる。 そして、これらの神話伝説を素材として編まれた数々の文学作品がファンタジーの源流となり、また、ファンタジーの系譜にはイソップ童話のような童話から児童文学につながる流れもある[要出典]。 近代文学におけるファンタジーは、19世紀から20世紀初頭にかけて隆盛を誇ったリアリズム文学に対するアンチテーゼとして出発している[要検証 – ノート]。すなわち、小説世界のルールは現実世界に準じ現実の一コマとして存在しうる物語であるというリアリズム文学に対し、小説世界のルールを小説世界で規定し現実にはありえない物語をファンタジー文学と呼んだのである[誰?]。 最初期のファンタジーは、主に児童文学の領域にみられる。すなわちチャールズ・キングスレー『水の子 陸の子のためのおとぎばなし』(1863年)やルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(1865年)などである。これらは、すでに単に子供向けではない大人向けの含蓄が含まれる点で、初期ファンタジー文学としての特質を有している。その後の流れとしては、ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』(1900年)、ジェームス・マシュー・バリー『ピーター・パンとウェンディ』(1911年)、パメラ・トラバース『風にのってきたメアリー・ポピンズ』(1934年)などが挙げられる。これらもファンタジー文学、児童文学両方の扱いがなされる。 やがてファンタジーは児童文学の一分野として扱われながらも、次第に対象(読者)を大人にも広げていき、またサイエンス・フィクションとも相互に影響しあって発展していく。児童文学に分類されない、大人向けのファンタジーとしてはロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』(1939年)や、ジャック・フィニイ『ゲイルズバーグの春を愛す』(1963年)などが代表作として挙げられる。ただしこの両作品はサイエンス・フィクションの時間テーマものの傑作としても扱われており、ファンタジー文学、SFの両方の扱いがなされる作品でもある。
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