ジュリアン・バーンズとは? わかりやすく解説

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ジュリアン・バーンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 09:31 UTC 版)

ジュリアン・バーンズ
Julian Barnes
ジュリアン・バーンズ(2019)  
ペンネーム ダン・キャヴァナー
Dan Kavanagh
誕生 ジュリアン・パトリック・バーンズ
Julian Patrick Barnes
(1946-01-19) 1946年1月19日(79歳)
イギリスレスターシャー州
職業 小説家
国籍 イギリス
活動期間  
ジャンル ポストモダン文学
代表作 『フロベールの鸚鵡』『終わりの感覚』
主な受賞歴 メディシス賞エッセイ部門(1986)
フェミナ賞外国小説部門(1992)
オーストリア国家賞(2004)
ブッカー賞(2011)
エルサレム賞(2021)
親族 ジョナサン・バーンズ (兄弟)
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ジュリアン・バーンズJulian Barnes, 1946年1月19日 - )は、イギリスイングランド小説家ポストモダン的と評される作風で、現代英国文学の代表的作家の一人として活躍している。

1980年に最初の小説 Metroland を刊行、同作でサマセット・モーム賞を受賞。

1982年刊行の『フロベールの鸚鵡』はジェフリー・フェイバー記念賞(en)を受賞、フランスでも高い評価でもって迎えられ、メディシス賞エッセイ部門を受賞する。86年には、アメリカ芸術文学アカデミーがイギリスおよびアイルランドの新進作家に授けるE・M・フォースター賞(en)を受賞。

1991年刊行の『ここだけの話』でフェミナ賞外国小説部門を、2011年刊行の『終わりの感覚』でブッカー賞を受賞。ブッカー賞については『フロベールの鸚鵡』(1984年)、『イングランド・イングランド』(1998年)、『アーサーとジョージ』(2005年)と四度目の候補での受賞となった。

そのほか文学的功績を讃えられて、1993年にシェイクスピア賞(en)を、2004年にオーストリア国家賞ヨーロッパ文学部門を、08年にスペインのサンクレメンテ文学賞を、18年にドイツのジークフリート・レンツ賞(en)を、21年にエルサレム賞を受賞。ヨーロッパでの文学的評価を確かなものとしている。

バーンズ自身は、1988年に芸術文化勲章(シュヴァリエ)を、2004年に同勲章(コマンドゥール)を、17年にレジオンドヌール勲章(オフィシエ)を授与されている。

また、ジュリアン・バーンズは、ダン・キャヴァナーDan Kavanagh)という筆名でミステリも執筆している。

バーンズのミステリに関する興味は、アーサー・コナン・ドイルが実際に捜査に関わった冤罪事件「ジョージ・エダルジ事件」を題材にした小説『アーサーとジョージ』からも伺うことができる。同作はバーンズの著作ではじめてニューヨーク・タイムズのベストセラーリストにもはいった。

兄に哲学研究者のジョナサン・バーンズ

作品

ジュリアン・バーンズ名義

  • Metroland (1980)
  • Before She Met Me (1982)
  • フロベールの鸚鵡Flaubert's Parrot (1984)、斎藤昌三訳、白水社、1989年、のち白水Uブックス、1993年
  • 『太陽を見つめて』Staring at the Sun (1986)、加藤光也訳、白水社、1992年
  • 『10 1/2章で書かれた世界の歴史』A History of the World in 1012 Chapters (1989)、丹治愛・丹治敏衛訳、白水社、1991、のち白水Uブックス、1995年
  • 『ここだけの話』Talking it Over (1991)、斎藤兆史訳、白水社、1993年
  • The Porcupine (1992)
  • Letters from London (1995) ※ノンフィクション
  • 『海峡を越えて』Cross Channel (1996)、中野康司訳、白水社、1998年 ※短編集
  • 『イングランド・イングランド』England, England (1998)、古草秀子訳、東京創元社海外文学セレクション、2006年、のち創元ライブラリ、2021年
  • Love, Etc. (2000) ※『ここだけの話』続編
  • Something to Declare (2002) ※エッセイ
  • 『文士厨房に入る』The Pedant in the Kitchen (2003)、堤けいこ訳、みすず書房、2010年
  • The Lemon Table (2004) ※短編集
  • 『アーサーとジョージ』Arthur & George (2005)、真野泰・山崎暁子訳、中央公論新社、2016年
  • Nothing to Be Frightened Of (2008) ※回想録
  • Pulse (2011)  ※短編集
  • 『終わりの感覚』The Sense of an Ending (2011)、土屋政雄訳、新潮社新潮クレスト・ブックス、2012年
  • 『人生の段階』Levels of Life (2013)、土屋政雄訳、新潮社、新潮クレスト・ブックス、2017年 ※回想録
  • Keeping an Eye Open: Essays on Art (2015) ※エッセイ
  • The Noise of Time (2016)
  • The Only Story (2018)
  • The Man in the Red Coat (2019) ※評伝
  • Elizabeth Finch (2022)
  • Changing My Mind ( 2025) ※エッセイ

ダン・キャヴァナー名義

すべて元刑事ダフィーを主人公にしたシリーズ。

  • 『顔役を撃て』Duffy (1980)、田村義進訳、早川書房ハヤカワ・ミステリ、1981年
  • 『愚か者の街』Fiddle City (1981)、田村義進訳、早川書房、ハヤカワ・ミステリ、1982年
  • Putting the Boot In (1985)
  • Going to the Dogs (1987)

箴言

「最高の愛国心とは、あなたの国が不名誉で、馬鹿で、悪辣な事をしている時に、それを言ってやることだ」(The greatest patriotism is to tell your country when it is behaving dishonorably, foolishly, viciously.

脚注


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