文学的経歴と重要な作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/26 07:10 UTC 版)
「フアン・ルイス・デ・アラルコン」の記事における「文学的経歴と重要な作品」の解説
アラルコンはスペイン黄金世紀(Siglo de Oro)の劇作家の中では、ただ一人のスペイン系アメリカ人だった。一方、スペインの大劇作家の中では最も寡作な作家だった。作品の熟考と、韻文化と全体の構成を磨くことに、相当の苦心をしたのである。ジェームズ・フィッツモーリス=ケリーはアラルコンのことをこう言った。「ルイス・デ・アラルコンより偉大なスペインの劇作家はいる。ただし、あのような揺るぎない完全性を示す作品は他にない」。 アラルコンは少なくとも20の劇を書いた。その中で最も有名な作品は『疑わしい真実(La Verdad sospechosa)』である。フランス文学史上最初のフランス喜劇であるピエール・コルネイユの『嘘つき男(Le menteur)』は、作者本人も認めていることだが、この『疑わしい真実』の焼き直しである。ところでライバルたちは、彼の奇形に敵意を募らせたのか、たびたび口論を仕掛けてきた。しかし、彼らの攻撃に、アラルコンは威厳ある態度を貫いた。『Los pechos privilegiados』で、ロペ・デ・ベガに対してとった彼の逆襲は、冷淡かつ軽蔑に満ちた毒舌のこれ以上はない見本であった。 他のどのスペインの劇作家より、アラルコンは道徳的目的を気に掛けた。台詞同様に輝かしい彼の劇的な表現の才能は、自然で、生き生きしていた。彼がスペイン生まれでないことが彼の劇の注目すべきところであると言われてきて、確かにその意見にはいくつかの根拠があるのだが、彼の技量は異常に細心で、『El Tejedor de Segovia』で、彼は国民的芸術、国民的感情、国民的表現の傑作を生み出した。
※この「文学的経歴と重要な作品」の解説は、「フアン・ルイス・デ・アラルコン」の解説の一部です。
「文学的経歴と重要な作品」を含む「フアン・ルイス・デ・アラルコン」の記事については、「フアン・ルイス・デ・アラルコン」の概要を参照ください。
- 文学的経歴と重要な作品のページへのリンク