所沢ダイオキシン問題とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 所沢ダイオキシン問題の意味・解説 

所沢ダイオキシン問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 04:41 UTC 版)

ニュースステーション」の記事における「所沢ダイオキシン問題」の解説

1999年2月1日に「汚染地の苦悩 農作物は安全か?」と題した特集で、民間環境測定コンサルティング企業である株式会社環総合研究所1986年設立本社品川区青山貞一社長)が1998年独自に計測したデータから、『所沢市の“ホウレンソウメインとする野菜”/“葉っぱものの野菜”から1グラム当たり3.8ピコグラムダイオキシン濃度検出された』と、青山社長がコメンテーターとして久米対談のうえセンセーショナルに報道した予てから埼玉県所沢市東部関越自動車道沿いに広がるくぬぎ山」と称する雑木林周辺産業廃棄物小型焼却炉中間処分場1990年以降多数立地するようになり、排煙焼却灰含まれるダイオキシンによる大気汚染環境問題懸念されていた。1997年厚生省全国野菜含まれるダイオキシン濃度検査したことを受け、JA所沢(現:JAいるま野)は地元産のホウレンソウ白菜など野菜5品目測定する公表しなかった。そこで番組はこれら周辺状況絡めて報じたのである。 この結果ホウレンソウ始めとする所沢産の野菜ダイオキシン汚染されていると食品スーパーなど小売業各社認識し、翌2日より所沢入間郡産はもとより一部県北部の深谷ネギなど埼玉県産の農作物全般自主的に販売停止措置講じて締め出されるという騒動発展農作物出荷継続される青果市場埼玉県農作物卸価格半値以下に下落する被害出た当時全国朝日放送(通称:テレビ朝日)は『ザ・スクープ』1995年から1998年にかけて所沢市産業廃棄物処理場ダイオキシン汚染による健康被害など環境問題を7回取り上げており(判例より)、初回放送直後放送回コメンテーター菅沼は「この報道をやめて(ダイオキシン問題を)救えるかってんだ!」と生放送番組内大声啖呵を切るなどして誤り認めなかった。 これを受け、同月5日埼玉県事実確認を行う旨公表しテレビ朝日以外のキー局番組名を伏せて情報番組などで騒動取り上げようになった同月6日JA所沢(現:JAいるま野)が検査結果公表する動き見せ同月8日JA地元農家テレビ朝日訪問し抗議同月9日JA野菜ダイオキシン濃度きわめていとする詳細な検査結果公表し安全宣言同月18日埼玉県報道最高値煎茶であった発表し全国朝日放送番組内不手際があった事を認めた煎茶乾燥しているため本体重量軽く生鮮野菜同量ダイオキシン見かけの上多く計算されることによるもので、飲用では健康に悪影響はないものだった。なお、ホウレンソウ同時に計測されており、1グラム中最高0.75ピコグラムであったことが後日公表されており、青山久米が“ホウレンソウメインとする葉っぱものの野菜”と抽象的曖昧な表現歪曲して批評したことから報道被害招いたとされている。 同月12日中川昭一農水相全国朝日放送(テレビ朝日)報道局長宛に調査を行うよう申し入れ行い、翌2月13日久米番組内農家謝罪。「検査対象だとは知らなかった」と弁明したが、その後批判対象環境汚染元凶である産廃施設とそれを管轄する行政所沢市埼玉県)にあるとする動き見せた全国朝日放送同年6月21日付で郵政省(現:総務省)から「農業生産者に迷惑をかけ、視聴者混乱生じさせる不正確な表現が行われたことは、放送法趣旨照らし遺憾」として厳重注意行政指導受けた所沢市周辺食品スーパーでは徐々に野菜販売再開されたが、それ以外埼玉県内を含む首都圏食品スーパー百貨店では農作物販売再開慎重な動き示した。また逆に狭山茶など埼玉産の煎茶販売自粛追いやられ、鹿児島県静岡県煎茶ダイオキシン濃度自主的に検査する動き見せた。後に中川農水相小渕恵三首相所沢野菜食して安全宣言を出すパフォーマンスを行う事態になった農家側は同年風評損害受けたとして、同年9月当初376人の原告団を結成して全国朝日放送(ANB)と環境総合研究所に対して謝罪広告要求兼ねた損害賠償請求集団訴訟提訴し浦和地裁 平成11年(ワ)1647号)、民事事件へと発展した。この一連の騒動販売停止解消提訴が行われるまで地元紙の埼玉新聞でほぼ連日報道されていたが、同時期に桶川ストーカー殺人事件本庄保険金殺人事件など皮肉にも埼玉県事件現場とする凶悪事件立て続け発生し前者日本におけるストーカー問題提起きっかけなる程社会衝撃与えた事件であり後者被疑者繰り返しメディア会見を行うというその行動特異性からこぞってマスコミがこの2つ事件取材人員回したことから各マスコミでの報道急速に縮小した訴訟では2001年判決1審2002年判決2審東京高裁平成13年(ネ)第3301号)がテレビ朝日側が勝訴最高裁2審判決破棄し東京高裁差し戻された((一小)平成14年(受)第846号)。番組終了後2004年6月16日に、テレビ朝日農家側に謝罪して和解金1000万円を支払うことで和解成立原告団は900万円三宅島噴火被害による農業振興役立てて欲しいと三宅村に、100万円を食育活動役立てて欲しいと所沢市寄付した環境総合研究所に対して測定内容事実であったことから1審2審ともに敗訴確定している。 『ザ・スクープ』報道後1997年所沢市は「ダイオキシン少なくし所沢にきれいな空気を取り戻すための条例」など幾つかの条例施行していたが、この騒動受けて埼玉県野焼き自粛要請産業廃棄物排出事業者公表を、政府レベルでは「ダイオキシン類対策特別措置法」・「循環型社会形成推進基本法」が施行され廃棄物焼却炉対す規制強化された。また、くぬぎ山所在する産業廃棄物焼却炉不燃物粉砕する中間処理施設への転換相次いだ久米ゲスト出演した2014年2月23日放送の『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ系)の中で「地域的にも、所沢の方とか、いろんな所に迷惑をかけた。裁判所呼ばれそうになるし」といった発言をしている。

※この「所沢ダイオキシン問題」の解説は、「ニュースステーション」の解説の一部です。
「所沢ダイオキシン問題」を含む「ニュースステーション」の記事については、「ニュースステーション」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「所沢ダイオキシン問題」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「所沢ダイオキシン問題」の関連用語

所沢ダイオキシン問題のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



所沢ダイオキシン問題のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのニュースステーション (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS