志ん生一家と弟子たち
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「いだてん〜東京オリムピック噺〜」の記事における「志ん生一家と弟子たち」の解説
古今亭志ん生(ここんてい しんしょう) (美濃部孝蔵 → 古今亭志ん生) 演:ビートたけし(青年期:森山未來 / 幼少期:荒井雄斗) 落語家。本名美濃部孝蔵(みのべ こうぞう)。 本作のナビゲーターに相当し、オープニングでは「噺・古今亭志ん生」とクレジットされるように、志ん生が語る落語という体で金栗四三とオリンピック黎明期の物語が語られる。一方、青年時代の志ん生は「語・美濃部孝蔵」とクレジットされて本作のナレーションを務め、志ん生の噺の登場人物のひとりでありながら、あたかも後世の志ん生の目線での解説役をも兼ねる。なお、番組途中からは五りんが志ん生に代わり高座に立ち噺(ストーリー)が続く場面も登場するため、実際のナレーションはたけし・森山・神木が場面ごとに入れ替わりながら行われている。 明治23年、東京・神田に生まれる。小学校を中退し10歳の頃から「飲む、打つ、買う」に精通していた悪童。父親の煙管を質に入れていたことがバレて勘当され、浅草で自堕落な生活を送っていたが、吉原の付き馬から逃げるため寄席に飛び込み、橘家円喬の落語に出会う。そこから落語に傾倒、寄席に通い始める。 羽田のオリンピック予選会の日に清さんの代理で車夫の仕事をしていたところ、偶然にも円喬を車に乗せ、衝動的に弟子入りを懇願。円喬の弟子兼車夫として浅草から日本橋を通って芝までを実際に走りながら、円喬の『富久』を背中で聞くという稽古を受ける。 1912年、三遊亭朝太(さんゆうてい ちょうた)の芸名と五厘を円喬から貰い正式に彼の弟子となる。初高座では緊張から酒を呷り泥酔状態で『富久』を途中まで噺す。翌年9月には小円朝に付いて旅興行に出かけることになり、円喬、清さん、小梅の見送りを受けて旅立つ。旅先の浜松では、小円朝と衝突し一座を飛び出した後、無銭飲食をして入牢。その際、新聞記事で円喬の死を知る。悲しみに茫然自失とする中、同室となった牢名主(演:マキタスポーツ)を相手に『文七元結』を演じたことで円喬の死と向き合い断髪、小円朝に謝罪、高座で前座話の『寿限無』を披露し噺家として出直しを誓う。 その後、東京に戻るが小梅と徳重の騒動に巻き込まれ浜松に戻ることを余儀なくされる。アントワープ五輪の終了後、政治からくすねた金で東京に戻り、噺家として再起を図る。二つ目として三遊亭円菊(さんゆうてい えんぎく)を名乗っていたこの頃に上野鈴本亭の席亭の計らいで真打ち昇進が決まり、万朝から贈られた紋付きを始めとした道具一式を揃えられるもこれをすべて質草にし、ボロボロの着物で金原亭馬きん(きんげんてい ばきん)として真打ち披露を果たす。同時期、将来を心配した清さんと小梅に勧められるまま清水りんと結婚。 しかし生活ぶりは相変わらず酒、煙草、賭博、女に手を出す暮らしを続ける。関東大震災発生時は咄嗟にりんを守るが、「東京中の酒が地面に吸われる」と考えて酒屋に走り、りんの怒りを買う。その際、りんから第一子の懐妊を告げられ絶句する。震災で廃墟となった東京を目前にして落ち込むが、倒壊した寄席小屋でもなお落語をする同業者や、清さん・小梅夫婦の励ましを受け気持ちを切り替え、仮設の寄席やバラックで落語を披露して罹災者を勇気づける。 震災後は柳家三語楼に弟子入りし柳家東三楼(やなぎや とうざぶろう)として活動するが、師匠の羽織と着物を質に入れて破門される。その後は高座に上がらず納豆や面を売って生計を立てるが、かつて自分が質に出した紋付や道具を偶然見つけ、それをきっかけに万朝と再会する。その際、万朝の「疝気の虫」を聞いて打ちのめされ、紋付を買い戻して再び三語楼に弟子入りした。 その後は古今亭志ん馬(ここんてい しんば)→ 金原亭馬生(きんげんてい ばしょう)として結婚式の余興やラジオ番組に出るなど売れっ子になるが、戦争の激化により演目にも検閲が入るようになる。 太平洋戦争末期に三遊亭圓生と共に慰問団として満州へ渡る。終戦前後の混乱の中で小松勝と出会い、束の間に行動を共にしたことがきっかけで浅草→日本橋ではなく、浅草→芝まで走り抜ける志ん生独自の「富久」を生み出すこととなる。 命からがら帰国したあとは名人として名を成したが、脳出血で倒れる。リハビリに励みながら、高座に上がれるようになる。 りん (清水りん → おりん → りん) 演:池波志乃(青年期:夏帆) 志ん生の妻。旧姓は清水(しみず)。 高田馬場で下宿屋を営む家で育った。25歳のときに孝蔵との縁談話がまとまり、清さん・小梅夫婦の仲人の元で結婚。結婚当初は世間知らずかつ純粋で、噺家の符丁で誤魔化され毎日のように遊びに出掛ける孝蔵を見送る。やがて孝蔵と夜逃げをする羽目となり、生活に疲れ果てた同時期に関東大震災に罹災。地震が続く中、酒を飲むために酒屋に走った孝蔵に怒りを爆発させ、第一子・美津子を身篭ったことを打ち明ける。震災後は家賃が無料という理由で業平に引っ越すが、環境の悪さや相変わらずの貧乏に悩まされる。働かない孝蔵と時折喧嘩になるが、本心では孝蔵を愛しており、落語家としての才能を信じている。 美津子(みつこ) 演:小泉今日子 志ん生の長女。父のマネジャーを務める。関東大震災の際にりんが身ごもっていた。 今松(いままつ) 演:荒川良々 志ん生の弟子。マイペースな五りんや知恵を疎ましく思っている。 美濃部清(みのべ きよし) 演:森山未來(少年期:若林時英) 志ん生の長男。高座名は金原亭馬生(きんげんてい ばしょう)。 美濃部強次(みのべ きょうじ) 演:森山未來 志ん生の次男。高座名は古今亭朝太(ここんてい ちょうた)、のち古今亭志ん朝(ここんてい しんちょう)。 喜美子(きみこ) 演:坂井真紀 志ん生の次女。
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