罹災とは? わかりやすく解説

罹災

読み方:りさい
別表記:り災

災害遭い損害を被ること。災害をうけること。特に火災震災水害などの災害遭うことを言うことが多い。

り‐さい【×罹災】

読み方:りさい

[名](スル)地震火事などの災害にあうこと。被災。「—した人々救援活動」「—地」


罹災

読み方:リサイ(risai)

火事水害地震などの災害にあうこと


罹災

作者安岡章太郎

収載図書果てもない道中記
出版社講談社
刊行年月2002.7
シリーズ名講談社文芸文庫


被災者

(罹災 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/03 12:43 UTC 版)

被災者(ひさいしゃ、: Victim, Disaster victim)とは災害を被った者。地震台風等の天災や、事故事件等の人災にあった人(人々)が含まれる。ただし、事件や事故の場合は被害者と呼ばれて、被災者と区別されることが多い。

被災者の分類

1970年5月31日アンカシュ地震の被災者を研究したS・W・ドゥダシクの著書『Victimization in natural disaster. Disasters(災害の中の被災者と災害)』(1980年発行)の中において、被災者は、以下の4つのグループに分類されている。

  1. 一次被災者 (Primary victims)
    →災害の影響により何らかの損失等を受けた人(または人々)
  2. 近接被災者 (Context victims)
    →災害の影響または結果によって、直接・間接的に影響を受けた人(または人々)
  3. 周辺被災者 (Peripheral victims)
    →被災地域と強い関係を持ち、その結果として影響を受けた人(または人々)
  4. 進入被災者 (Entry victims)
    →被災地に外部から集まってきた人(または人々)

たとえば火災の場合、"火災で家を焼かれた人"は一次被災者となり、"火災の影響は受けなかったが、災害後の臭気等に悩まされる隣家"は近接被災者、"その家に縁を持つ近親者"は周辺被災者となる。また、"消火活動をする人"は進入被災者になりうるのである。

これに対して、ニュージーランドの精神科医A・J・W・タイラーとA・G・フレイザーは、もっと細かい分類をしている。2人の場合、近接被災者から進入被災者二次被災者から四次被災者としていて、四次被災者以降に五次被災者六次被災者を設けている。五次被災者は、災害に関与していなくても精神的に苦痛を感じる人(または人々)。六次被災者は、直接的な被災を免れたが間接・代理的に災害に関与した人(または人々)。となっている。

先ほどの例に当てはめると、五次被災者は"テレビ中継などで火災現場を見て不快な感情を持った人"、六次被災者は"火災の原因が外部にあり、その原因を作った人"であると言える。

以上のことから、被災者と外部との境界線を見つけることが難しいことが分かる。また、救援者やボランティアも被災者になることがあり、一概に被災者を、“災害の中心にいた人”と言うことはできない。

被災者に対する救済

被災者に対する救済は、以下のとおり。

心理社会的ケア

災害時に求められる精神保健活動について、次のようなものがある[1]

  1. アウトリーチ(精神保健スタッフが被災地に赴き、現場で求められている援助を提供)
  2. 地域住民の交流促進(「入居者交流会」「健康相談会」「お茶飲み会」などの企画開催)
  3. 相談業務の拠点の設置(精神保健の専門スタッフが常駐する相談センターの設置)
  4. 精神症状のスクリーニング(精神症状把握のために、簡便なスクリーニングのためのチェック項目を用意)
  5. 活動の継続(家族を亡くしたり、転住を余儀なくされた人など、心理的影響が強いと予想される被災者に対しては通常の体制の中でのサポートを続ける)

被災した経験をきっかけに心的外傷後ストレス障害 (PTSD) の症状が表れる場合も多く、その際には適切な治療を行い被災者をサポートする(詳細は、「PTSD#治療」を参照)[1]。また、PTSDの二次的反応として、うつ病・強迫性障害・解離性障害などが発症する場合もあり、その際にも適切な治療を行い被災者を支援する(詳細は、「うつ病#治療」・「強迫性障害#治療」・「解離性障害#治療」)[1]

また、日常生活の変化に対する、付き添いによるサポートなども含めたソーシャルワーク的支援も必要である[1]

脚注

  1. ^ a b c d 古賀 章子・前田 正治 (2013). 災害被災者・犯罪被害者の心理社会的問題と治療・ケア 津田 彰・大矢 幸弘・丹野 義彦(編)臨床ストレス心理学 (pp. 212-229) 東京大学出版会

参考文献

  • ビヴァリー・ラファエル 著、石丸正 訳『災害の襲うとき : カタストロフィの精神医学』みすず書房、1995年。ISBN 4-622-03632-0 

関連項目

外部リンク


罹災

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/17 04:06 UTC 版)

久留米空襲」の記事における「罹災」の解説

白昼空襲だったことから、機銃掃射や「新型爆弾」への危惧市民大半初期消火よりも防空壕への退避優先した上に、火勢強く夏場水不足火災による水道管破裂消火活動は捗らなかった。鎮火した午後1時ごろまでの2時間30分で被害面積市街地のおよそ7割の約1.75平方km及んだ罹災者2万23人、罹災戸数は4,506戸に達した久留米駅久留米ホテル久留米市公会堂喜多村石油全焼したほか、日華護謨工業本社工場3分の1(9,900平方m)を焼失して資本金300万円を超す370万円損害被った一方で久留米市役所久留米警察署などの行政拠点や、留守第18師団歩兵第48連隊などの軍事拠点には被害少なかったことから、戦後復興役立った

※この「罹災」の解説は、「久留米空襲」の解説の一部です。
「罹災」を含む「久留米空襲」の記事については、「久留米空襲」の概要を参照ください。

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