常・楽・我・浄とは? わかりやすく解説

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じょう‐らく‐が‐じょう〔ジヤウ‐ジヤウ〕【常楽我浄】

読み方:じょうらくがじょう

仏語

涅槃(ねはん)の四徳常住不変の常、安楽で苦を離れた楽、自在障りとなるもののない我、迷いがなく無垢(むく)清浄である浄。転じて極楽浄土にいるように何の心配もなく、のどかな生活にいう。

凡夫万物真相反して無常を常、苦を楽、無我を我、不浄を浄と思うこと。四顛倒(してんどう)。


常楽我浄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/13 06:10 UTC 版)

常楽我浄(じょうらくがじょう、: nitya-sukha-ātma-śubha[1])とは、仏教とりわけ大乗仏教で、仏及び涅槃の境涯を表した語である。大乗仏教においては四徳、または四波羅蜜といわれる[1]。主に『大般涅槃経』に説かれるが、『勝鬘経』など多くの大乗経典にも登場する語である。

初期仏教

仏教において否定されるべき4種の見解をさしていた[1]

釈迦が出家した時、衆生の多くは人間世界のこの世が、

  • 無常であるのに常と見て、
  • (dukkha)に満ちているのに(sukha)と考え、
  • 人間本位の自我は無我であるのに我があると考え、
  • 不浄なものを浄らかだ

と見なしていた[2]。これを四顛倒(してんどう、さかさまな見方)という[1]

Anicce niccasaññino dukkhe ca sukhasaññino, Anattani ca attāti asubhe subhasaññino.
Micchādiṭṭhigatā sattā khittacittā visaññino, Te yogayuttā mārassa ayogakkhemino janā.

無常なものに常をいだき、苦であるものに楽をいだき、無我なものに我をいだき、不浄なものに浄をいだく。
衆生らは、邪見によって心乱され狂わせられる、マーラにとらわられた安楽なき人々である。

パーリ仏典, 増支部四集赤馬品, 顚倒経, Sri Lanka Tripitaka Project

釈迦は成道した直後にまずこの四顛倒をただし、この世は無常・苦・無我・不浄であると説いた。これが諸行無常一切皆苦諸法無我などという仏教用語の基となっている。

大乗仏教

大乗仏教においては、『大般涅槃経』や『勝鬘経』では、如来常住であり、涅槃は最高の楽であることを強調し、四不顛倒(しふてんどう。無常無我不浄)をさらに超える存在として、を究極のものと見なした[1]。これを四波羅蜜あるいは四徳と称する[1]。 『涅槃経』では、如来は入滅してもこの世に常住し、涅槃こそ真の楽であり、人間我を超えた所に如来我(仏性)があり、浄らかであると説いた、とされている。

  • 常 - 仏や涅槃の境涯は、常住で永遠に不滅不変である
  • 楽 - 仏や涅槃の境涯は、人間の苦を離れたところに真の安楽がある
  • 我 - 仏や涅槃の境涯は、人間本位の自我を離れ、如来我(仏性)がある
  • 浄 - 仏や涅槃の境涯は、煩悩を離れ浄化された清浄な世界である

これが常楽我浄である。

日蓮の解釈

日蓮は、『法華経』寿量品にある経文、「常住此説法」を「常」、「我此土安穏」を「楽」、「自我得仏来」を「我」、また薬王品の「如清涼地」を「浄」とする。また日蓮は、

上行は我を表し、無辺行は常を表し、浄行は浄を表し、安立行は楽を表す。有る時には一人に此の四義を具す。二死の表に出づるを上行と名づけ、断常の際を踰(こ)ゆるを無辺行と称し、五住の垢累を超ゆる故に浄行と名づけ、道樹にして円(まど)らかなり故に安立行と曰うなり。

— 『御義口伝』

と、この涅槃の四徳を『法華経』に出てくる地涌の四菩薩に配当している。

脚注

参考文献

関連項目


常楽我浄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 03:37 UTC 版)

波羅蜜」の記事における「常楽我浄」の解説

大乗仏教の宝性論では、如来法身特徴(guṇa)として、常楽我浄を挙げそれぞれ波羅蜜、楽波羅蜜我波羅蜜、浄波羅蜜呼んでいる。小川によれば、これは波羅蜜(pāramitā)を「究極的な境地到達した状態」という意味で用いているという。

※この「常楽我浄」の解説は、「波羅蜜」の解説の一部です。
「常楽我浄」を含む「波羅蜜」の記事については、「波羅蜜」の概要を参照ください。

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