宝生一家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 05:17 UTC 版)
宝生 ひろし(ほうじょう ひろし) 声 - 草尾毅 母親と2人暮らしであったが、冒頭で母親が亡くなり1人になったところを全く知ることの無かった父親・宝生健の突然の出現と再婚により芸能一家の一員になった少年で、同作品の主人公。連載開始当初は15歳。誕生日は2月と思われる。今も高校に通い続ける中で宝生一家の家事一切を引き受けている。これは家事が出来る人間が誰もいない上に、ひろしが病弱な母を支え家事を行ってきていたためである。そしてさらには義理の妹になったアイドル歌手・結城りなの付き人までも兼任している。状況に流されるまま渋々始めた芸能一家の一員生活だったが、陰ながら一家の生活を支え続ける中で次第に家族の一員としての自覚を持つようになり、また、りなの私生活における様々な素顔を知るうちに彼女のことを異性として意識するようにもなった。しかしその後、りなの通う学校の学園祭で知り合った新人アイドル歌手の美浦千里から好かれるようになってからは、りなと千里との板挟みに悩まされるようになる。加えて、学校ではその境遇を羨んだ同級生たちから攻撃の対象となり、芸能界では健を始めとする芸能人たちのやること為すことに毎回付き合わされるという日々を送っている。物語上は結局、この関係については完全には結論が出ないまま終わっている(千里にりなに対する想いを伝えたものの、それ以上の話は描かれなかった)。 普段は自他ともに認める地味な少年。歌は下手という訳ではないが、ジャンル問わず歌うと演歌っぽくなるクセがあるなど、芸能人には向かないような面ばかりが目立っているが、実は役作りが非常に上手く、一旦役に入り込むとその人物に完全になり切れるという特技を持っている。その一部始終を見ていたりなはひろしに俳優の才能を見出したが、ひろし自身はまだそのことに気付いておらず、また、現時点では芸能界入りする気もない。本人にその気は無いにもかかわらず都合の悪い局面でドジを踏んでしまうことが多い。 ある出来事により、新人時代からアイドルとしての結城りなを応援していたのだが直接それを公言はしなかった。 結城 りな(ゆうき りな) 声 - 林原めぐみ(ドラマCD第1巻)、原えりこ(ドラマCD第2巻・OVA) 母親の再婚によりひろしと義理の兄妹になった芸能界のトップアイドルで、同作品のメインヒロイン。連載開始当初は15歳で誕生日は3月30日(ひろしとは1か月違い)。当初は母親の再婚に対し強い反対姿勢を示し、新しく家族に加わった健やひろしのことを家族とは認めようとしなかった。元々気が強い性格である上に怒りを覚えると反射的に物を投げつける癖があり、ひろしは毎回それで散々な目に遭っていた。しかし、自身の付き人として行動を共にするひろしに芸能界の舞台裏で何度も助けられているうちに徐々に融和姿勢を見せ、彼らのことを家族として認めるようになる。また、ひろしと千里の仲を取り持つうちにひろしのことを異性としても強く意識するようになるが、同じくひろしのことを想っている千里の手前もあり、あくまで芸能人とその付き人の関係として、そして兄妹として接し続ける姿勢を崩さないよう自らを律している。しかし、ひろしの幼馴染・沢田ななえの出現や健の毎度の余計な計らいなどによって、ひろしのことを意識せざるを得ない状況が続いている。また、後期には自身の初恋の相手の正体がひろしであることを知る形になる。ただし、結局この関係に関する結論は出ていない。実は作中で最もサービスカットが多いのはヒロインである彼女で、露出度の高い衣装を着て歌番組に出演したり、水着姿でグラビア写真撮影のモデルを務めたりといった描写が多数ある。 宝生 健(ほうじょう けん) 声 - 柴田秀勝 ひろしの父親で、芸能界に君臨する大物演歌歌手。大手芸能事務所「宝生プロ」の社長でもある。多数のヒット曲とその男らしい渋いマスクで熟年女性層を中心に大勢のファンを獲得しており、芸能界では揺るぎない地位を確立している。しかし、中身はお祭り騒ぎが大好きで、仕事でも私生活でも派手なアトラクションを仕掛けては人を驚かせてばかりいる。健は息子のひろしが自分と同じように芸能人になることを望んでおり、彼の気持ちが芸能界に傾くよう毎回様々な計画を遂行している。ひろしが通う私立高校を買収して芸能学校「私立宝船学園」を設立し、同校の理事長に就任して若手の芸能人たちを編入させたのもその一環である。しかし、ひろし本人はあくまで一般人として静かな生活を送ることを望んでいるためにこれらの計画は毎回上手く行かず、そのことで両者は度々衝突している。ほとんどの面倒事は健が起こしており、またそれまでの経緯もあってひろしは父親としては見ておらず、さん付けで呼び続けている。しかし、後に健が亡き母に対する想いをしっかり持ち続けていることが明らかになると、初めて父親として呼ばれることになる。また、宝生プロの所属タレントで義理の娘でもあるりなは、健の相変わらずのその奇行ぶりに呆れ果てている。作品舞台全体のトラブルメーカーであるが、主役のひろしやりなにはない大胆な発想と行動力を持っており、事実上の話の牽引者としての役割も担っている。 結城 静香(ゆうき しずか) 声 - 林原めぐみ(ドラマCD第1巻)、原えりこ(ドラマCD第2巻)、横尾まり(OVA) りなの母親で、日本を代表する大女優。ひろしからは「ママさん」と呼ばれている。フランス人を父に持つハーフで、仕事上は八頭身の美人。公の場では大女優らしく毅然とした立ち居振る舞いを見せているが、それは完全に表向きの姿で、家では一転してぐうたらになる。加えて家事は一切出来ず、作る料理はゾウすら一口のもとに絶命させるほどの破壊力を持つため、その手の行為は全てひろしに任せっきりにしている。しかし、実の母親が既に他界しているひろしのことを思い、授業参観の場では母親らしく振舞おうと努力したこともあった。普段は八頭身ではなく小さな子供のような姿をしているため、彼女のことを知らないドン松吾郎から健がりなと結婚して出来た子供だと思われた。 セバスチャン 声 - 銀河万丈 宝生家に仕える初老の執事。国籍は不明。健の古くからの友人で、その息子であるひろしのことを「おぼっちゃま」と呼んで心から慕っている。ひろしがピンチになった時にはどこからともなく颯爽と現れ、その鍛え上げられた肉体をもって主の行く手を阻む者たちを一掃する。しかし、結局はその場をひっかき回すだけで何の役にも立てずに終わってしまうことが多い。熊が大の苦手で、初めて健と出会った時に遭遇した野性の熊に一方的にやられて以来、今日まで苦手意識が抜けなくなっている。 クロコちゃん 宝生家で飼われているクロコダイル科のワニで、性別はメス。リアルで生々しい描写はされておらず、まるでワニのぬいぐるみが動いているかのような姿で描かれている。直立して二足歩行をすることが出来、また、自身の伝えたいことをジェスチャーで表現しようとするなど、爬虫類生物とは思えないほどの知能を持つ。ひろしのことを気に入っており、彼に懐く時には頭をかじる。逆に、いつも自分にひどいことをする火屋が苦手。 宝生 ドン松吾郎(ほうじょう ドンまつごろう) 健と理佳の父親で、ひろしの祖父に当たる人物。仲違いをしている息子の健によって宝生邸の地下に封印されていたが、ひろしがその封印を破ってしまったことによって突然家族の前に現れた。かつては「悪魔の発明王」と恐れられた人物で、閉じ込められている間にも様々な機械設備を備えた地下施設を建造していた。見た目は小柄な老人だがバイタリティに溢れており、全ての女性を愛の奴隷にして世界を自身の理想郷に変えるという野望を持ち続けている。 宝生 理佳(ほうじょう りか) 健の妹で、ひろしの叔母に当たる人物。宝生プロ切っての敏腕マネージャーで、りなの本来のマネージャーでもある。仕事のためにニューヨークに滞在し籍を空けていたが、話の終盤で日本に帰国し登場。以来、宝生一家の一員として共に生活することになる。ちゃらんぽらんな兄とは対照的に何事にもきっちりとけじめを付けなければ済まない性格で、非常に細かいことを気にする。キャリアウーマンらしく常にスーツに身を包んでいるが、それもその性格の表れである。
※この「宝生一家」の解説は、「星くずパラダイス」の解説の一部です。
「宝生一家」を含む「星くずパラダイス」の記事については、「星くずパラダイス」の概要を参照ください。
- 宝生一家のページへのリンク