国会の事故調査委員会とは? わかりやすく解説

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国会の事故調査委員会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:52 UTC 版)

福島第一原子力発電所事故」の記事における「国会の事故調査委員会」の解説

2011年9月30日第178回国会で「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」を設ける『東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法』が成立し10月より施行され2011年12月1日事故調査委員会メンバーは「東京電力福島原子力発電所事故に係る両議院の議院運営委員会の合同協議会」から推薦され、翌2日衆参両院本会議承認された。委員長黒川清委員田中耕一ら9人。 この法に基づき設けられる事故調査委員会は、2011年5月24日閣議決定より政府の内閣官房設置される東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」とは異なり国会主体となり独自の調査を行う。事故調査委員会東京電力やその関連事業体、また政府内閣を含む関係行政機関などから聞き取り調査資料など提出求めることができる。調査委員会委員長と9人の委員任命した日から起算しておおむね6か月後に調査結果報告書衆議院議長および参議院議長提出しなければならない。なお『東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法』は施行から1年効力を失う。調査への協力拒否には議員証言法による罰則あり得る委員会会議原則公開することとされた。 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会は、報告書をまとめ、2012年7月5日衆参両院議長提出した報告書では本事故を以下のように結論付けた事故継続しており、被災後福島第一原子力発電所建物と設備脆弱性及び被害受けた住民への対応は急務である。今後独立した第三者によって継続して厳しく監視検証されるべきである(国会事故調 2012, p. 10)。 事故根源的原因歴代規制当局東電との関係について、「規制する立場とされる立場が『逆転関係』となることによる原子力安全についての監視監督機能崩壊」が起きた点に求められ何度も事前に対策立てチャンスがあったことに鑑みれば、「自然災害ではなくあきらかに人災」である(国会事故調 2012, p. 12)。 事故直接的原因について、安全上重要な機器地震による損傷はないとは確定的に言えない(国会事故調 2012, p. 13)。 過酷事故対す十分な準備レベルの高い知識訓練機材点検がなされ、また、急性について運転員・作業員対す時間的要件具体的な指示ができる準備があれば、より効果的な事後対応ができた可能性否定できない。すなわち、東電組織的な問題である(国会事故調 2012, p. 14)。 被害最小化できなかった最大原因は「官邸及び規制当局含めた危機管理体制機能しなかったこと」、そして「緊急時対応において事業者責任政府責任境界曖昧であったこと」にある(国会事故調 2012, p. 15)。 避難指示住民的確に伝わらなかった点について、「これまでの規制当局原子力防災対策への怠慢と、当時官邸規制当局危機管理意識低さが、今回住民避難混乱根底にあり、住民健康と安全に関して責任を持つべき官邸及び規制当局危機管理体制機能しなかった」(国会事故調 2012, p. 16)。 被災地住民にとって事故の状況続いている。放射線被ばくによる健康問題家族生活基盤崩壊、そして広大な土地環境汚染問題は深刻である。いまだに被災者住民避難生活続き必要な除染、あるいは復興道筋見えていない。当委員会には多数住民方々からの悲痛な声が届けられている。先の見えない避難所生活など現在も多くの人が心身ともに苦難の生活を強いられている。政府規制当局住民健康と安全を守る意思欠如と健康を守る対策の遅れ被害受けた住民の生活基盤回復の対応の遅れ、さらには受け手視点考えない情報公表がその理由(国会事故調 2012, p. 17)。 事故原因個々人資質能力問題帰結させるのではなく規制される側とする側の「逆転関係」を形成した真因である「組織的制度的問題」がこのような人災」を引き起こした考える。この根本原因解決なくして、単に人を入れ替え、あるいは組織の名称変えるだけでは、再発防止不可能である(国会事故調 2012, p. 17)。 規制された以上の安全対策行わず、常により高い安全を目指す姿勢に欠けまた、緊急時に、発電所事故対応支援できない現場軽視東京電力経営陣の姿勢は、原子力を扱う事業者として資格があるのか疑問(国会事故調 2012, p. 18)。 規制当局組織形態あるいは位置付け変えるだけではなくその実態の抜本的な転換行わない限り国民の安全は守られない国際的な安全基準背を向け内向き態度改め国際社会から信頼される規制機関への脱皮が必要である。また今回事故契機に、変化対応し継続的に自己改革続けていく姿勢が必要である(国会事故調 2012, p. 18)。 原子力法規制は、その目的法体系含めた法規制全般について抜本的に見直必要がある。かかる見直し当たっては、世界最新技術的知見などを反映し、この反映担保するための仕組み構築するべきである。(国会事故調 2012, p. 19)。

※この「国会の事故調査委員会」の解説は、「福島第一原子力発電所事故」の解説の一部です。
「国会の事故調査委員会」を含む「福島第一原子力発電所事故」の記事については、「福島第一原子力発電所事故」の概要を参照ください。

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