規制機関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 15:55 UTC 版)
「グローバル金融システム」の記事における「規制機関」の解説
金融規制の明示的な目標には、各国の金融安定性や、詐欺行為を見分け慣れていない市場参加者の保護が含まれ、暗黙的な目標には、実行可能で競争力のある金融環境を世界の投資家に提供することが含まれる:57。ある国が、機能する統治、金融規制、預金保険、割引窓口を通じた緊急融資、会計基準の実践、確立された法的開示手続きを有していれば、健全な国内金融システムを独力で発展させ成長させることができる。しかし、グローバルな状況下、これらの条件をまとめてグローバルに拡大できる中央政治権威は存在しない。むしろ、時間とともに進化してきた多くの制度と実践を確立するように各国政府は協力してきた。これを国際金融構造と総称する:xviii:2。この構造の中では各国政府や政府間組織などの規制当局が国際金融市場に影響力を持つ。各国政府は、大蔵省や財務省や規制当局を設けて関税や外国資本規制を課し、中央銀行を使って公開市場で望ましい介入を実行させることができる:17–21。 国際通貨基金や国際決済銀行(特にバーゼル銀行監督委員会やグローバル金融システム委員会)のような多国間機関によって設定され公表されているガイドラインの範囲内で銀行等の金融機関が行動しようとすると、ある程度の自主規制が生じる:33–34。このほか国際規制機関の例は次のとおりである。金融安定委員会(FSB)は先進国間の情報と活動を調整する。証券監督者国際機構(IOSCO)は金融証券の規制を調整する。保険監督者国際機構(IAIS)は保険業界に対する整合的な監督を推進する。マネーロンダリングに関する金融活動作業部会はマネーロンダリングとテロ資金調達との闘いにおける共同作業を促進する。国際会計基準審議会(IASB)は会計基準と監査基準を公表する。パリクラブやロンドンクラブのような公的協定・民間協定はソブリン債務の支払いに苦しむ国々を支援し指導する:22:10–11。各国の証券取引委員会と金融自主規制機関は各業界の外国為替市場の活動を監視する:61–64。欧州における超国家的な金融規制機関の例は2つある。一つは欧州銀行監督局(EBA)であり、これはシステミックリスクと制度の欠陥を特定し、国内規制機関の決定を覆す権限をもつ。もう一つは欧州シャドー金融規制委員会(ESFRC)であり、これは金融規制問題を検討し政策提言を公表する。
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