規制標示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 22:20 UTC 版)
規制標示は特定の通行方法を制限または指定する目的で設置され、「転回禁止」(橙色で、Uターン矢印にX記号)・「最高速度」(橙色の数字)など全てで29種類ある。 規制標示の様式 101 - 102 102 - 103 104 - 106 107 - 108 108の2 - 108の3 109(その1) 109(その2) 109の2 - 109の4 109の5 - 109の7 109の8 - 110 111(その1) 111(その2) 111の2 112 - 113 114 - 114の2 114の3 - 115 番号名称様式備考101 転回禁止 Uターン矢印とX記号の組み合わせで黄色で表示。時間で規制する場合は後尾に「8-20」などと表示する。 同名の道路標識に併せてこの道路標示を設置するものとする。また、橋梁やトンネル等にかかる場合やまたは特定の位置に他の道路標識が集中する場合は、同名の道路標識に代えてこの道路標示を設置する。 102 追越しのための右側部分はみ出し通行禁止 橙色の実線(幅は15 - 20 cm)。片方向の車両に向けてのみ規制を実施する場合は中央線に沿って設ける。 略して「はみ禁」「はみ出し禁止」とも。車両が追越しのために右側部分にはみ出すことを禁じて、交通の危険を防ぐ。原則として道路標示による規制であり、同名の道路標識は規制の始点・終点を除いて原則として設置しない。この道路標示を特に強調したい場合は2本線のものを用いることができるほか、道路鋲の設置・道路標示のワイド化や高輝度化を検討するのが望ましい。高速自動車国道等での非分離2車線区間においては、簡易中央分離施設を設けるよう努めなければならない。 102の2 進路変更禁止 車線(車両通行帯)の境界部に橙色の実線(幅は10 - 15 cm)。片側の車線のみを対象として規制を設置する場合は車線境界線に沿って設置する。 車両通行帯を通行している車両がこの標示を越えて進路を変えることを禁止することを示す。進行方向別通行区分が行われている交差点や横断歩道の手前、カーブ・急勾配・トンネル等で進路変更が危険な場所などで実施される。交差点手前で実施する場合はおおむね30 mの規制とする。一方の車両通行帯のみから進路の変更を禁ずる場合は車両通行帯境界線と併用する。 103 駐停車禁止 縁石の上に橙色の実線。必要に応じて縁石の側面にも標示できる。 停車及び駐車を禁止する。設置方法や設置基準は(104)駐車禁止に準じる。ただし、駐車禁止の区間に法定駐停車禁止の区間が現れる場合はこの道路標示を設置する。 104 駐車禁止 縁石の上に橙色の破線(1 - 2 mごとに空白と実線を繰り返す)。必要に応じて縁石の側面にも標示できる。 車両の駐車を禁止する。歩車道の区別がある道路の区間で、駐車禁止の規制を実施する場合は原則としてこの道路標示を設置しなければならない。ただし、駐車禁止の規制を日または時間を限定して実施する場合はこの道路標示を設置しない。 105 最高速度 最高速度として指定する速度の数字を橙色で図示(縦5.0 m、横1.2 m) 道路標識に代替・補助の役割として設置される。 106 立入り禁止部分 立入り禁止とする部分の縁線部は橙色の実線(幅15 - 30 cm)として、内部は1.0 - 1.5 m間隔で斜線(斜線の幅は30 - 45 cm)。形状は様式通りの楕円状とは限らない。 車両の通行の用に供しない部分を指定し、車両の立入りを禁ずる。見通しの悪い曲線などによって車両の衝突を避ける場合、または車線数の増減などで車両の導流を図る場合に設置される。この道路標示は物理的・構造的に車両の立入りを防ぐことができない場合に限って実施され、真に必要である場合を除いて中央分離帯の代替として設置することは認められない。 107 停止禁止部分 停止禁止とする部分の周囲を白色の実線(幅15 cm)として、内部は1.0 - 1.5 m間隔で斜線(斜線の幅は10 cm) 標示されている部分の上で停止してはならないことを示す。緊急自動車やバスの出入口付近に設置されるほか、交通整理の行われていない交差点や滞留車両が踏切に及ぶ可能性があって特に必要な場所でも設置される。 108 路側帯 路側帯と車道の境界に白色の実線(幅は15 - 20 cm) 標識令第7条により、歩道が設けられていない道路または道路の歩道が設けられていない側の車道外側線が路側帯とみなされる。路側帯の設置によって歩道が無い場合の歩行者や軽車両の通行場所を確保する目的で設置される。原則として1.5 m以上の幅員を確保し、やむ得ない場合のみ0.5 m以上とする。 108の2 駐停車禁止路側帯 (108)路側帯の白色の実線に追加して道路左側に白色の破線(幅は10 - 15 cm、破線の長さおよび設置間隔は1 - 3 m) この路側帯によって、車両(軽車両を除く)の通行に加え駐停車も禁止される。原則として1.5 m以上の幅員を確保し、やむ得ない場合のみ0.75 m以上とする。 108の3 歩行者用路側帯 (108)路側帯の白色の実線に追加してもう1本の白色の実線(幅は、路側帯の路端寄りに新設する場合は10 cm、車道寄りに新設する場合は15 - 20 cm) この路側帯は軽車両も通行・駐停車を禁じる。原則として1.0 m以上の幅員を確保し、やむ得ない場合のみ0.75 m以上とする。 109 車両通行帯 この道路標示は「車両通行帯境界線」(白色の破線、必要に応じて実線)と「車両通行帯最外側線」(白色の実線)に分かれる。 車線を規定し、交通流の整序化を図る。区画線の(102)車線境界線は車両通行帯境界線、(103)車道外側線は車両通行帯最外側線として取り扱うことができる。 109の2 優先本線車道 優先道路側の路端で合流部において白色の破線(幅は30 - 75 cm、延長2.0 - 5.0 mの白線を1.0 - 1.5 m間隔で設置) 高速自動車国道等で本線車道が他の本線車道に合流する場合において、一方の本線車道が優先道路であることを明示するための標示。劣後側の道路には(211)前方優先道路を設置する。 109の3 車両通行区分 各車両通行帯に通行を指定する車両を文字で表記。 車両通行帯が設けられた道路で車両の通行区分を設ける。混合交通による交通事故や交通渋滞を防ぐ目的のほか、騒音や振動などの交通公害を防止する目的で規制が行われる場合もある。簡潔な標示をするため、「〇〇(〇〇を除く)」のような表記を行い、3種類以上の車両を列記してはならない。 109の4 特定の種類の車両の通行区分 特定の車両通行帯に通行を指定する車両を文字で表記し、その後方に矢印(いずれも白色) 車両通行帯が設けられた道路で、特定の車両が走行すべき車両通行帯を指定する。一般道路では混合交通による交通事故や交通渋滞を防ぐ目的のほか、騒音や振動などの交通公害を防止する目的で規制が行われる場合もある。高速自動車国道等では原則として大型貨物自動車等の第一通行帯への指定に限定される。 109の5 牽引自動車の高速自動車国道通行区分 指定する車両通行帯に「けん引」と表記し、その奥側に矢印(いずれも白色) 重被牽引車を牽引している牽引自動車が走行すべき車両通行帯を指定する。道路交通の安全・円滑を図るとともに、騒音や振動などの交通公害を防ぐ目的で規制される。 109の6 専用通行帯 専用通行帯を通行しなければならない車両の種類を白色文字で表示する。文字の手前に規制適用時間を「7-9」のように表示する。 特定の車両が通行しなければならない車両通行帯を指定し、かつ特定の車両以外の車両をその車両通行帯から排除する。原則として第1通行帯が指定される。 109の7 路線バス等優先通行帯 「専用通行帯」と同様(文字は「バス優先」)。「優先」と「専用」を時間帯に分けて実施する場合は文字を並べることで実施する(なお、このときは道路標識は可変標識を用いる)。 路線バス等以外の自動車に対して、後方から路線バス等が来て正常な運行に影響を及ぼしそうな場合は当該の車両通行帯から外に出なければならない(混雑によって外に出られなくなるおそれがある場合は当該の車両通行帯を走行してはならない)。原則として第1通行帯を指定する。ただし、道路中央側(一方通行の道路では道路右側)にバス停がある場合などはこの限りではない。 109の8 牽引自動車の自動車専用道路第一通行帯通行指定区間 第一通行帯に「けん引」と表記し、その奥側に矢印(いずれも白色) 車両通行帯が設けられた自動車専用道路の本線車道で、重被牽引車を牽引している牽引自動車が第一通行帯を走行しなければならないことを示す。 110 進行方向別通行区分 各車両通行帯に進行方向の矢印 車両通行帯の設けられている道路で、車両が交差点で進行する方向に関して通行の区分を設けて交通流の整序化を図る。規制区間は交差点の手前30 - 50 mを基準とする。交通量が著しく多く道路標示が読み取れないおそれがある場合などは同名の道路標識を併設する。なお、道路の状況によって特に必要がある場合は、破線による予告標示を設けることができる。 111 右左折の方法 「左右内小回り」、「右折小回り」、「右折内小回り及び右折外小回り」、矢印の方向に破線に沿って誘導するもの、左折または右折した後に入るべき車両通行帯を矢印で表示するものに分けられる(いずれも白色) 車両が交差点で右左折時に通行すべき部分を指定する。ただし、二段階右折しなければならない原付はこの道路標示に従わない。交差点の形状・交通の状況に応じて様式を使い分け、変形して用いる。 111の2 環状交差点における左折等の方法 幅15 - 20 cmの破線(実線と間隔が交互に1 - 3 mずつ)と矢印(いずれも白色)。車両はこの標示の破線に沿って通行する 環状交差点に必ず設置しなければならないものではなく、法に規定された通りに通行した場合に交通の安全・円滑を害する場合に車両を誘導するために設置される。 112 平行駐車 道路延長方向に沿って3.5 - 6.5 m、道路横断方向に1.7 - 2.5 mの区域を幅15 cmの白色実線で区切る 車両は駐車時に道路側端に設けられた道路標示に従って駐車しなければならない。非舗装道路等で道路標示の設置が困難な場合は必要に応じて道路標識を設置しなければならない。 113 直角駐車 道路延長方向に沿って2.75 m、道路横断方向に5.0 mの区域を幅15 cmの白色実線で区切る 114 斜め駐車 (113)直角駐車を斜めに設置 114の2 普通自転車歩道通行可 縦0.7 m、横1.0 mの自転車の記号 普通自転車が歩道を通行できることを示すものであり、この規制を強調する場合は(325の3)自転車及び歩行者専用を設置する。 114の3 普通自転車の歩道通行部分 縦0.7 m、横1.0 mの自転車の記号を設置し、通行すべき歩道の部分との境界に白色の実線(幅10 -20 cm) 普通自転車が通行すべき歩道の部分を指定する。歩道の車道寄りを指定し、通行部分の幅員は1.5 m以上を確保すること。横断歩道やバス停などの近くで歩行者が滞留する部分には設けない。この規制を強調する場合は(325の3)自転車及び歩行者専用を設置する。 114の4 普通自転車の交差点進入禁止 道路進行方向に向かって自転車の記号と歩道の方向を示す矢印を設置し、その右側に橙色の実線をL字型に設置 この標示を越えて普通自転車が交差点に進入することを防ぐ標示。当該交差点の大型自動車の交通量が多く、かつ普通自転車の歩道通行可が実施されている場合に限り導入される。 115 終わり 右上から左下にかけて斜線がある白色の円形。該当する交通規制の規制標示を手前に配置する 交通規制が終了する地点にて、道路標識の設置に併せて設置される。この記号は単独では設置されない。 (101)転回禁止 (102)追越しのための右側部分はみ出し通行禁止 (104)駐車禁止が写真右側の縁石に設置されている (105)最高速度 (107)停止禁止区域 道路の両側に(108)路側帯が設置されている。路側帯を強調するため、右側には緑色のカラー舗装が施されている (109の6)専用通行帯 (110)進行方向別通行区分によって直進用車線と右折用車線に分離されている 交差点中央に(111)右左折の方法の標示が設置されている (114の3)普通自転車の歩道通行部分。標示の効果を高めるためカラー舗装が併用されている
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