収録噺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/30 03:42 UTC 版)
酔のまぎれ(人ごゝろ 汲みて知られぬ 朧夜の酒宴) - 公家の妾が従者と駆け落ちするが、屋敷から持ち逃げした金銀は実は石ころだった。仕方なく逢坂の関で茶屋を始める。 得心の男妾(めでたいな 福力三人 おとこ妾) - 女装の美青年が武家奥方の女装妾になる。美貌に加え、知恵と学識もある才色兼備を発揮し、女主人の旦那を出世させ三人とも富貴になり名声を得る。 浦島の裔(織姫の 置の玉手箱 喰明た) - 子供が欲しい漁師が捨て子を拾うが、成人したのち年を取らず妾として旦那遍歴を繰り返す。 猫要らずの婆(鼠をはらひ給へ 守り神) - 老いた妾が化け猫に憑依され、鼠を追いかけるようになってしまう。 雛の酒 ところは山路の肝いり - 妾を斡旋する女将が配下の女を集め、酒宴で旦那たちの品定めをする。 敷金の 二百両は 明いた口へ - 江戸伝馬町の商人が妾と密通した幇間を結婚させたが、実は両人まとめての厄介払いだった。 若後家の寺参りは 仕立物屋が宿替え - 仕立屋の妻が未亡人の触れ込みで、堕落坊主に別宅を借りさせる。後で難癖をつけ追い出し、古着屋を始める。 武家部屋めぐり(ものゝふの 猛きこゝろも つまるところは金) - 石部金吉と呼ばれる堅物の武士が、二股三股の旦那を掛け持つ妾に手玉にとられる。 息子の心はてりふり 知れぬ狐の嫁入り - 妾との結婚を老母に反対された倅が、妾を化け狐に扮装させ母を騙す。 米市は 日本一の大湊(二度の勤め なき世の蜆川) - 米相場で二度も失敗して、破産した大坂の大百姓に先立たれた妾が、追善供養のため四十九日にわたり「観音経」を書写する。 小町零落(一人娘の 奢りの末は 枯れた黄金竹) - 大名の奥方を望む娘が、結局嫁ぎおくれてしまい妾になる。 貧苦に身をしぼる 油扇の絵(桃山のさかりを 見る事なく大路の 往来にのみ春を知り) - 役も貰えず扇の絵つけの内職に勤しむ、眼鏡をかけた侍に訪れた悲喜劇。
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収録噺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 08:43 UTC 版)
要害は間に合はぬ商人の城廓 - 和泉堺の薬屋が武芸に熱中するあまり、小西行長の末裔だと自称して大名に召し抱えを画策する。 貧乏は神とゞまります裏貸家 - 神道者の後家が娘を舞子にし荒稼ぎする。二人目の夫は、反対に神道にかぶれ神主となる。 文盲は昔づくりの家蔵 - 無学なのに目利き通ぶる大坂北浜の米問屋が、偽の茶器名物を掴まされ、道具仲間から目違い先生と陰口を叩かれる。 孝行は心ありけり相撲取り - 播磨高砂の相生浦という貧しい力士が、福の神に神力を借り全勝させてもらう。しかし、京の勧進相撲に行く途中で貧乏神に会い病気になってしまう。 宗旨は一向 目の見えぬ信心者 - 河内柏原の一向宗門徒の長男が、旅先で追いはぎにあい傷が元で亡くなる。芝居狂いの次男も飛び入りで舞台に出て、荒事の綱が切れ事故死する。 呑みこみは 鬼一口の色茶屋 - 江戸深川で鬼の喜介と呼ばれる茶屋の経営者が、つけの溜まった客の鼓打ち宅に借金取り立てに行く。ところが畳まで売り払い、丸裸でいるのを見て呆れ、反対に金を置いていく。 器量は見るに貧乏の雨舎り - 武士に憧れ、侍の恰好で江戸見物に来た上方の町人が、美貌の尼と見習いの娘二人だけの庵で雨宿りをする。ご馳走になり自分に気があると誤解するが、実は尼僧は薙刀や剣の達人で稽古相手が欲しかったと判る。武芸の心得が皆無の偽侍は、仲間(ちゅうげん)に扮装させた手代と共に、逃げるようにして土砂降りのなか退散する。 見過ぎは危ない軽業の口上 - 近江大津から家出をしてきた道楽者が、軽業の口上をして暮らしていたが、人相見に諭され実家に戻る。 雀は百まで 舞子の年寄 - 京の宇治に五十過ぎた舞子が居たが、大年増で相手にされない。その息子には悪癖があり、僧侶の寺小姓になった。 兄弟は気の合わぬ 他人の始め - 奈良で墨屋を営む兄弟は、兄は仕事一筋の吝嗇家。弟は取り巻きを連れた道楽者でそりが合わない。結局は家業に失敗し、店を手放して借家住まいとなる。 評判は黒吉の役者付あひ - 上方から富豪を連れて、江戸に物見遊山に出掛けた芝居好きの男。双六で得た知識で知ったかぶりをして解説していたが、そのうちに実際の景色に驚くようになる。 公界は既に三年の喪服 - 唐土大夫と名乗る女郎は、中国好みのうえ儒学の話までするので客が閉口する。ところが香具屋と駆け落ちしてしまい、客や同僚は仰天する。 昔は抹香けむたからぬ夜咄 - 夜遊びの好事家がたむろする商家がある。ある晩、狐釣りをするという浪人に誘われ、重箱を持って皆で出かけていく。しかし、狐は出て来ず化かされる事もなく終わる。 祈祷はなでこむ天狗の羽箒 - やぶと評判の町医者が、霊山参拝のおりに天狗に誘拐されたと騒ぎになる。神隠しから月日を経て戻ると、何故か名医になっていて皆が不思議がる。 浮気は一花 嵯峨野の片折戸 - 勘当された放蕩息子が太夫を身請けして嵯峨野に住ませていた。ところが囲い宅の隣は追い剥ぎの巣窟で、向かいの家には書画骨董の贋作を作る、怪しげな職人や商人が出入りしている。遊び人の息子も恐ろしくなり、太夫を連れ帰る。
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