鬼一口とは? わかりやすく解説

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おに‐ひとくち【鬼一口】

読み方:おにひとくち

《鬼が一口に女を食ってしまったという伊勢物語説話から》

非常に危険なこと。尋常でない苦難

「(死ニ対シテ)つい気を許して高慢にふるまおうとする。と—だ」〈有島生れ出づる悩み

すばやくたやすいこと。

「—にかんでやる」〈浄・栬狩剣本地


鬼一口

作者京極夏彦

収載図書百鬼夜行―陰
出版社講談社
刊行年月1999.7
シリーズ名講談社ノベルス

収載図書文庫版 百鬼夜行―陰
出版社講談社
刊行年月2004.9
シリーズ名講談社文庫


鬼一口

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/11/06 14:39 UTC 版)

鳥山石燕今昔百鬼拾遺』より「鬼一口」

鬼一口(おにひとくち)とは、日本説話において、が一口にして人間を食い殺すことをいう[1]

概要

代表的な話として挙げられているものに、平安時代初期の歌物語『伊勢物語』第6段の「芥川の段」がある。ある男が何年も女のもとへ通い続けていたが、身分の違いからなかなか結ばれることができなかった。あるとき、男はついにその女を盗み出したが、逃走の途中で夜が更けた上に雷雨に見舞われたために、戸締りのない蔵を見つけて女を中へ入れ、自分は弓矢を手にして蔵の前で番をして、夜明けを待った。やがて夜が明けて蔵の中を覗き見ると、女の姿はどこにもなかった。女はその蔵の中に住んでいた鬼に一口で食い殺され、死に際に上げた悲鳴も雷鳴にかき消されてしまったのである[1][2]

鳥山石燕妖怪画集『今昔百鬼拾遺』に『鬼一口』と題してこの話を描いており、解説文では男は在原業平、女は藤原高子としているが、実際には『伊勢物語』には男女の名は明記されておらず、これを在原業平らの物語と見なすのは俗解とされている[3]

ほかにも平安初期の説話集『日本霊異記』には、男女が一夜の契りを結ぶが、実はその男が鬼で女を食べてしまう話、平安末期の説話集『今昔物語集』には夜道を歩いていた女たちの1人を男が突然連れ去り、その男が実は鬼で、女を一口で食べてしまうという話がある[2]

このように「鬼一口」の話が多いのは、戦乱、災害、飢饉などによって人が命を落としたり消息を絶ったりしたことを、異界から現世に鬼が現れて人間を奪い去って行くものと解釈したとの説がある[4]

備考

  • 人食い鬼の伝承で最古のものは、『出雲国風土記』に登場する阿用郷の鬼であるが、これは郷名由来譚であり、鬼に食べられるのも女ではなく、男である。

脚注

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  1. ^ a b 池田彌三郎 『日本の幽霊 身辺の民俗と文学』 中央公論社1959年、79-80頁。NCID BN11288391
  2. ^ a b 今野圓輔編著 『日本怪談集』妖怪篇、社会思想社現代教養文庫〉、1981年、190-101頁。ISBN 978-4-390-11055-6
  3. ^ 『鳥山石燕 画図百鬼夜行』 稲田篤信・田中直日編、高田衛監修、国書刊行会1992年、220頁。ISBN 978-4-336-03386-4
  4. ^ 岡部隆志 「鬼伝説」『日本「神話・伝説」総覧』 新人物往来社歴史読本特別増刊・事典シリーズ〉、1992年、245頁。NCID BN08606455

鬼一口(おにひとくち)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:29 UTC 版)

ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の記事における「鬼一口(おにひとくち)」の解説

第8話登場人間一口食い殺す鬼。一眼で肌が黒い頭部だけの姿。ゆうたの学校給食盗み食いした上に、鬼太郎の腕や児童も食うが、口中飛び込んだペロリ太郎奪い返され指鉄砲倒される

※この「鬼一口(おにひとくち)」の解説は、「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の解説の一部です。
「鬼一口(おにひとくち)」を含む「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の記事については、「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の概要を参照ください。

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