加藤楸邨とは?

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かとうしゅうそん -しうそん 【加藤楸邨】 ○

1905~1993俳人東京生まれ本名、健雄。東京文理大卒。抒情的な自然詠から内面的傾向深め人間探求派と称される。その後自然や東洋美術題材求める。句集寒雷」「山脈」など。

加藤楸邨

読み方かとう しゅうそん

俳人本名健雄。東京文理大卒業水原秋桜子師事し「馬酔木」に入る。昭和15年俳誌寒雷』を創刊主宰し、「馬酔木」を離れる高校教諭をつとめながら句作句集寒雷』『颱風眼』『穂高』『雪後の天』『野哭』などがある。人間探究派の俳人といわれる昭和60年芸術院会員。『加藤楸邨句集』『加藤楸邨全集』の著書がある。平成5年1993)歿、88才。

加藤楸邨

加藤楸邨の俳句

おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ
おぼろ夜の鬼ともなれずやぶれ壺
かなしめば鵙金色の日を負ひ来
こがらしや女は抱く胸をもつ
さえざえと雪後の天の怒濤かな
さむきわが影とゆき逢ふ街の角
しづかなる力満ちゆきばつたとぶ
その冬木誰も瞶めては去りぬ
つひに戦死一匹の蟻ゆけどゆけど
どこやらに硝子がわれぬ桐の花
はたとわが妻とゆき逢ふ秋の暮
ふくろふに真紅の手毬つかれをり
まぼろしの鹿はしぐるるばかりなり
みちのくの月夜の鰻あそびをり
チンドン屋枯野といへど足をどる
バビロンに生きて糞ころがしは押す
パン種の生きてふくらむ夜の霜
二人して楤たらの芽摘みし覚えあり
今も目を空へ空へと冬欅
伊勢海老の月にふる髭煮らるると
冬の鷺あな羽搏たんとして止みぬ
冬嶺に縋りあきらめざる径曲り曲る
冬生に家なし死に墓なし
冴えかへるもののひとつに夜の鼻
十二月八日の霜の屋根幾万
原爆図中口あくわれも口あく寒
吹越に大きな耳の兎かな
四角な冬空万葉集にはなき冬空
天の川わたるお多福豆一列
天の川怒濤のごとし人の死へ
天の川法螺吹き男ふとなつかし
天の川鷹は飼はれて眠りをり
寒卵どの曲線もかへりくる
寒雷やびりりびりりと真夜の玻璃
屋上に見し朝焼のながからず
年賀やめて小さくなりて籠りをり
恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく
日本語をはなれし蝶のハヒフヘホ
春愁やくらりと海月くつがへる
木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ
枯れゆけばおのれ光りぬ枯木みな
梨食ふと目鼻片づけこの乙女
死にたしと言ひたりし手が葱刻む
死ににゆく猫に真青の薄原
死ねば野分生きてゐしかば争へり
死や霜の六尺の土あれば足る
毛糸編はじまり妻の黙はじまる
水温むとも動くものなかるべし
浅蜊椀無数の過去が口開く
満月やたたかふ猫はのびあがり
 

加藤楸邨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/04 08:54 UTC 版)

加藤 楸邨(かとう しゅうそん、1905年明治38年)5月26日 - 1993年平成5年)7月3日)は日本俳人国文学者。本名は健雄(たけお)。水原秋桜子に師事、はじめ「馬酔木」に拠ったが、苦学する中で同誌の叙情的な作風に飽き足らなくなり、人間の生活や自己の内面に深く根ざした作風を追求、石田波郷中村草田男らとともに「人間探求派」と呼ばれた。戦後は戦災や社会運動への参加などを経て幅の広い作風を展開、また主宰した「寒雷」では伝統派から前衛派まで多様な俳人を育てた。


  1. ^ 『加藤楸邨集』三橋敏雄解説、372頁。
  2. ^ 加藤瑠璃子編「加藤楸邨略年譜」『加藤楸邨』190頁。
  3. ^ 『加藤楸邨集』三橋敏雄解説、373頁。
  4. ^ 加藤瑠璃子編「加藤楸邨略年譜」『加藤楸邨』191頁。
  5. ^ 『加藤楸邨集』三橋敏雄解説、381頁。
  6. ^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)93頁
  7. ^ 『定本 現代俳句』 399頁。
  8. ^ 『定本 現代俳句』 405頁。
  9. ^ a b c 今井聖 「加藤楸邨」『現代俳句大事典』 146-147頁。
  10. ^ 今井聖 「真実感合」『現代俳句大事典』 290頁。
  11. ^ 『定本 現代俳句』 408-412頁。
  12. ^ 『定本 現代俳句』 415-416頁。
  13. ^ 『定本 現代俳句』 421-423頁。
  14. ^ 『加藤楸邨集』三橋敏雄解説、384頁。
  15. ^ 『加藤楸邨集』三橋敏雄解説、384-385頁。
  16. ^ 『図説俳句』 168頁。
  17. ^ 天の川わたるお多福豆一列 現代俳句データベース 松林尚志評、2015年3月21日閲覧。
  18. ^ 今井聖「わが師、わが結社」『加藤楸邨』183-185頁。
  19. ^ 『加藤楸邨集』三橋敏雄解説、380頁。
  20. ^ 雄山閣『新版俳句歳時記』近現代俳人系統図
  21. ^ 今井聖 「寒雷」 『現代俳句大事典』 170-171頁。


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