川崎展宏とは? わかりやすく解説

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川崎展宏

川崎展宏の俳句

大和」よりヨモツヒラサカスミレサク
あ初蝶こゑてふてふを追ひにけり
いましがた出かけられしが梅雨の雷
うしろ手に一寸紫式部の実
かたくりは耳のうしろを見せる花
すみれの花咲く頃の叔母杖に凭る
ともしびの明石の宿で更衣
みづうみへこころ傾く葛の花
むつつりと上野の桜見てかへる
二人してしづかに泉よごしけり
京都駅下車迷はずに鱧の皮
人影のかたまつてくる寒牡丹
人間は管より成れる日短
仏生会鎌倉の空人歩く
冬すみれ富士が見えたり隠れたり
冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ
冬麗の水に靨や流れをり
塗椀が都へのぼる雪を出て
夏座敷棺は怒濤を蓋ひたる
夕焼て指切の指のみ残り
天の川水車は水をあげてこぼす
座敷から月夜へ輪ゴム飛ばしけり
戸口まで紅葉してをる鼠捕
方寸にあり紅梅の志
早乙女も影となる田の薄茜
柚子風呂にひたす五体の蝶番
桃の咲くそらみつ大和に入りにけり
桜貝大和島根のあるかぎり
桜鯛子鯛も口を結びたる
椅子一つ抛り込んだる春焚火
炎天へ打つて出るべく茶漬飯
熱燗や討入り下りた者同士
玉くしげ箱根の上げし夏の月
白波にかぶさる波や夜の秋
綿虫にあるかもしれぬ心かな
虚子に問ふ十一月二十五日のこと如何に
赤い根のところ南無妙菠薐草
酒盛りのひとり声高十三夜
雄ごごろの萎えては雪に雪つぶて
骨もまた疲れて眠る龍の玉
高波の夜目にも見ゆる心太
鮎の腸口をちひさく開けて食ふ
鶏頭に鶏頭ごつと触れゐたる
黒鯛を黙つてつくる秋の暮
 

川崎展宏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/17 03:49 UTC 版)

川崎 展宏(かわさき てんこう、本名ではのぶひろ、1927年1月16日 - 2009年11月29日)は、日本俳人国文学者広島県出身。

生涯

呉市生まれ。父は海軍士官1953年東京大学文学部国文学科卒業。1958年同大学院満期退学米沢女子大学共立女子大学を経て、明治大学法学部教授。

東京府立第八中学校(現・東京都立小山台高等学校)で加藤楸邨に教わり、のちに俳句を楸邨に師事、「寒雷」に参加する。1970年森澄雄の「杉」創刊に参加、編集を務める。1980年、超結社の同人誌「貂」を創刊、2003年まで代表を務め、2004年より名誉代表となる。1991年、句集『夏』で読売文学賞受賞。1998年、句集『秋』で詩歌文学館賞、評論『俳句初心』で俳人協会評論賞受賞。1990年から1993年まで「日経俳壇」選者、1994年から2006年まで「朝日俳壇」選者を務めた。

楸邨に学びながらも、第一句集『葛の葉』跋において「俳句は遊びだと思っている。余技という意味ではない」「遊びだから息苦しい作品はいけない」と書いて人間探求派的な作風からの離別を宣言。高浜虚子花鳥諷詠俳句に対する再評価を通じて自身の作風を確立していった。代表句に「天の川水車は水をあげてこぼす」「「大和」よりヨモツヒラサカスミレサク」などがあり、古典文学からの本歌取りを得意とした。

著書

句集

  • 葛の葉 杉発行所 1973.1
  • 義仲 牧羊社 1978.12(現代俳句選集 ; 4)
  • 観音 牧羊社 1982.11(現代俳句選集)
  • 角川書店 1990.9(現代俳句叢書)
  • 川崎展宏 花神社 1994.8(花神コレクション)
  • 秋 角川書店 1997.8
  • 川崎展宏句集 ふらんす堂 2000.6
  • 冬 ふらんす堂 2003.5
  • 春 川崎展宏全句集 ふらんす堂 2012.10

随筆・評論・研究書など

参考文献

脚注

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