齊藤美規とは? わかりやすく解説

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齊藤美規

齊藤美規の俳句

あきらかに茅の輪くぐりし前と後
あめつちのこの雨の音終戦日
いち早く電柱映る田が植わり
いつぷくの姿スコップ雪に立ち
いのち存らへ昭和雨もて結びたる
かはたれは山のあかとき竹煮草
からかさをひらけば雨の桜かな
こゑにして鳶の描ける初景色
すこしづつ日脚伸びつつ雪降りつつ
すこし垂れ流し春田の養豚場
すたすたと歩いてゐたる田の終ひ
ちゃんまいろとは魁の土地言葉
どこからも人の出て来る甘藷の芽
のぼりつめ海道見ゆる蔓手毬
はじまりぬ雪国の夜の片笑窪
ひとごゑがハウスの中に初蛙
ひるまへの屋根に人ゐる田を植うる
ふるさとに鮭帰る川君もかへる
ふるさとを光ながれて春の川
ゆく秋のわが恋唄は朱鷺挽歌
イチローの野球哲学秋ふかむ
オポチュニストと蟬の屍あまた草田男死す
スラローム三間とんで火の笹子
バス待つ我と雪降る我の道路鏡
ベッド空いてる梨棚の剪定夫
一戸残りぬ春燈こぼすため
一望の刈田故郷の景となり
一歩前へ出て雪山をまのあたり
三尺も跳ぶあめんばう山の秋
二羽飛んでもともとの二羽通し鴨
人が田を朝から歩く油照
人が通れば樹の上の法師蟬
人待ちのつくつくほふし木を替へて
仏出て真水欲しがる夜の秋
仏壇の秋暑の扉開けてあり
低き方ひくき方へと田を均し
倒影の葦うつくしき梅雨の沼
傾けて全き秋の日本海
八方明るし耕牛眼を張り湧く力
冬夜母右眼見えぬと見せにけり
冬至の日人あかあかと通るなり
凧揚げる目の線指に糸の線
前の人うしろの人も雪催
十二月八日雪嶺秀をきそふ
名月の位に即くまでの昇りかな
名香山の傘寿しぐれとなりにけり
咲くまへの紅梅の辺につよき杭
夕暮は人よりも木の雪後にて
夜学教師と西日まみれの雀の子
大根を抜けば地球が廻るなり
 

齊藤美規

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/21 06:29 UTC 版)

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齊藤 美規(さいとう みき、1923年12月6日 - 2012年12月26日[1])は、昭和平成期の俳人。本名・克忠(まさなお)。

経歴

新潟県西頸城郡下早川村(現・糸魚川市)生まれ。高岡高等商業学校(現・富山大学経済学部)卒。1941年、高岡高等商俳句会で山口花笠の指導を受け俳句を始める。翌年「寒雷」に入会。戦中戦後期の事情により1958年まで中断。1960年、中野弘一の「海峡」入会。1961年和知喜八の「響焔」入会。1964年、「寒雷」同人。1970年森澄雄の「杉」創刊同人。1981年、「麓」を創刊・主宰。これに先立ち「寒雷」以外の同人を辞退。同年、第28回現代俳句協会賞受賞。2006年、第6回現代俳句大賞受賞。糸魚川市に在住。新潟県立糸魚川商工高等学校(現・新潟県立糸魚川白嶺高等学校)で教鞭を取り、定年退職後は農業に従事。楸邨を生涯の師とし、故郷糸魚川の風土を叙情的に捉えた作品をつくり続けた。現代俳句協会顧問、新潟県現代俳句協会会長。

著書

句集

  • 花菱紋(1970年)
  • 鳥越(1975年)
  • 地の人(1979年)
  • 路上集(1984年)
  • 海道(1987年)
  • 桜かくし(1991年)
  • 白壽(1995年)
  • 百年(2000年)
  • 六花集(2002年)
  • 春の舞(2003年)

俳論集

  • 俳句の風土(1985年)

参考文献

  • 現代俳句大事典、三省堂、2005年
  • 現代俳句協会ウェブサイト[1]

脚注

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