齢問へばひらいて涼し指二本
作 者 |
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季 語 |
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季 節 |
夏 |
出 典 |
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前 書 |
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評 言 |
このときの話を私たちにする作者の顔は、いかにも楽しそうに仕草を真似ての、これ以上ないといった笑顔だった。 その母も百二歳と十ヶ月で逝去されたのだが、その百二歳の母の句が句集『春の舞』に母の章としてまとめてある。掲句はそのなかのひとつ。ほかの句を抄出する。 をととひで百と二歳の初景色 初湯使ふとヘルパーが二人来て 桜の夜母が援けを呼んでをり 天瓜粉この骨盤に吾の居し 撫でてをり母の夜長をもて余す 十月二十一日未明 花八ツ手いまはの眼なに見ゆる 秋暁へ百と二歳の息ひとつ 群作としても読めるし、また一句としてことごとく屹立している。 |
評 者 |
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備 考 |
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