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原子公平

原子公平の俳句

ダビデの石」青林檎を手におさめた
おぼろ夜の存在も無も酩酊せり
ちちろ一と鳴きして止む草魂の淡し
まばたけば冬滝一本の火ばしら
やや沖に孤礁秋思の水柱
オリオンへ白鳥浮き寝の夢明り
トランプの王家悲しげ四月馬鹿
フランスへ行きたい風邪の鼻音である
ボードレールのレールに春愁光りつ去る
ランボーは遠いおとうと目刺で酒
三代以前はおぼろの家系地酒で祝ぐ
人を信じて組む谷ぐるみ青胡桃
八十の若輩虚子忌を孤酒に哭く
力山を抜き葡萄新酒の栓抜けず
卓の水仙灯台にして辞書を操る
友来たる花はなければルオーの絵
口無し咲かせて無党派なれど夜は左傾
善戦の敗者が佇てり風の薔薇
地球に玉乗りして蹌踉めける人日なり
地球を大きな露と思えば死も易し
天安からず水無月の水血や虹に
孤剣に似たる筆一本も芽吹く日ぞ
寒梅や手鏡に持つわが首級
川へ虹プロレタリアの捨て水は
戦争と平和と暮の餅すこし
戦後の空へ青蔦死木の丈に充つ
李白思えばすぐ酔う雪のひとり酒
枯野華やぐ失脚の椅子捨つるべし
正月の音なき金鉱山羊歌う
殺したる蛇の長さを計りをり
水仙や眼は愛にして濡れるなり
水温むうしろに人のゐるごとし
水無月のわが水系に酒満ちたり
海は恋人葉桜さらさら禁書ひらく
海軍のような青空苺を染め
灰皿に小さな焚火して人恋う
白鳥吹かれ来る風媒の一行詩
白黒時代の巴里に行きたきリラ冷えぞ
盲人に歩の正しさや秋の暮
石蕗の黄の一句一刀光れば良し
福寿草福寿の母は黄泉にあり
舞曲聴く逃亡の霧森に舞い
良く酔えば花の夕べは死すとも可
萩散るやなんとも不憫な酒の空き瓶
蕩児に似たり吐息ぐもりに金柑愛で
見ることが見らるる思ひ林檎買ふ
酔うて脳死のわれに供花めく薔薇のあり
金閣の歩廊めぐれりマント着て
針山に待針植えて妻の聖夜
黄泉路の路銀は芒一束斬れば足る
 

原子公平

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/08 08:18 UTC 版)

原子 公平(はらこ こうへい、1919年9月14日 - 2004年7月18日)は、俳人北海道小樽市に生れる。北朝鮮元山中学校、旧制第三高等学校を経て東京大学文学部を卒業。その後岩波書店小学館などに勤務した。俳句は三高時代に「馬酔木」に投句、その後加藤楸邨に師事し「寒雷」同人。1946年、澤木欣一細見綾子らとともに「」を創刊、同誌に俳句および評論を発表し社会性俳句を推進、特に1955年に発表した「山本健吉の時評」は社会性俳句の論争のきっかけとなった。1952年より現代俳句協会幹事。1953年「萬緑」同人。1962年「萬緑」を退会し「海程」同人。また「秋」にも同人として参加した。1973年「風涛」を創刊、主宰。2000年現代俳句協会大賞受賞。2004年7月18日死去、84歳。句集に『浚渫船』『良酔』『海は恋人』など、評論集に『俳句変革の視点』などがある。




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