出演作に関して
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『まんが・スーパーマン』では、当初は録音をせずに生放送の生吹き替えで、1人5役(スーパーマンの恋人ロイス・レーンを含む)を演じ分けていた。これが大ヒットし、翌年1956年には実写版テレビシリーズ『スーパーマン』で主演のジョージ・リーヴスの吹替えを務めた(最高視聴率74.2%)。放送当時の人気は非常に高く、大平の名を一躍全国区に高めた。また番組宣伝ではリーヴス並みの大柄な体躯を買われ、自らスーパーマンの衣装を身につけて貢献している。また、1978年の映画版『スーパーマン』のテレビ朝日版にも大平は出演し、スーパーマンの父親ジョー・エル(マーロン・ブランド)の吹き替えを担当した。機内上映版ではクラーク・ケント(クリストファー・リーヴ)を担当しており、大平はジョージ・リーヴス版とクリストファー・リーヴ版の両方でスーパーマン役の日本語吹替を担当した唯一の声優である。このことから、日本では大平=スーパーマンのイメージが強い。地方でもスーパーマンだと指さされることが多く、リーヴスが死去した際にはファンから大平のもとに弔電が送られてきたこともあったという。『スーパーマン』の再放送時に再アフレコを依頼された際には、「スーパーマンで一生を終えたくない」としてこれを断ったが、小林清志が演じた再放送や広川太一郎が演じた『スーパーマンの新冒険』も大平が演じていたと誤解されることもあった。 デビューからしばらくは低音で演じる役柄が多かったが、ハンナ・バーベラ・プロダクション制作の『恐妻天国』(1961年、フジテレビ)で主人公・フレッドの「情けない感じ」を出すために高い声色を使って演じたところ、たまたまそれを観ていた広告代理店・読売広告社の当時の常務が『おらぁグズラだど』(1967年)の製作にあたり「絶対にグズラは大平透だ」と推薦し、グズラ役に抜擢される。以来、『ハクション大魔王』(1969年)ほか読売広告社 / タツノコプロ制作のアニメ作品に数多く出演するきっかけとなった。特に『ハクション大魔王』からは、フジテレビ系列日曜夕方6時台枠のアニメに放映された全てのタツノコアニメにレギュラー出演。『未来警察ウラシマン』(1983年)途中での放送枠変更を挟んで、『よろしくメカドック』(1984年)まで連続して出演している。また『カバトット』(1971年)、『かいけつタマゴン』(1972年)では「台詞なしで声の表情だけで演じるギャグアニメ」という制約の中、主役を演じ切っている。現場での信頼も厚く、タツノコ作品の収録では「座長」と呼ばれ、共演者のまとめ役的役割を果たした。『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年)では、番組後半にささきいさお演じるコンドルのジョーを中心とするストーリー展開となったために、主演である大鷲の健を演じる森功至が憤慨し降板を申し出て現場を騒然とさせたため、「自分の都合で番組をやっているのではない」と森を説得し、現場の混乱を収めたこともある。タツノコプロとは仕事以外でも親交があり、自身が支援していた北海道の障害者団体の児童のために、タツノコプロ創設者である吉田竜夫の夫人を介して、タツノコ作品の上映会を開催している。また、上記のような経緯から読売広告社との関係も親密で「読広の社外取締役」とも言われた。 『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造役について、当初は熊倉一雄が99%内定していたものの、総監督の意向でオファーを受け喪黒の声を披露したところ、原作者の藤子不二雄Aも大絶賛し満場一致で大平に決まったという。 特撮ヒーロー番組ではピー・プロダクション制作の作品に関わりが深い。『マグマ大使』(1966年)では、当初は宇宙の帝王ゴアの声だけを担当する予定だったが、「表情の動かないぬいぐるみの動きと吹き替えのタイミングが合わせづらい」と、自ら申し出てゴアの着ぐるみを着け、これを演じている。着ぐるみでの演技は大量の汗をかくため、自宅の家政婦を連れて来て冷却や汗ふきを行っていた。『俺は透明人間!』(1970年)では俳優として第1話にギャング団のボス役でゲスト出演、『スペクトルマン』(1971年)では主人公が所属する組織「公害Gメン⇒怪獣Gメン」のリーダー・倉田室長役でレギュラー出演している。『スペクトルマン』では、自身の行きつけのブティックとタイアップして他のレギュラー出演者のスーツを用意していた。 東映作品には、『スパイキャッチャーJ3』(1965年)から出演。「スーパー戦隊シリーズ」では『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)の第15話より参加。以後、『科学戦隊ダイナマン』(1983年)までの7作品、および『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(1992年)のナレーターを担当した。『ダイナマン』では、編成上の都合から第10話より放送時間が短縮され、番組予告もそのあおりを受けたがアドリブを随所に入れ、時間的な制約をカバーした。ナレーションの際には、台本を読んで作品の状況を把握してから、監督と相談して作品の情景にあわせてナレーションするように心掛けていたという。ナレーター以外では『超力戦隊オーレンジャー』(1995年)で敵組織の首領・皇帝バッカスフンドの声を担当している。また、『メタルヒーローシリーズ』では『宇宙刑事シャイダー』(1984年)から参加、『超人機メタルダー』(1987年)以外の、『機動刑事ジバン』(1989年)までの5作品のナレーターを担当した。『宇宙刑事シャイダー』で主演を務めた円谷浩は、後年『THEウルトラ伝説』という円谷プロの集大成・再編集ビデオで初めてナレーターを担当した際、『シャイダー』のナレーターだった大平の語りが強く印象に残っているといい、「あれは凄いよね」と敬意を払っていた。 洋画作品では、テリー・サバラスの吹き替えを多く演じている。サバラス主演のテレビシリーズ『刑事コジャック』(1975年 - 1979年、TBS系)は当初、大平が吹替える予定だったが、当時の演出担当ディレクターが「吹き替えのためには、声優もオリジナル俳優と同じ格好で生活してリアリティを出すべきだ」と主張し、大平に対して丸坊主になるよう要求したが、当時田辺製薬の生CMに出演していた都合から不可能だったため大平は降板。森山周一郎が吹替えることになった。海外テレビシリーズでは『スパイ大作戦』(1967年 - 1973年、フジテレビ系)の番組プロローグに登場する「指令の声(演:ボブ・ジョンソン)」の吹き替えでも知られる。 『ザ・シンプソンズ』のホーマー・シンプソンの吹替声優に抜擢される。他の声優陣がオーディションで選ばれた中、大平のみ制作側の指名であった。『ザ・シンプソンズ MOVIE』では話題性重視のため一度声優が変更されたものの、ファンの抗議や活動によりDVD発売時にオリジナル声優による吹替が制作されホーマー役に復帰。2008年5月4日にはこのことに感謝して「シンプソンズファン感謝祭」を主催。これをきっかけに『ザ・シンプソンズ』のDVDが発売されるとファンと声優でシンプソンズファン感謝祭を開催するようになり、2013年までに5回開催されていた。なお、大平は原語版のホーマー役であるダン・カステラネタや原作者のマット・グレーニングと対面しており本人公認となっている。 『スター・ウォーズ・シリーズ』では旧三部作でダース・ベイダーの声を担当、新三部作エピソード3『シスの復讐』(2005年)でも引き続き声を担当した。これは監督であるジョージ・ルーカスが、日本語吹替え版の大平の声を気に入り直々に指名したものだという。シリーズを通して、旧シリーズと新シリーズの両方で同一キャラクターの吹き替えを担当したのは大平のみである。また、大平没後、映画版の後任である楠大典がキャスティングされるがそれ以外の後任は土師孝也や中村浩太郎がキャスティングされている。
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