事故、トラブル等
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1998年12月の就航以来、国土交通省運輸安全委員会(旧・航空・鉄道事故調査委員会)から重大インシデント以上に指定された事故・トラブルは一件も起こしていない。これを実現しているのは、同時期に就航開始した航空会社の中ではエアドゥだけである。そのほか、2006年8月には指定本邦航空運送事業者の指定を受け、2007年3月には航空法20条に基づく航空機整備に関する事業場の認定を受ける 等、安全に対して積極的に取り組む姿勢も窺える。なお、いずれの認定も新規航空会社の中で初めてである。また、新卒採用や副操縦士採用(大手会社の事業用操縦士・自家用操縦士募集コースに相当)を行い、将来の経営中枢を担う人材の育成にも積極的に取り組んでいる。 2007年4月:1998年の就航より長らく予備機材がなく、定期点検時に機材変更や運休が生じていたが、このとき定期整備を委託していた中華人民共和国の済南市の整備工場で重整備を行っていた機材が工程上のトラブルにより遅延し、ゴールデンウィーク中の機材繰りがつかず多数の欠航便が発生。これにより、欠航便の他社便への振り替え等で数千万円の損害が生じ、機材に余裕のない新規航空会社の苦難が散見された。しかしながら、2008年1月31日より予備機材を導入しこれを解消させ、以後は機材整備に伴う長期運休は発生していない。 2013年4月5日8時50分頃:羽田発釧路行ADO97便ボーイング737-500が襟裳岬南東約60kmの太平洋上約1万mを飛行中、エンジン2基中の左エンジン1基に燃料漏れの可能性を示す警告が表示されたために停止、9時20分頃に釧路空港に緊急着陸した。着陸後のチェックで電気配線の不具合であることが確認されている。 2014年9月26日:ボーイング767-300型機1機とボーイング737-700型機2機で、定められた期限内に主翼整備を実施せず、担当者が整備管理システムにデータ入力する際、期限内に実施したかのように入力するなど整備関連で4件の問題が見つかり、同日付で国土交通省航空局より厳重注意処分を受けた。これを受けAIRDOは再発防止策を策定し、同年10月10日、国土交通省航空局に防止策が提出された。 12月19日、同年9月11日に羽田発新千歳空港行きADO11便で機長昇格訓練中の副操縦士が新千歳空港着陸の際に不適切な操縦を行ったにもかかわらず機長に昇格させたとして国土交通省から事業改善命令を受ける。 2016年7月29日:全日本空輸(ANA)より導入したJA602Aボーイング767-300型機のラッピング機材「ベア・ドゥ北海道JET」で運航のADO15便(ANA4715便)が羽田空港を離陸するため、タキシングを行っている際に燃料計器にトラブルが発生、離陸せずに引き返し及び機材変更(JA601Aへ)となった。 8月5日:同日正午過ぎ、新千歳空港にて保安検査すり抜け事案が発生。当時国内線ターミナル保安制限エリア内にいた旅客約1,000名の再検査が必要となり、同空港で欠航や大幅な遅延が発生。このトラブルの起因となった人物は女性で、保安検査場で搭乗券の端末確認でエラーが出た。当該人物に搭乗券確認の必要性を問われ、保安係員が対応協議のため持ち場を離れた隙に、無断で金属探知機を通らずに脇をすり抜けた。この人物は、札幌午後0時20分発羽田行きADO20便の航空券を購入していたが、保安検査場の警備会社からは、同便の出発までにADOへ連絡はなく、この人物は搭乗口の係員に「搭乗券をなくした」と話していた。ADOのマニュアルでは、搭乗直前にチケットの紛失が発覚した場合、本人確認だけすればよい規定であり、購入履歴や本人確認が取れたため、同便への搭乗を許可し、午後0時28分に札幌を出発。羽田には定刻より3分早い午後1時57分に到着した。ADOによると、この段階でも警備会社から同社に連絡はなく、この女性は拘束されることは無く、事情も問われなかった。ADOはその後、搭乗券の購入記録などから女性を特定したが、同社では8月6日時点で警察が事件性はないとしているため、この女性の今後の利用を拒否する決定には至っていないという。女性の氏名については個人情報として公表していない。その後、女性は電話での聞き取りに対し「出発時間が迫っていて焦ってしまった。どう保安制限エリア内に入ったかは覚えていない」などと話しているという。 2017年10月31日:乗員繰りの都合により2017年11月の期間中、新千歳-羽田、仙台線で17往復計34便で運休すると発表。同社によると、8月と10月に737の機長が自己都合で合わせて2人退職したこと、4機ある767のうち1機が重整備のため11月に運航から離脱することで、737の稼働が高まることが要因である。737の機長は現在37人だが、本来は40人程度必要であり、10月28日の札幌-広島線からの撤退も乗員繰りが理由の一つであるという。 11月16日:2018年2月の新千歳-羽田において、13往復計26便を乗員繰りの都合により運休すると発表。同社によると、運休理由は11月と同じ機長不足で、4機ある767のうち1機が重整備のため2月も運航から離脱することで、737の稼働が高まることが要因。11月と2月の運休便を除き、3月24日までの冬ダイヤ期間は、年末年始を含めて計画通りの運航を予定している。一方、3月25日からの夏ダイヤへの影響については、1月の運航スケジュール発表までに対応を決めるとしており、現時点では運休や減便などの影響が生じるかは未定だという。 2018年5月21日の羽田-新千歳便で、羽田空港の滑走路へ移動中証明書を忘れていることを別の社員が発見。駐機場に引き返した後、機長を交代して出発し約1時間半遅れで到着した。航空法で携帯が義務づけられている技能証明書と航空身体検査証明書を羽田空港内の事務所に置き忘れたまま、羽田―新千歳間の往復2便を飛行していた。
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