航空機整備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 04:22 UTC 版)
「クルー・リソース・マネジメント」の記事における「航空機整備」の解説
1990年台、民間航空会社や各国の航空安全機関はCRMの適用を航空管制や航空機の設計、整備にも拡大し始め、特に航空機整備の分野においてはメンテナンス・リソース・マネジメント(MRM)として発達した。これはチームをベースとした安全の取り組みであり、FAAは業界全体に普及させることを目指して2000年9月『Advisory Circular 120-72, Maintenance Resource Management Training』を発行した。 アメリカ空軍によると1992年から2002年までの10年間に渡る航空事故を調査した結果、航空事故の18%近くは整備におけるヒューマンエラーに直接起因する。運航乗務員によるエラーが墜落の直前に起きるに対して、整備におけるヒューマンエラーは概して発覚するまで長い時間がかかる。このような「潜伏エラー」の原因としては、航空機マニュアルに従わないこと、整備士間ではっきりしたコミュニケーションが行われないこと、監督が不十分なこと、組み立て練習が不適切なことなどが挙げられる。こうした整備におけるヒューマンエラーに起因する航空事故への対策として、2005年アリゾナ空軍州兵安全主任担当官のダグ・スローカム中佐は基地におけるCRMプログラムをミリタリーバージョンに変更したMRMを導入した。 2005年中頃、スローカムのMRMプログラムは空軍州兵全体のプログラムとして採用され、アメリカの54の州と領土に普及した。2006年、アメリカ国防総省の国防安全監督委員会(DSOC)はこの整備安全プログラムの有効性を認め、その派生型であるANG MRM(空軍州兵MRM)に一部出資してアメリカ空軍全体のトレーニングに取り入れた。これはAF-MRM(空軍MRM)として知られるようになり、現在でも使用されている。
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