予科
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予科(よか、旧字体:豫科)とは、学校などにおいて本科へ進む前の予備教育課程のことである。教育制度に組み込まれている点で予備校などとは区別される。
日本において予科は明治時代から第二次世界大戦後に学制改革が行われるまでの旧制学校にみられた。
学制改革後では、各種学校である宝塚音楽学校などに予科の名称が残る。
日本の旧制学校
- 陸軍地方幼年学校(陸軍中央幼年学校及び陸軍予科士官学校の予科)
- 大学予科
- 師範学校予科
- (第二次)師範教育令(1943年3月8日制定)第3条に師範学校男子部・女子部のそれぞれに「本科及予科ヲ置ク」とあり、第4条では予科の修業年限を2年と定め、第10条では「本科ニ入学スルコトヲ得ル者ハ当該学校予科ヲ修了シタル者」とあり、本科すなわち師範学校に入学する準備段階であるとし、また予科に入学し得る者は国民学校高等科を修了したまたは同等以上の学力ありと認められた者としている。
- 高等師範学校予科
- 女子高等師範学校予科
- 青年師範学校予科
- 実業学校予科
- 旧制中学校予科
- 旧制高等学校予科
- (第二次)高等学校令(1918年12月7日制定)第10条によれば「高等学校ニハ特別ナル必要アル場合ニ於テ予科ヲ置クコト」ができ、ただし、その高等学校は高等科3年、尋常科4年の課程を併有するべきものとされた。高等学校規程第57条には「高等学校ノ予科ニ関シテハ中学校令施行規則の規定ヲ準用ス」とあり、39条には「当該高等学校ノ予科ヲ修了シタル者ハ其ノ他ノ志願者ニ先チ之ヲ尋常科ニ入学セシムヘシ」とあり、すなわち尋常科に入学する準備段階である。
- 旧制専門学校予科
アメリカ合衆国
アメリカ合衆国の教育においてはプレップ校(Prep, University-preparatory school)が存在し、アイビー・リーグなどの名門大学入学を目的とする中等教育レベルの学校である。
名門プレップ校グループには以下が挙げられる。
フランス
フランスの教育においては予備大学(CPGE, グランゼコール準備学級)が存在し、グランゼコール入学選抜試験への準備過程である[1]。ISCED-5Aに位置づけれる[2]。
ドイツ
脚注
- ^ 田中文憲「フランスにおけるエリート主義」『奈良大学紀要』第35号、奈良大学、2007年3月、13-32頁、CRID 1050019058225692032、 ISSN 03892204。
- ^ “ISCED mapping - France”. UNESCO. 2015年11月13日閲覧。
関連項目
予科
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「陸軍士官学校 (日本)」の記事における「予科」の解説
「陸軍士官学校」は文字通り現役兵科将校を養成する軍学校であるが、専門の軍事教育(「軍事学」)は主に本科(陸士)にて行われる。そのため、予科(予士)では旧制高等学校に準ずる「普通学」をメインに受ける。1932年当時の予科の教育課程表は以下となっている。 修身、国語および漢文(国語・漢文・作文)、外国語(英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語から一つを選択)、歴史(日本史・西洋史)、数学(三角法・幾何および微積分・代数)、物理、化学、地理および地質、心理および論理、法制および経済、図画。教育時間数では、特に外国語は計402コマ(1コマ50分)と突出、次いで数学が計318コマ、国語および漢文が計269コマ、物理が167コマ、化学が100コマなどとなっている。これらは予科の「教授部」の主に文官教官(陸軍教授)によって教育される。軍人としての教育は「訓育部」の主に武官教官によって教練、陣中勤務、射撃、剣術・体操・柔道・馬術、訓話、学科、内務指導および検査の課程があった。これらのほか、各見学や野営演習、遊泳演習も実施された。 予科は自衛隊における防衛大学校に相当・類似する。
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