レイテンシとは? わかりやすく解説

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レイテンシ


レイテンシ

【英】latency

レイテンシとは、データ転送要求などのリクエスト発してから、リクエスト結果返ってくるまでにかかる遅延時間のことである。

例えメモリハードディスクなどの記憶装置からデータ読み出す場合には、命令送ってから記憶装置におけるデータ記録され箇所までアクセスする時間と、記憶装置から読み出されたデータ命令結果として返ってくるまで、わずかながら遅延時間生じる。

また、コンピュータCPUSDRAMなどのメモリとの間ではクロック周波数異なるため、処理にレイテンシが生じやすい。この場合遅延は特にメモリレイテンシなどと呼ばれることがある

一般的に、レイテンシの値が小さけれ小さいほど、コンピュータデータアクセスに関する性能は高いということになる。

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レイテンシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/27 01:18 UTC 版)

レイテンシ: latency)、潜伏時間潜時待ち時間反応時間とは、デバイスに対してデータ転送などを要求してから、その結果が返送されるまでの不顕性の高い遅延時間のこと。レイテンシーレーテンシーとも表記される。

ある実時間的処理過程が、より短い時間で完了し、後続の処理過程を待たせることがない(遅らせることがない)ことを、低レイテンシ(: low latency)と呼ぶ。

概要

一般的にレイテンシが小さければ小さいほど、そのデバイスは高性能で高価である。レイテンシの程度を「高」「低」で表現し、応答が遅いことを高レイテンシ、応答が早いことを低レイテンシという。

データを送出してから実際にデータが相手に到着するまでの間を「片道潜時(片道レイテンシ)」、データの送出要求(送出要求自体もデータの一つである)を送出してからその要求に応じたデータが返ってくるまでの間を「往復潜時(往復レイテンシ)」と呼ぶ。インターネットにおける往復潜時についてはラウンドトリップタイム(往復時間)とも呼ばれ、pingによって測定することができて、単位はミリ秒(ms)で表す。

システムの個々の要素が高性能であっても、レイテンシが大きいために系統全体の性能が高くならない場合がある。例として、CPUメモリに対して読み出し(書き込み)命令を出してから実際に読み出し(書き込み)が行われるまでの時間が、そのメモリ固有のレイテンシとなる。この数字が小さいメモリほど高速であるといえる。また、別の例として、高速なブロードバンド通信であっても、レイテンシが大きい場合は「遅い」と感じたり、リアルタイム性の高いネットワークゲームなどでは同期に問題が発生する場合がある。

要因

レイテンシは複数の要因で発生する。以下はその一例である[1]

  • アルゴリズム遅延: データ変換アルゴリズムそのものに由来するレイテンシ
  • 処理遅延: 計算機が実処理をおこなう処理時間に由来するレイテンシ
  • ネットワーク遅延: ネットワークを介したデータ転送に由来するレイテンシ
  • ジッタバッファ遅延: 処理の不安定性(ジッタ)を緩衝するためのバッファに由来するレイテンシ
  • パケット化遅延: 処理済み出力を1つのパケットに蓄積することに由来するレイテンシ

コンピュータ音楽

音楽制作などのDAWDTM環境において、音信号やMIDI信号のシステム上の遅延を表現するときにも、レイテンシという言葉は使用される。パソコン処理により数ミリ秒の信号の遅れが楽器演奏の邪魔となったり、ミックス処理時の音などに影響を与えたりすることから、コンピュータ音楽に取り組むミュージシャンの間では重要視されている。特に、コンピュータをソフトウェア・シンセサイザーエフェクターとして使用する場合、外部ハードウェアとの同時併用のときなどに、レイテンシが問題視されることが多い。

音信号のレイテンシ

一般的にコンピュータが音信号を出力する場合、音データを一定長のバッファに記録してから、逐次ハードウェアへと出力する。そのため、バッファのサンプル数をサンプリング周波数ヘルツ)で割った数だけレイテンシ()が生じる。バッファ容量が小さいほどレイテンシも小さくなるが、時間辺りのオーバーヘッドが増し、システムの性能が低い場合には、処理落ちが生じノイズとなってしまうこともある。

また、エフェクタのデジタル信号処理アルゴリズムによっても、レイテンシは発生する。例えば、高速フーリエ変換(FFT)を用いたアルゴリズムでは、幅などに応じてレイテンシが発生し、先読み(ルックアヘッド)機能を備えたリミッターコンプレッサーでは、先読み時間に応じてレイテンシが発生する。また、マルチトラック再生において、レイテンシのあるエフェクタを特定のトラックのみに用いると、同期がずれてしまう。そのため、全トラックのレイテンシを統一して同期するレイテンシ補正機能を持ったシステムもある。

MIDI信号のレイテンシ

MIDI信号は、規格上31.25kbpsの転送レートを持ち、1バイト転送するごとにスタートビットおよびストップビットが付加され、主な演奏情報となるチャンネルメッセージでは最低2バイト長を必要とする。そのため、チャンネルメッセージを転送するのに、最低640マイクロ秒がかかる。また、MIDIでは逐次メッセージを転送するため、1つのバスで大量のメッセージが一斉に発生した場合、知覚できる遅延(発音の遅れ)が生じる場合もある。また、MIDI機器内部で別途に遅延が生じることもある。

派生語

割り込みレイテンシ
物理的な割り込みが発生してから、割り込みサービスルーチン(ISR)が起動されるまでの時間のこと。

関連項目

脚注

出典

  1. ^ "遅延の要因 コーデック圧縮遅延 ... パケット化遅延 ... ネットワークによる遅延 ... ジッターバッファ遅延 ... コーデック伸張遅延" 渡邊晃. (2007). IP電話のしくみについて. 名城大学.

レイテンシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 23:26 UTC 版)

記憶装置」の記事における「レイテンシ」の解説

ストレージ特定位置アクセスするのにかかる時間一次記憶装置場合ナノ秒単位二次記憶装置ではミリ秒単位三次記憶装置では秒単位程度である。読み取りと書き込みでレイテンシが異な場合もある。シーケンシャルアクセス式の場合ばらつき大きいので、最小最大平均で表す。

※この「レイテンシ」の解説は、「記憶装置」の解説の一部です。
「レイテンシ」を含む「記憶装置」の記事については、「記憶装置」の概要を参照ください。

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