ニッドヘグとは? わかりやすく解説

ニーズヘッグ

(ニッドヘグ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 04:48 UTC 版)

写本『AM 738 4to』に描かれたニーズヘッグ(一部を拡大)。

ニーズヘッグ[注 1]古ノルド語: Níðhǫggr[1][2][注 2]; 語釈は「怒りに燃えてうずくまる者」[1]など[注 3])は、北欧神話に登場するヘビ、またはドラゴンである。

スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第15章によれば、ニーズヘッグはニヴルヘイムフヴェルゲルミルの泉に多くのヘビと共に棲み、世界樹ユグドラシルの3つめの根を齧っている[7]。その傍ら、『古エッダ』の『グリームニルの言葉』第55節によれば、リスラタトスクを介して樹上の大鷲フレースヴェルグと罵り合っている[8]

さらに『古エッダ』の『巫女の予言』には、ニーズヘッグがナーストレンドで死者の血をすすることが書かれている[9]

なお、このヘビはラグナロクを生き延びるとされている。『巫女の予言』第66節には、終末の日に翼に死者を乗せて飛翔する黒きドラゴンとして登場する[10]


また、スノリはニーズヘッグは『散文のエッダ』の第二章において、蛇の呼称のひとつとして断定している。

ほかの「蛇」の呼称としては、ドラゴン、ファーヴニル、ヨルムンガンド、アダー、ニーズヘッグ、スネーク、ヴァイパー、ゴーイン、モーイン、グラフヴィトニル、グラヴァーク、オヴニル、スヴァヴニル、masked one(顔を隠せし者)がある。[要出典]

脚注

注釈

  1. ^ 日本語カナ転写翻字)表記には、ニーズヘグ[11]またはニーズホッグ[12]ニードヘッグ[13]ニドヘグ[14]ニドフグ[15]ニードホッグなどがみられる。また、「Nidhöggr」のドイツ語発音に対する表記としてニドヘッグル[16]がみられる。
  2. ^ 綴りには他に、英語化英語版ドイツ語化ドイツ語版された形も含め、Niðhöggr, Nidhogg, Nidhoggr, Nithhogg, Nidhögg, Nidhöggr, Nithhöggr, Nídhöggr, Nithhoggr, Nidhhogg, Níðhögg, Niðhoggr, Níðhoggr, Nídhögg, Hidhaegg, Nidhhoggr などがみられる。
  3. ^ 他に、「死体を裂く者」[3]、「悪意の打撃者」[4]、「憎悪に満ちて打つ者」[5]など。一般書『Truth In Fantasy VI 虚空の神々』(1990年)では「嘲笑する虐殺者」としている[6]が、その学術的な出典は不明。

出典

  1. ^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』24頁(「巫女の予言」脚注130)。
  2. ^ 『Dictionary of Northern Mythology』p.231.
  3. ^ キーヴィン・クロスリィ=ホランド山室静・米原まり子訳、『北欧神話物語』青土社、1992年新版第3刷(初版第1刷は1983年)、ISBN 978-4791751495。索引。
  4. ^ Dronke, Ursula (1997). The Poetic Edda : Volume II : Mythological Poems. Oxford: Clarendon Press. p.17, 142. 原著(英語)では「Malice Striker」。
  5. ^ 『Dictionary of Northern Mythology』p.231. 原著(英語)では「the one striking full of hatred」。
  6. ^ 健部伸明怪兵隊、『Truth In Fantasy VI 虚空の神々』(ISBN 978-4915146244)、新紀元社、1996年4月3日発行、第5刷(初版は1990年4月26日発行)、p.208。
  7. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』236頁。
  8. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』55頁。
  9. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』12頁。
  10. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』15、24頁。
  11. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』などにみられる表記。
  12. ^ 『北欧神話の世界』(アクセル・オルリック著、尾崎和彦訳、青土社、2003年、ISBN 978-4-7917-6065-7)などにみられる表記。
  13. ^ 『エッダ/グレティルのサガ』(松谷健二訳、筑摩書房〈ちくま文庫〉、1986年、ISBN 978-4-480-02077-2)などにみられる表記。
  14. ^ 『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』(山室静著、筑摩書房〈世界の神話 8〉、1982年ISBN 978-4-480-32908-0)などにみられる表記。
  15. ^ 『北欧神話と伝説』(ヴィルヘルム・グレンベック著、山室静訳、新潮社、1971年、ISBN 978-4-10-502501-4)などにみられる表記。
  16. ^ 『アスガルドの秘密 北欧神話冒険紀行』(ヴァルター・ハンゼン著、小林俊明・金井英一訳、東海大学出版会、2004年、ISBN 978-4-486-01640-3)にみられる表記。

参考文献


ニッドヘグ

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ラグナロック・ガイ」の記事における「ニッドヘグ」の解説

「神」名乗りヴァナアサの長にマイクロチップで「神の声」を聞かせて部族支配している。後述守り人であった内部本当の体を収めた巨大な体は、地下空間、2振りの剣を備えた王座座っており、意識だけがガイ対峙するガイ同様に"LEAF"を凌駕する力を得ており、"LEAF"ともつながっていて「ラグナロック・ガイ」のことを知っており、彼もガイと同じラグナロック能力者だったと思われる250年前、地球において"LEAF"を操り人類の歴史やり直し試みた彼の言う「250年前に地球が死の星となった」とは、彼自身何らかの行為原因推定される"大いなる意思"はニッドヘグがエリート生まれだと説明する

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