ニーズヘッグ
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ニーズヘッグ[注 1](古ノルド語: Níðhǫggr[1][2][注 2]; 語釈は「怒りに燃えてうずくまる者」[1]など[注 3])は、北欧神話に登場するヘビ、またはドラゴンである。
『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第15章によれば、ニーズヘッグはニヴルヘイムのフヴェルゲルミルの泉に多くのヘビと共に棲み、世界樹ユグドラシルの3つめの根を齧っている[7]。その傍ら、『古エッダ』の『グリームニルの言葉』第55節によれば、リスのラタトスクを介して樹上の大鷲フレースヴェルグと罵り合っている[8]。
さらに『古エッダ』の『巫女の予言』には、ニーズヘッグがナーストレンドで死者の血をすすることが書かれている[9]。
なお、このヘビはラグナロクを生き延びるとされている。『巫女の予言』第66節には、終末の日に翼に死者を乗せて飛翔する黒きドラゴンとして登場する[10]。
また、スノリはニーズヘッグは『散文のエッダ』の第二章において、蛇の呼称のひとつとして断定している。
ほかの「蛇」の呼称としては、ドラゴン、ファーヴニル、ヨルムンガンド、アダー、ニーズヘッグ、スネーク、ヴァイパー、ゴーイン、モーイン、グラフヴィトニル、グラヴァーク、オヴニル、スヴァヴニル、masked one(顔を隠せし者)がある。[要出典]
脚注
注釈
- ^ 日本語(カナ転写・翻字)表記には、ニーズヘグ[11]またはニーズホッグ[12]、ニードヘッグ[13]、ニドヘグ[14]、ニドフグ[15]、ニードホッグなどがみられる。また、「Nidhöggr」のドイツ語発音に対する表記としてニドヘッグル[16]がみられる。
- ^ 綴りには他に、英語化・ドイツ語化された形も含め、Niðhöggr, Nidhogg, Nidhoggr, Nithhogg, Nidhögg, Nidhöggr, Nithhöggr, Nídhöggr, Nithhoggr, Nidhhogg, Níðhögg, Niðhoggr, Níðhoggr, Nídhögg, Hidhaegg, Nidhhoggr などがみられる。
- ^ 他に、「死体を裂く者」[3]、「悪意の打撃者」[4]、「憎悪に満ちて打つ者」[5]など。一般書『Truth In Fantasy VI 虚空の神々』(1990年)では「嘲笑する虐殺者」としている[6]が、その学術的な出典は不明。
出典
- ^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』24頁(「巫女の予言」脚注130)。
- ^ 『Dictionary of Northern Mythology』p.231.
- ^ キーヴィン・クロスリィ=ホランド、山室静・米原まり子訳、『北欧神話物語』青土社、1992年新版第3刷(初版第1刷は1983年)、ISBN 978-4791751495。索引。
- ^ Dronke, Ursula (1997). The Poetic Edda : Volume II : Mythological Poems. Oxford: Clarendon Press. p.17, 142. 原著(英語)では「Malice Striker」。
- ^ 『Dictionary of Northern Mythology』p.231. 原著(英語)では「the one striking full of hatred」。
- ^ 健部伸明と怪兵隊、『Truth In Fantasy VI 虚空の神々』(ISBN 978-4915146244)、新紀元社、1996年4月3日発行、第5刷(初版は1990年4月26日発行)、p.208。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』236頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』55頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』12頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』15、24頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』などにみられる表記。
- ^ 『北欧神話の世界』(アクセル・オルリック著、尾崎和彦訳、青土社、2003年、ISBN 978-4-7917-6065-7)などにみられる表記。
- ^ 『エッダ/グレティルのサガ』(松谷健二訳、筑摩書房〈ちくま文庫〉、1986年、ISBN 978-4-480-02077-2)などにみられる表記。
- ^ 『北欧の神話 神々と巨人のたたかい』(山室静著、筑摩書房〈世界の神話 8〉、1982年、ISBN 978-4-480-32908-0)などにみられる表記。
- ^ 『北欧神話と伝説』(ヴィルヘルム・グレンベック著、山室静訳、新潮社、1971年、ISBN 978-4-10-502501-4)などにみられる表記。
- ^ 『アスガルドの秘密 北欧神話冒険紀行』(ヴァルター・ハンゼン著、小林俊明・金井英一訳、東海大学出版会、2004年、ISBN 978-4-486-01640-3)にみられる表記。
参考文献
- V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
- Simek, Rudolf (translated by Angela Hall)『Dictionary of Northern Mythology』D.S. Brewer. ISBN 0-85991-513-1.
ニッドヘグ
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「神」と名乗り、ヴァナとアサの長にマイクロチップで「神の声」を聞かせて部族を支配している。後述の守り人であった。内部に本当の体を収めた巨大な体は、地下の空間、2振りの剣を備えた王座に座っており、意識だけがガイと対峙する。ガイと同様に"LEAF"を凌駕する力を得ており、"LEAF"ともつながっていて「ラグナロック・ガイ」のことを知っており、彼もガイと同じラグナロックの能力者だったと思われる。250年前、地球において"LEAF"を操り、人類の歴史のやり直しを試みた。彼の言う「250年前に地球が死の星となった」とは、彼自身の何らかの行為が原因と推定される。"大いなる意思"はニッドヘグがエリートの生まれだと説明する。
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