テレビの勘違い、認識不足などによる人為事故
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「放送事故」の記事における「テレビの勘違い、認識不足などによる人為事故」の解説
準備不足のため、生放送を行うことができなかった、または完全な形で放送できなかった例1973年7月29日 TBS系列『時事放談』番組開始時間になってもスタジオから映像が流されず、急遽代わりに短編映画を18分間流し、スタジオからの送出が最後の約10分間になってしまうという放送事故が発生。原因はTBSが制作した予定表のミスで、信越放送(SBC)から送出し、ネット受けをTBSが行う予定であったが、放送3か月前に突如TBS制作・送出に変更したにもかかわらず、スタッフのミスで予定表を「信越放送制作」としたまま変更しなかったためである。放送当日になってもスタッフはTBS送出になったことに気づかず、結局、信越放送からの送出はなかった。放送開始時刻の8時30分になってもスタジオの照明はつかず、スタッフもディレクターも現れず、スタジオは暗いままであった。8時すぎに到着していた司会の細川隆元がスタジオに誰もいないことを近くの職員に伝えたところ、TBS局内が大パニックに陥り、結局、カメラマンや照明マンを集め最後の10分間のみ放送した。時事放談はTBSがKRT時代の1957年に開始された長寿番組であり、スタッフの「慣れ」が引き起こした模様である。 2010年7月6日 テレビ大分『カスペ! FNS人気番組対抗!オールスタークイズ』内ローカル枠『TOSニュース』20時47分ごろ、番組内ローカルニュースでオープニングからスタジオへ切り替えられたとき、ニュースの準備をしている様子が放送された。このときアナウンサーを含めスタッフはオンエアに気づいておらず、直後に「しばらくそのままお待ちください」という音声と静止画が10秒ほど放送され、ニュースが始まったものの放送時間が不足しVTRの途中で終了した。 放送局内では、スタジオや副調整室の時計が動かなくなってもオンエアの開始は主調整室からのタリー、スタジオ・副調整室でのオンエアの監視、自動番組制御装置による放送進行表のリアルタイム表示によって分かるようになっている。さらに主調整室との連絡手段を設けているため、事故が発生しても連絡がなされるといった二重三重の事故対策が講じられている。 しかしこの件では、番組素材送出の状況、枠の前後がすべて正常であったこと、テレビ大分ウェブサイトの週間番組表に事故になったニュース枠の記載がないことから、スタッフの放送時刻の認識ミスが事故の発生原因であるとされる。 2012年4月8日 NHK総合『着信御礼!ケータイ大喜利』0時49分ごろ、板尾創路が最後に最優秀賞を発表する際、突如自局の告知映像に切り替わり、そのまま次番組がスタートしてしまった。改編期後の初回の生放送で、この回より放送時間枠が1分短縮されていたがそれに気づかずに番組を構成したため、最後の1分間で放送されるべき部分が放送できなかったとされる。 放送すべき内容を間違えた例1987年9月16日 フジテレビ系列『ドラゴンボール』放送開始の19時、フジテレビがローカルで深夜に再放送する予定だった『スパイ大作戦』のオープニング映像が開始。スタッフが間違いであることに気づき、ただちに放送を一時中断。中断後、灰色の画面、「交通ルールを守ろう」の文字が書かれた静止画、フジテレビのロゴ入り「そのまましばらくおまちください」の静止画、河田町本社の写真に「フジテレビ JOCX-TV」の文字の静止画、青背景の「おそれいりますがこのまましばらくお待ちください」(局名表示なし)の静止画の順に表示され、中断から約1分半後に改めて『ドラゴンボール』のオープニングアニメが開始されたが、通常のシネテープ音質でなく、サウンドトラック音質で流れた。また、時間が不足し、主題歌やスタッフロールが終わらないうちに提供クレジット画面に切り換わった。CMをはさみ、アニメ本編開始後「番組のはじめに、お見苦しいところがありましたことをお詫び致します」の字幕が流された。本編開始時には通常通りシネテープから音声が送出されている。 2002年9月20日 NHK総合テレビ『連続テレビ小説 さくら』「さくら (2002年のテレビドラマ)#放送飛ばし事故」も参照 当日8時15分に、誤って翌日(21日)放送分を放送した。原因は放送用テープの取り違えおよび確認ミス。12時45分からの再放送および、BShi・BS2での放送に影響はなかった。総合テレビではニュースおよび、同日12時44分に急遽設けた特設の告知枠でお詫び放送を行ったほか、21日に、本来20日に放送されるはずだった回を含めて2話分連続で放送する対応をとった。担当職員らは2日間出勤停止・減給などの処分を受けた。 2005年3月4日 KBS京都『まじかるカナン』当日は第9話を放送予定であったが、テープのスタンバイミスにより誤って次の第10話を先行して放送してしまった。一方で、キューシートは第9話のもので進行したために番組パートの不適合が生じ、提供クレジットが遅れて表示されたり、Aパート終了後CMが流れずに画面が暗転し、Bパート開始のアイキャッチ直後に流れたりしてしまった。翌週3月11日に第9話と第10話を連続で放送する措置がなされたほか、お詫びのテロップ画面も表示された。 2011年2月1日 日本テレビ フィラー『日テレNEWS24』3時51分、日本テレビにてジャンクション終了直後から日テレNEWS24が流れず、黒画面をバックに画面左上のフィラー用の局ロゴおよび時刻表示だけが数分間表示された。その後、4時00分の『Oha!4 NEWS LIVE』(日テレNEWS24制作)開始まで『SOUND STORM』を急遽流した。なお、時刻表示などはまもなく通常表示に切り替えられた。原因は当日1時 - 7時に日テレNEWS24(CS)がメンテナンスのため停波となっていたにもかかわらず、これを失念して日テレNEWS24を編成してしまい、代替のフィラーを事前に用意していなかったことによる。なお、『Oha!4 NEWS LIVE』は予定通り『日テレNEWS24』からの裏送りで問題なく放送された。 2022年1月9日(8日深夜)毎日放送『かぐや様は告らせたい?〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』(シリーズ第2期)アニメシリーズ第2期第1話の再放送を行う予定だったが、誤って同アニメシリーズ第1期第1話を放送した。毎日放送は11日付で公表し謝罪するとともに、本来放送予定だった第2期第1話の再放送を翌週16日(15日深夜)に改めて放送することを告知した。 同じ内容を2回分放送した例1988年9月3日 テレビ朝日系列『鎧伝サムライトルーパー』名古屋テレビと同時ネット局において、第17話「明かされた鎧伝説」を2週続けて放送してしまった。 朝日放送の1日早い先行放送(9月2日17:00 - 17:30)向けに送出後、翌日に同時ネットでそれを放送すべきときに、名古屋テレビの担当者が同時ネットで放送済み(朝日放送が6日遅れネット)と勘違いしたためとされる。翌週「同じ回を流してしまってごめんなさい。これからも、どうか、応援してください。」というテロップ画面によるお詫びが流されたが、翌年1月7日放送分の同日早朝の昭和天皇の崩御による1週延期も重なり、全40話の予定であった番組が全39話へと短縮されてしまうという前代未聞の事態となった。 2019年2月20日 フジテレビ系列『めざましテレビ』内「紙兎ロペ」フジテレビと同時ネット局において、本来は第1567話「ふわとろオムライス」を放送するはずが、第1566話「町案内」を2日続けて放送してしまった。番組の最後に、三宅正治アナウンサーが謝罪した。 緊急警報放送表示時に内容を取り違えて表示した例2022年1月16日 日本BS放送(BS11)「その着せ替え人形は恋をする」2022年1月15日に発生した「2022年のフンガ・トンガ噴火」に伴い、日本時間翌16日0時15分に気象庁が津波警報・津波注意報並びに緊急警報放送を発出。この津波警報・津波注意報に伴い日本BS放送は同16日0時16分頃、放送中の番組「その着せ替え人形は恋をする」の画面に「地震情報」として字幕表示を実施するが、その内容が「6時8分頃地震がありました/この地震による津波の心配はありません/この地震について、緊急地震速報を発表しています/震度4以上が観測された地域は次のとおりです/震度5強 小笠原」との表記であり、緊急警報放送の内容に誤りがあった(緊急警報の原因が噴火ではなく地震とした誤り、事象の発生時刻の誤り、津波の有無の誤り、震度表示の誤り=この噴火による地震は日本国内では観測されなかった)。なお、同日0時17分頃から、津波警報・津波注意報を表す日本地図を画面に重ねて放送を実施した。
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