スペースインベーダー亜流のもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 01:43 UTC 版)
「スペースインベーダー」の記事における「スペースインベーダー亜流のもの」の解説
亜流を製造したメーカーは50〜80社と言われ、当時日本で亜流を出さなかったのは、『ギャラクシアン』を開発中のナムコだけだった。マコト電子工業の『スーパー・インベーダー』、ウコー・コーポレーションの『ファイティングミサイル』(スペースミサイル)、ワールドベンディングの『インベーダーウォーズ』、日本物産の『ムーンベース』、アイ・エヌ・ジ・エンタープライゼスのコピーゲームに対する損害賠償請求訴訟は、ゲーム業界初期の知的財産トラブル事例とされる。プログラムを勝手にコピーすることは犯罪であるという判例がきっかけとなり、著作権法の一部が改正された。 内容はタイトーとほぼ同じではあるが、ハードウェアやソフトウェアの全てをそのままコピーしたデッドコピーと表現するしかないような物から、ゲーム内容が似せてあるだけで中身は独自に開発した物まであった。キャラデザインやUFOの動きなどをアレンジしたもの、文字表示をカタカナにしたもの、2in1筐体で遊べる等の差別化を行った製品が出るようになり、逆に独自技術で亜流を作ったメーカーの中には、ハード的制約で完全再現できないものまで存在していた。こうしたゲーム会社の殆どは、『ブロックくずし』を作る為に創業し、『インベーダー』の亜流で会社を大きくし、ブーム後は『インベーダー』のノウハウを活かして独自のゲームを作り始めた。そう考えると、日本ゲーム業界での『ブロック崩し』は生みの親、『インベーダー』は育ての親と言える。 しかし亜流のメーカーがリメイクを制作することはまずなく、現在では亜流を遊ぶことは一部のエミュレーター筐体での稼働を除けば、ほとんど不可能といってもいい。 全種は紹介しきれないので、ここでは後にメジャーとなったメーカー、またはフィーチャーが独特で多くのプレイヤーの記憶に残ったものを抜粋して紹介する。 スペースフィーバー(任天堂レジャーシステム)。 敵の配置に3つのモードがある、敵が12列おり他社製品よりも小さい、画面上部に残機やクレジットの表示、画面下部にスコア表示など画面構成が大きく異なる、UFO撃墜時など各フィーチャー時に簡単なBGMがあるなど(ゲームオーバー時にはベートーヴェン『交響曲第9番』のワンフレーズが流れる)など、他の亜流と比べ特徴が多い。モノクロ版とカラー版があり、カラー版ではUFOが虹色表示される。ミニアップライト筐体が玩具店にリース設置されることが多かった。開発は後にファミコンを作る上村雅之、プログラムは『ドンキーコング』の池上通信機、キャラと筐体のデザインは宮本茂と、そうそうたるスタッフが揃っていた。続編として敵もUFOも分裂する「SFハイスプリッター」を出している。後に『ポケットカメラ』のミニゲームとして『スペースフィーバーII』が登場したが、そちらは『ギャラクシアン』『ギャラガ』に近い。 コスミックモンスター(ユニバーサル) 初代と『II』を出しているが、流通数は圧倒的に『II』が多いので、単に『コスミックモンスター』と言えば『II』を指す。『II』の特徴は敵の配置が下から10、10、20、20、20点となっている事で、UFO(100〜1000点)を撃ちのがすと30点の敵が補充される。 スペースアタック(セガ) 各キャラに固有の色がある(背景が青く、黒色の敵が存在する)、UFOが最後に襲撃してくる、点数が10点でなく100点単位である等の特徴を持つ。しかし名古屋撃ちが出来なかったり、最終的には初期位置が「名古屋撃ち」状態まで下がり配色の関係上モノクロモニターでの稼働に向かなかったという、導入障壁のために出回りが悪かったため、メーカーの知名度に反して人気は低かった。続編として敵をさらに複雑化した『インビンコ』を出した他、別述の『スペースフィーバー』『スペースアタック』も製造・発売していた。 スペースキング(レジャック) タイトーのキャラ、コンパネ、文字(カタカナにした)だけを変えたもの。 スペースストレンジャー(豊栄産業) 通称減点インベーダー。トーチカを撃つと50点減点される(但し0点未満にはならない)ことが大きな特徴。しかしこの減点は不評だったため、後期バージョンでは減点しなくなっている。またUFOが方向転換をして撃墜しにくくなっている。名古屋撃ちは通用しない。 スペースファイター(データイースト) 敵が14列もいる、UFOが画面上部を常に往復していて5発で破壊され(得点は、1発当てるごとに10→20→30→40→破壊され50点、あるいは5発目で破壊され200点)、タイトー版とは最も違いがある。また複数のゲームが遊べる等、筐体のバージョンも多かった。『mkII』と題されたバージョン(画面上のタイトル表記は『スペースファイター』のみ)以降は、敵を全滅させるとUFOが攻撃しながら下りてきて、最下段まで達するとゲームオーバーになる。 ムーンベース(日本物産) 基本はタイトー版の改造だが、最大の特徴は殆ど画面に出っ放しのUFOで、2プレイヤー側のレバーで移動したりミサイルを発射できる。バージョンも幾つかあり、白黒画面の『ムーンベース』、カラー画面の『ムーンベースSPECTOR』、『スペースインベーダーパートII』のコピーである『ムーンベースZETA』、サンリツ電機から発売された『メロディーパート3』と同内容の『スーパームーンベース』などが発売された。また、『ムーンベース』のアーケードフライヤーと筐体にはジョージ・ルーカス作品の『スター・ウォーズ』に登場するダース・ベイダーのイラストが無断使用されているほか、インストラクションカードには『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』に登場する白色彗星帝国のイラストが無断使用されている。1980年に発行された企業案内パンフレットには日本物産のオリジナル作品として京都の製造工場とともに『ムーンベース』が写真付きで紹介されているほか、『スペースインベーダー』のキャラクターを無断使用した日本物産直営のゲームセンターも確認できる。 メロディーパート3(サンリツ電機) この名前はインストラクションカードの表記で、デモ画面の表示には『SPACE WAR』『MUSIC INVADER』の2種類がある。各フィーチャー時に簡単なBGMがあり、例えば点滅UFO撃墜時にはピンクレディーの『UFO』、自機を失うと細川たかしの『心のこり』(歌詞の内容にかけている)などが流れる。1面クリア時に1000点以上のスコアだと、ハイスコアでなくてもネームエントリーが出来る。 ゴールデンインベーダー(シグマ) タイトーとルール上の差異は殆どない。自社の直営店のゲームセンター専用だったので、他のゲームセンターには置いていなかった。 ギャラクシーフォース(サン電子) 同名のセガのゲームやトランスフォーマーのアニメとは無関係。 スペースコンバット(ジャパンレジャー) 同社の初ゲーム作品。 シャトルインベーダー(大森電機) ビームインベーダー(テクノン工業) 詳細は「ドラキュラハンター#テクノン工業」を参照
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