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OR事典 |
K-d木
【英】:tree
与えられた点集合に基づいて
次元の空間の領域分割を表現するデータ構造である. 根に全体領域が対応し, その左右の子には第1座標に注目して左右に二等分された点集合の領域が対応する. 次に分割された左(右)点集合領域を第2座標に基づいて上下に二等分しそれぞれ左(右)の子の左右の子に対応させる. 以下同様に分割し, 領域に点が1個になったら分割を終了する. この分割法を表現したものが
-
木である.
木
【英】:tree
概要
閉路を含まない連結なグラフを木という. 連結なグラフ
に対して,
の部分グラフであって点集合
をもつ木を, グラフ
を張る木(spanning tree)といったり, グラフ
の全域木, 極大木, 全張木あるいは, 単にグラフ
の木などという. 根と呼ばれる1点が指定された木を根付き木(rooted tree)という. さらに, 根付き木は, (有向グラフとして)枝の向きに沿って根からすべての点に行くことができるとき, 有向木(directed tree)と呼ばれる.
詳説
平面上 (空間内) の幾何的な問題を解く際に対象領域を分割しながら部分領域に対応する木のノードを考えて分割の階層構造を木 (構造のデータ構造) を用いて表現する. 分割のしかたにより様々な木が得られそれぞれ特別な名前がつけられている. 計算幾何の代表的な問題である点位置決定 (point location) 問題(与えられた平面上のn点からなる直線分の平面グラフ
に対して, 質問点
が与えられたとき,
を含む面 (領域) を求める問題) および領域探索 (range search) 問題(与えられた平面上の
点の集合
に対して, 質問多角形
が与えられたとき,
に含まれる
の点を列挙する問題)を例にとり説明する.
これらの問題は, いずれも, 与えられた対象物の集合
(以下台集合と呼ぶ)に対して, 質問
が与えられたとき,
とある種の条件をみたす
の要素を列挙する問題であり, その意味で探索問題と呼ばれている. 同一の台集合
に対して, 質問(問い合わせ)が繰り返し行われることも多いので, 台集合に前処理を施して質問に高速に応答できるように工夫する. すなわち, 質問に高速に応答できるように
を計算機内で違った形(データ構造)で表現する. 実際のデータベースでもこのような工夫がなされている.
このような状況下では,
を表現するデータ構造
のための記憶領域,
を構成するための手間(および作業領域), および質問に応答している時間 (探索時間) の
つの基準に基づいて性能を総合的に評価しなければならない.
点位置決定問題に対応する1次元の問題は, 一直線上に与えられた
個の点の集合
で分割された区間の集合
に対して質問点
が与えられたとき
を含む
の区間を求める問題となる. これは,
および
を平衡探索木
で表現しておけば,
の手間で応答できる.
を構成するための手間および記憶領域はいずれも
である. さらに点集合に新しい点が付加されたり古い点が除去されたりして台集合
と
が変化するのが普通である. このときにはそれに応じて
も更新しなければならないが, この更新操作をダイナマイゼーション (dynamization) という. 1回の更新に要する手間が
のダイナマイゼーション技術が多数知られている.
領域探索問題に対応する1次元の問題は, 一直線上に与えられた
個の点の集合
に対して質問区間
が与えられたとき
に含まれる
の点をすべて列挙する問題となる. これも
を平衡探索木
で表現しておけば,
の手間で応答できる. ここで
は列挙される点の個数である. 更新の手間も
である.
次元の点位置決定問題や領域探索問題は1次元のこのような探索問題(の系列)に帰着して解かれている. たとえば, 点位置決定問題に対して有名な手法であるスラブ法 (slab method) では, グラフの頂点を通る (
軸に) 垂直な直線を引いて平面を垂直な帯に分割する. この垂直な帯がスラブ (slab) と呼ばれる. 一つのスラブ内では, 横切るグラフの線分は上下関係で一列に並べることができるのでそれを平衡探索木で表現しておく. すると, 点位置決定問題は, 質問点
に対して,
を含むスラブを二分探索で見つける. 次にそのスラブ内で平衡探索木を利用して
のすぐ上にある線分を求め, その線分を境界にもつ下の面を
を含む領域として求めればよい. これは2次元の問題を
個のスラブでの問題(1次元の問題)に帰着していると見なせる. 応答の手間は
となるが, 必要とするデータ構造を構築するための手間と記憶領域は
となる. これに対して, サーナクとタージャン (Sarnak-Tarjan) の残存化スラブ法 [2] では,
座標の値を時刻と考えて, 連続する2つのスラブの構造の変化が定数であることに注目して, 過去に遡っても探索が可能になるようにデータ構造に工夫をしている. これは点位置決定問題に対して, 理論的に最適なアルゴリズム (前処理時間
, 記憶領域
, 応答時間
) の一つである.
領域探索に対しては多角形は軸に平行な辺からなる長方形の場合が多く, そのときにはk-d木 (
-
tree), 四分木 (quadtree), 領域木 (range tree) などのデータ構造が有効である.
領域木は平面上の点集合の領域を
座標の中央値に基づいて二分割を繰り返してできる分割に対応する二分木で, 各ノードには対応する対象領域内にある点をすべて記憶しておく. すなわち区間木 (interval tree) の各ノードに対応する
区間に入る点を平衡探索木などで記憶しているものである. すると
軸に平行な質問長方形
が与えられたとき,
の
区間が区間木の分割に対応して互いに共通部分をもたない区間の和集合として表現されるが, そのような区間に対応するノードで一次元の領域探索をすることで
に含まれるSの点を効率的に列挙できる.
-
木は
次元の空間の領域分割を表現するデータ構造の一つであり, 2次元の場合では, 根に全体領域が対応し, その左右の子には
座標に注目して左右に二等分された点集合の領域が対応する. 次に分割された左(右)点集合領域を
座標に基づいて上下に二等分しそれぞれ左(右)の子の左右の子に対応させる. 以下交互に繰り返して対応する領域に点が1個になったら分割を終了する. この分割法を表現したものが2-
木である.
次元のときは,
座標,
座標,
,
座標といってまた,
座標に戻り循環しながら分割していったものを表現する. これに対して, 四分木は
次元平面の領域分割を表現するデータ構造で, 根に全体領域が対応し, 根の
つの子には
座標の中央値および
座標の中央値を通る水平線および垂直線をひいて四分割された部分領域が対応する. さらにそれぞれの子
に対応する部分領域を同様に水平線および垂直線で四等分して
の4つの子に対応させる. このようにして得られる分割を表現するデータ構造が四分木である. 分割された領域に対象物がなくなると分割を停止する.
-
木も四分木も探索は同様で,
軸に平行な質問長方形
が与えられたとき,
と共通部分をもつ領域に対応するノードで1次元の領域探索をすることで
に含まれる
の点を効率的に列挙できる.
八分木 (octree)は3次元空間の点の集合の分割を表現するデータ構造で, 3次元の領域探索などに用いら, 2次元平面における四分木に対応する. 計算幾何の様々な探索問題に対するアルゴリズムとその詳細については文献 [1] を参照のこと.
[1] 伊理正夫監修, 腰塚武志編集, 『計算幾何学と地理情報処理(第2版)』, 共立出版, 1993.
[2] N. Sarnak and R.E. Tarjan, "Planar Point Location Using Persistent-Search Trees," Communications of the ACM, 29 (1986), 669-679.
| 組合せ最適化: | 最小木問題 最短路問題 最適性の原理 木 板取り問題 混合整数計画 確率アルゴリズム |
| グラフ・ネットワーク: | 最短路問題 最近近傍法 有向グラフ 木 枝 点 点連結度 |
| 計算幾何: | 最近傍グラフ 最近点対 最遠点対 木 極変換 点ボロノイ図 点位置決定 |
ウィキペディア |
TREE
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/07/02 18:36 UTC 版)
| TREE | ||||
|---|---|---|---|---|
| CHAGE&ASKA の スタジオ・アルバム | ||||
| リリース | 1991年10月10日 | |||
| ジャンル | ポップ/ロック | |||
| レーベル | ポニーキャニオン | |||
| プロデュース | CHAGE&ASKA GO YAMAZATO |
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| チャート最高順位 | ||||
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| ゴールド等認定 | ||||
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| CHAGE&ASKA 年表 | ||||
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『TREE』(トゥリー)はCHAGE&ASKAの16枚目のオリジナルアルバム。1991年10月10日発売。
目次 |
解説
決まっていた発売日を延期させ、一度完成されていたアルバムに2曲を加え、一部ボーカルの差し替えを行い、ミックスの再調整を経て、ようやく完成された。
初動売上99万枚、これは当時のアルバム初動売上としては歴代一位であったが、一ヵ月後に松任谷由実の『DAWN PURPLE』に抜かれる。
大ヒットになったシングル「SAY YES」も収録されたことも相まって、アルバム発売の翌週にはミリオンセラーになり、1991年当時のアルバム最高セールスを記録した。
1ヵ月後には「僕はこの瞳で嘘をつく」もシングルカットされ、アルバムのダイジェスト版が「TREE Digest」というタイトルでカップリングに収録されている。
収録曲
- 僕はこの瞳で嘘をつく
(作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:十川知司)- 28枚目のシングル曲。アルバム発売の1ヵ月後にシングルカットされた。
- SAY YES
(作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:十川知司)- 27枚目のシングル。フジテレビ系ドラマ「101回目のプロポーズ」の主題歌。
- 特に明記は無いがシングルVersionとは異なったMixになっている。
- クルミを割れた日
(作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:十川知司)- レコーディングされた後に、ASKAがコードの展開に納得ができずに、アルバム収録曲から外そうと提案したが、スタッフから推され、収録されることになった。アルバム発売後にもASKAが完成されていない印象を持ったために、ライブでは披露されなかった。セルフカヴァーアルバム『STAMP』でリメイクされた際にはその箇所は修正されている。
- CAT WALK
(作詞・作曲:CHAGE、編曲:村上啓介)- 4ビートのリズムパターンのマイナー調の楽曲。歌詞は三人称で書かれている。
- 夜のうちに
(作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:澤近泰輔) - MOZART VIRUS DAY
(作詞:飛鳥涼、作曲:CHAGE&ASKA 、編曲:飛鳥涼・澤近泰輔)- 前半のAメロディ、BメロディをCHAGEが作曲し、後半のメロディをASKAが作曲した。前半はスローテンポで、後半のメロディからアップテンポのリズムに変わる。
- 誰かさん 〜CLOSE YOUR EYES〜
(作詞・作曲:CHAGE、編曲:十川知司) - 明け方の君
(作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:十川知司)- 8ビートの曲。夢の中に出てくる昔の恋人の思い出をテーマにした、ストーリー性のある作品。
- CATCH & RELEASE
(作詞・作曲:CHAGE、編曲:澤近泰輔)- 釣り用語のキャッチアンドリリースをタイトルにしている。釣った魚をそのまま逃すという行為を、男女関係に置き換えている。韻を踏んだ遊び心のある歌詞になっている。
- BAD NEWS GOOD NEWS
(作詞:青木せい子、作曲:CHAGE、編曲:十川知司) - BIG TREE
(作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:飛鳥涼・澤近泰輔)- アルバムの核になっている楽曲であり、人生を大きな木になぞらえて、”まっすぐに生きる”ことを歌っている。人間の根底にある生命力をテーマにしている。
- tomorrow
(作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:佐藤準)
映像作品
レコーディング中にアルバムの収録曲からビデオクリップを作る企画が持ち上がり、オーストラリアのシドニーやブロークンヒルで撮影が行われ、同名のPV集がVHS・LDで発売された。
収録曲
- SAY YES
- CATCH & RELEASE
- 夜のうちに
- 僕はこの瞳で嘘をつく
- BIG TREE
- はじまりはいつも雨
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| この「TREE」は、アルバムに関連した書きかけ項目です。加筆、訂正などして下さる協力者を求めています。(P:音楽/PJアルバム) |
木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/25 23:52 UTC 版)
(tree から転送)
木(き、英: tree, woody plant, arbor)とは、
目次 |
概説
「き」「木」や「tree」というのは古代から用いられてきた呼称・概念である。
現代では、「木」は高木と低木の総称である[2]とも、木は大きさによって高木(喬木 きょうぼく)と低木(灌木 かんぼく)に区別する[1]、とも 。 「木・樹」と言って、たちき(立木)を指していることもある[2]。また「木・樹」と言って、特に高木を指す場合もある。
現代の植物学では(素朴な言葉として用いられている「木」という語を避け、学術的な用語を用いる場合)「木本植物」という用語で呼んでおり[1]、これは「草(草本植物)」と対応(対比)する語である[1]。
硬い幹をもち、幾本もの枝があり、地面に根を張り、生長する。幹は木質化し、次第に太く成長する。枝の先には葉と芽を付け、花を咲かせ、主に種子をもって繁殖する。
高さは、高いものではたとえばオーストラリアのユーカリの一種のように130mほどに達するものがあり、小さいものではコケモモやヤブコウジのような例がある[1]。
高木が集まってできた植物社会が森林であり、地球の陸地のほぼ半分は森林で占められているものの、近年は伐採(森林破壊)が進行中である[1]。
木は古来、人間の生活・文化と密接な関係があり、洋の東西を問わず祭祀に何らかのかかわりを持っている[1]。
学術的な定義を巡って
大多数の専門家が同意するような明瞭な植物学的な定義は提唱されていない。
たとえば岩波生物学事典の【木本】の項では「茎および根において肥大成長により多量の木部を形成し、その細胞壁の多くが木化して強固になっている植物。草本と対する」としている[3]。ただし、この定義に厳密に従えば木かどうか迷うパパイヤなどはもちろん、ナス、キクなど一般には「草」として扱われる多くの植物が木になってしまう。しかも、これらも種に固有の性質ではない。ナス科、キク科、マメ科、アブラナ科などには、通常は草として生育しているが、条件がそろえば枯れることなく連続的に生長し、軸を肥大・木化させる種もたくさんある。例えば、ナスやトウガラシは温帯では草であるが、熱帯・亜熱帯では明瞭に灌木に分類される性質を示す。
一方で明瞭な茎の肥大が認められないモウソウチク、ココヤシなどは、その地上部は強固かつ10mを超える「高木」になるが、木には分類されない。葉が合わさって(偽茎)丈が高くなるバナナや、根が茎を補強することにより高くなるヘゴなども数メートル以上の「大木」になり、成長に従って「幹」が太くなるが木には分類されない。
他によくされる議論としては以下のようなものがある。年輪ができる植物を木(木本類)、できない植物を草(草本(そうほん)類)と定義する。ところが、「パパイアの木」には年輪ができないので、「草」に分類される。ただし、年輪は、季節による寒暖の変化や、乾燥・湿潤の変化により組織の生長スピードが変化した結果生じるから、明らかに木であっても、連続的に生長する条件(熱帯雨林のように、1年を通じて寒暖等が変化しない環境で生長した場合など)では、年輪はできない。
さらに別の見解として、木とは非常に厚くなった細胞質を持つ死んだ細胞により生体が支持されている植物である、とするものがある。細胞が非常に厚い細胞壁を発達させ、死んで生体の支持に使われるようになることを木化、あるいは木質化という。具体的にいうと、いわゆる木材は、主として道管から成り立っているが、この道管は細胞壁が厚くなって、最後には細胞そのものは死んで、残った細胞壁がパイプの形で水をくみ上げる仕事を続けるものである。そのような部分をもつ植物が樹木だ、という判断である。上述の竹やココヤシなどはこれによれ履きと見なされる。
しかし、現実にはほとんどの維管束植物で道管や仮導管の細胞壁は二次壁により肥大するため(つまり程度もの)、なにをもって「非常に厚い細胞壁」とするかは完全に恣意となり、厳密に適用すればほぼ全てが木に分類されてしまう。
上田弘一郎京大名誉教授(世界の竹博士)は『竹は木のようで木でなく、草のようで草でなく、竹は竹だ!』と力説していた[4]。 つまり、この発言も示すように専門家でも維管束植物を木か草に2分類するような定義は策定・同意しかねるものである。
進化的意味
木は陸上植物のみに見られる植物の形である。水中の植物にもコンブのように大きくなるものはあるが、それらは柔軟で細長い構造をしており、幹のような構造を持たない。これは、水中では体を支える必要がないこと、逆に陸上ではそれを支える仕組みなしには生存できないことによる。陸上生活を行うために、植物は空気中で広げられる葉や、それを支える茎、それに体を固定し保持し、水を吸い上げる根を発達させた。そのことで体を空中に突き出すことができるようになったことが、今度は他者より高い位置に出てその上に葉を広げる競争を生み出したのであろう。そしてこれを大規模に行うための適応が、木質化や肥大成長であり、それを支える根もさらに発達し、そのような構造を獲得することで植物は地上でもっとも背の高い生物となり得た。また、胞子による繁殖から種子の形成に至る生殖方法の進化は、自由な水に依存しない生殖を確保する方向の進化といわれるが、同時にそのような構造が地表をはるかに離れた枝先に形成されるようになったことの影響も考えられる。
生態学的意味
樹木は、それが可能な条件下では、ほとんどの陸上環境において、その地で最も大きくなる植物である。樹木が生育すれば、それによって地面は覆われ、その下はそれがない場合とははるかに異なった環境となる。これによって形成される相観、あるいはそこに見られる生物群集を森林という。したがって、樹木の生育は、ある面でその地域の生物環境の重要な特徴を形成する。気候や生態系をそこに成立する森林の型で分けるのはそのためである。
また、樹木は、その体を支持するために太くて固い幹を持つ。この部分はその群集、あるいは生態系における生物量の大きな部分を占める。つまり、木は生産物を多量に蓄え、保持するという点で、極めて特異な生産者である。その資源の大部分はセルロースとリグニンという、いずれも分解の困難な物質であり、しかも頑丈で緻密な構造を作るため、これをこなせる生物は少ない。菌糸をのばし、その表面で消化吸収を行なうという生活の型をもつ菌類は、この資源を利用して進化してきたという面がある。それを含めて、この資源を巡っては、分解者と呼ばれるような、独特の生物の関わりが見られる。そこに生息する動物にも、シロアリやキクイムシなど、菌類や原生生物との共生関係を持つものがある。
他方、太くて高く伸びる茎や、細かく分かれた枝葉は、他の生物にとっては複雑で多様な構造を提供するものであり、生物多様性の維持に大きな意味をもつ。また、森林において、生産層は樹木の上部に集中する。しかし、それら地上に離れ離れに存在する幹から伸びたものである。したがって、ここを生息の場とする場合、場所を変えようとすれば、飛ばない限りは、一旦地上におりなければならない。これは大変なエネルギーロスである。動物の飛行や滑空の能力の発達は、ここにかかわる場合も多いと考えられる。
分類学的意味
樹木になる植物は、シダ植物と種子植物のみである。コケ植物には樹木はない。
シダ植物には、古生代にはリンボクなど多数の樹木が存在したが、それらの子孫はごく小型の草本として生活している。現在のシダ類で大型になるのは、ヘゴなど、いわゆる木生シダ類である。ただし、その茎は材としては不完全で、表面を覆う根に支えられている。
裸子植物の祖先とされるシダ種子植物も大型で、裸子植物のほとんどが木本である。中生代の地上を覆ったのは、裸子植物の森林であった。それ以降は、その後に出現した被子植物に、多くの場所で取って代わられ、裸子植物は、寒冷地などにその勢力の多くを保持している。
被子植物は木本のものも草本のものもあるが、どうやら草本の性質は木本から二次的に出現したと考えられている。特に双子葉植物に木本のものが多い。非常に多くの群があるが、森林の形成から見ると、ブナ科植物が重要である。
単子葉植物には、普通の意味での木本はなく、いずれも特殊な構造をしている。ヤシ科、タコノキ科などは木本である。イネ科のタケは木本・草本どちらとも取れる。
人間と木
文化
木は古代から豊穣なイメージを提供している主題であり、現代でもそうありつづけている。
木は、自然の事物のうちでもっとも豊富でもっとも広範囲にわたる象徴をもつ主題のひとつだ、と飯島・濱谷らは指摘している[5]。人類のあらゆる時代、あらゆる地方の文化で木は主題として現れるが、それを大まかに要約すると、中心軸、生命と豊穣、元祖のイメージ、に大別することも可能であると飯島らは指摘した[5]。分類のしかたは他にもいくつもあろうが、ここでは便宜的にそれを採用して説明を進めてみる。
- 中心軸
樹木は、多くの民族の文化において、地と天空をつなぐ axis mundi(宇宙軸、世界軸)と考えられた[5]。ミルチア・エリアーデはこれを《中心のシンボリズム》と定義した[5]。こうした宇宙軸の観念は、紀元前4000~3000年ころにはすでにあり、樹木にかぎらず柱、棒、塔、山などは、みな同様のシンボリズムを共有していたのである[5]。樹木というのも根が地下に張り枝は天空に伸びるためにそのシンボリズムを共有していたのである[5]。
代表的なものとして扱われているものに、スカンジナビアに伝わる《エッダ》でうたわれたイグドラシルがある[5]。
ゴール人はオーク、ゲルマン人は菩提樹、イスラム教徒はオリーブ、インド人は「バニヤン」と呼ばれるイチジク、シベリアの原住民族はカラマツを、それぞれ聖なる木として崇拝していた[5]。これらの木は、世界の軸、つまり天と地が結ばれる場で神性の通り道としてされたのである[5]。
- 生命力と豊穣のシンボル
木は豊穣な生命力、生産力の象徴となってきた[5]。これは上述の中心のシンボリズムと一体化し分かち難いこともある(《セフィロトの木》、エデンの中心に立つ《生命の樹》など)[5]。
インドでは、樹液は地母神の乳とされ、すべての木を流れ果実をみのらせるソーマあるいはアムリタである[5]。古代西アジアでは大地の女神イシュタルの恋人は植物神の木であり、イシュタルと木がヒエロス・ガモス(聖婚)を行うことによって大地は春の再生と冬の種子ごもりを繰り返す[5]。
聖書(キリスト教)では、エデンの中心に生命の樹と知恵の樹が並んでいたが、これらはしばしば一本の木や並び立つ木として表現され、人間の生と死を象徴する[5]。またキリスト教では、十字架はしばしば永遠の生命を表す一本の木として表現されている[5]。
- 元祖のイメージ
『イザヤの書』の11章に描かれる《エッサイの木》はユダヤ人の歴史を象徴している[5]。そしてこのエッサイの木は中世のキリスト教で数多く表現されたイメージであり、エッサイの腰から生えた木には、マリアとキリストが実っている[5]。ここから、ひとりの男の体から育つ木のイメージによって元祖や祖型およびそこから分岐・発展してゆくさまを図示する伝統が生じた[5]。
- 現代の想像力への寄与
木は近・現代でも人間の想像力をつねにかきたててきた[5]。
シュルレアリストのエルンストは森の連作を描いたが、これはロマン派と中世神秘主義を継承したもので、文明に侵されない人間精神の根源を象徴するという[5]。モンドリアンも、木の連作により宇宙的シンボリズムを抽象化した[5]。クレーとカンディンスキーは木を芸術的創造のプロセスにたとえた[5]。
大江健三郎は木を主題とする一連の作品の中で宇宙樹のシンボリズムにふたたび力を与えた[5]。
- 他
(上記にも関連する面もあるが)特に大きな樹木を神聖視して、これを祭り崇めることを巨木信仰という。天に届く木や、世界を支える木に関する神話伝説があちこちに見られる。単独の樹木ではなく、森林、あるいはそれを置く山を信仰の対象とする場合もある。
- 日本
日本では神社には鎮守の森があり、さらに神木がまつられることもある。
日本語の植物名は、サカキ、エノキ、ヒノキ、ケヤキ、ツバキ、イブキ、ミズキ、サツキ、アオキ、エゴノキ、マサキ、カキ、ウツギ、ヤナギ、ヤドリギ、スギ、クヌギなど、「キ」または「ギ」で終わるものが少なくない。
関連
木材
木は製材され、木材となり、建築材や家具、さまざまな道具の材料として利用される。材木の供給を求めての人工林も作られる。内装に無垢材を使用した家はシックハウス症候群対策に再び見直されはじめた。また、木の香りにはリラックス効果が認められている。
また、人類の歴史のはじめから、燃料としても利用されてきた。木を蒸し焼きにして炭化することで、燃料としての有用性を高めたのが炭(木炭)である。
現代社会では、紙の原料としての用途も重要である。
他
生きた木は木陰を作り、風よけとなり、食糧を供給してくれる種もあり、心に潤いを与えるので、人家周辺に木を植える事は世界に広くおこなわれている。地域によってその有り様は様々である。
潤いと木陰を求めて樹木を栽培することもよく行なわれる。町の中に植栽されたものを街路樹、特に道路ぞいに植えられたものを並木、庭の仕切りとするものを生垣、家を覆うように作られるのが屋敷林といったふうに、様々な呼び名がある。
種類
脚注
- ^ a b c d e f g 平凡社『世界大百科事典』vol.6, p.528【き 木】岩槻邦男 執筆箇所。
- ^ a b c 『広辞苑』 第五版 p.620, 「き 【木・樹】」
- ^ 『岩波 生物学事典』第四版、p.1403【木本】
- ^ 尾池和夫 (2007年4月1997日). “京都大学-大学の紹介/総長室 2007年4月6日 大学院入学式 式辞”. 2008年4月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 平凡社『世界大百科事典』vol.6, p.528-529 【き 木】 飯島吉晴および濱谷稔夫 執筆箇所
関連項目
固有名詞の分類
treeに関連した本
- HAPPY TREE FRIENDS (e-MOOK) (e-MOOK 宝島社ブランドムック) 宝島社
- Girly TREE/YUKI YUKI ソニーマガジンズ
- バンドピース779 TREE CLIMBERS by 木村カエラ フェアリー