尻別川
羊蹄山の清水を集めた清流尻別川
尻別川は支笏湖流域との分水界となるフレ岳の西方に源を発し、 流域のほぼ中央にそびえる羊蹄山を大きく迂回し、幾多の支川を合流して日本海に注ぎます。流路延長126㎞、流域面積1,640 km2の後志地方最大の河川で、清澄で豊富な水は多様な生物の生息・生育環境を保全し、農耕地を潤し、狭窄部の激流は発電用水として利用され5町2村の人々の生活を支えてきた母なる川です。 |
蘭越町市街地を流れる尻別川 |
河川概要 |
| ○拡大図 |
1.尻別川の歴史 |
"尻別川は清流河川であり、今後もこの水質を保持していく必要があります。かつて洪水被害が相次いだが、河川改修で安全度が向上し、更にアユやカワヤツメの産卵床を保全するなど、多自然型川づくりが推進されています。尻別川は水量が安定しており、古くから水力発電が行われ、現在、6箇所の発電用取水堰があります。" |
特有の歴史、先人の知恵の活用 |
明治30年頃の実情では尻別川はサケ・マス等の魚が豊富で、「春マスの時期には仕事前に川に網を掛け、昼休みに上げにいくとマスがドッサリ掛かっている。」「ヤマベは小川にもたくさんいて、簡単にザルですくえた。」「ヤツメウナギは昼休みにとりにいき、石油缶に一杯とることもある。川底はヤツメがたくさんいて、海の底に昆布が動いている様であった。」「川に棒を立てても倒れない程、サケ・マス等の魚が多くいた。」等と言われるほどで、当時の生活に不可欠な存在とされていました。 大正2年頃の話では洪水は毎年5月一杯まで続き、堤防が無いことから、一度洪水になると、家屋の天井まで浸水し、屋根裏へ上って避難したと言われています。改修工事を進める際には治水の安全度の確保はもとより、自然環境との調和に配慮した多自然型川づくりを推進し、アユやカワヤツメの産卵床を保全するなど、動植物の生息環境に配慮した河川改修に努めています。
尻別川流域での水稲試作は明治10年頃で、現在の米所である蘭越方面は比較的早い時期に試作され、明治30年代には僅かであるが水田化が進んでいました。なお、その他の地域は「水田不適地」のレッテルが張られるほどで、度重なる水害に見舞われることもあり、尻別川の水は「無用の長物」扱いとされた時期があるものの、川の水量が安定していることから、尻別川を利用しての水力発電が行われ、現在では6箇所の発電用取水堰が設置されています。
|
2.地域の中の尻別川 |
"尻別川の清流はらんこし米や馬鈴薯の農作物のほか、サクラマスやアユの生産など、地域の産業経済を潤しています。また、ラフティングやカヌー、ランラン公園やふきだし公園など、川を通じた人々の交流が図られています。" |
地域社会とのつながり
羊蹄山の湧水や良好な水質を保持している尻別川は、流域を代表するらんこし米や馬鈴薯、アスパラ等の農作物が育ち、日本海沿岸のサクラマスの種苗河川であることやアユ・カワヤツメの内水面漁業が営まれていることで、地域の産業経済を潤しています。
尻別川の高水敷は蘭越町の「ランラン公園」や倶知安町の「尻別川リバーパーク」等がパークゴルフ等のスポーツや河川敷の散策、河川で行われるイベントの会場として利用され、地域住民の健康増進と世代間や他市町村との交流が図られる場となっています。
一方では尻別川の利用における河川のルールづくりを関係団体等において、積極的に作業中であるとともに、恐さを知って川と親しめるような利用者意識の啓発も進めていくこととしております。 |
3.尻別川の自然環境 |
"尻別川は羊蹄山、ニセコ山系などの豊かな自然と優れた自然景観に恵まれ、イトウをはじめとする動植物が多数生息しています。この良好な生息環境を水質も含め、自治体や地域住民、NPO法人等と協力し、保持するように努めていきます。" |
河川水辺の国勢調査にて尻別川で確認された動植物は、植物では羊蹄山などを中心に高山植物が植生しており、尻別川を中心とする河川敷に生育する植物はハマハコベやオニスゲ等の着目種です。
特にイトウは尻別川を代表する重要な種に位置付けており、地域住民の関心も高く、種の保護団体が組織されているほか、河川管理者としても生息に配慮した事業展開をしていくこととしています。
|
4.尻別川の主な災害 |
(注:この情報は2008年2月現在のものです) 尻別川出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 00:47 UTC 版) 尻別川(しりべつがわ)は、北海道胆振総合振興局管内および後志総合振興局管内を流れ日本海に注ぐ一級河川。尻別川水系の本流である。
[続きの解説] 「尻別川」の例文・使い方・用例・文例固有名詞の分類
辞書ショートカット カテゴリ一覧 すべての辞書の索引 「尻別川」の関連用語
検索ランキング 尻別川のページの著作権
ビジネス|業界用語|コンピュータ|電車|自動車・バイク|船|工学|建築・不動産|学問
©2024 GRAS Group, Inc.RSS |