矢部川とは?

やべ がわ -がは 【矢部川】 ◇

福岡県南部,耳納(みのう)山地や筑肥(ちくひ)山地付近を源とし,西流南西流し大牟田市の北で有明海に注ぐ川。上流には日向(ひゆうがみ)峡の景勝地がある。

矢部川

いのちを育む川~矢部川
矢部川は、その源を福岡県八女郡矢部村三国山に発し、日向神峡谷の渓流をあつめ西流したのち、山間離れ八女市において最大支川星野川合わせ、更に支川辺春川白木川等を合流し、基準地点船小屋下流沖端川分派筑紫平野蛇行しながら途中支川飯江川楠田川合わせ有明海に注ぐ、幹川流路延長61km、流域面積620km2一級河川である。

筑後市を流れる矢部川
筑後市流れる矢部川

河川概要
水系矢部川水系
河川矢部川
幹川流路延長61km
流域面積620km2
流域内人182,889人
流域関係都県福岡県

矢部川流域図
○拡大図
1.矢部川の歴史
"矢部川の歴史は、古くから治水利水に意が注がれていました。特長として挙げられるのは、用水堰と廻水路工事あります。矢部川にかんがい用水求めた関係で、右岸有馬久留米左岸立花柳川)の両藩間の水争いが生じました。もう一つ特長は、強固石積の「水刎」は、今もなお所々昔のままで見られます。"

矢部川の歴史先人の知恵活用

矢部川は福岡県有数河川であって古くから治水及び利水に意が注がれていたことは、古書あるいは現在もなお昔日面影をとどめている河川工作物などによって容易に推察されます。
【水刎】
水刎(みずはね)
まず目につく施設は、きわめて強固石積みの「水刎(みずはね)」で、今日もなおところどころに昔のままの姿で見ることができます。矢部川をはさんで、右岸有馬久留米左岸立花柳川)の両藩が対立していた関係で、相手側に向かって水勢をはねだすために、互いに競って構築したものです。もう一つ特徴用水堰とそれに関連する水路工事(かいすいろこうじ)であり、この川の流域早くから開拓され、そのかんがい用水を矢部川に求めた関係で、松原堰、花宗堰、唐の瀬堰、黒木堰等の大規模用水取入堰等が、地元両藩間の激し水争いや、施工上の困難な問題をおして完成されました。そしてこれらの堰の設置により、必然的に内水問題、および堰防衛のための施設等の問題発生しました。
矢部川の藩政時代治水利水先人者として田尻総馬(たじりそうま)があげられます。総馬(そうま)は、元禄より享保にかけての30余年間、利水土木有る限りの力を注ぎ、彼の千間土居(せんげんどい)工事は、昼夜兼行突貫工事で、夫役苦労なみなみならぬものがありました。工事着手する前に降雨の際は、独り半切りを浮かべてそれに乗り流れ任せ水流緩急をよく調査し、また、水の勢い激しい所には「羽根(はね)」を築いてその水流
【千間土居】
千間土居(せんげんどい)
勢いを、久留米領である対岸堤防激しく当たるように、新工夫提案しました。このような施設は、隣の藩、久留米領に迷惑を及ぼすことは明らかであり、工事はごく秘密に、しかも綿密かつ迅速に遂行されなければなりません。また、工事中は、数人の侍を変装させて、久留米領内侵入させ、常に警戒を怠らず、他藩に対して用心と、仕事のむずかしさは、生やさしいものではありませんでした
矢部川の上流、山下から北田に至る長い堤防には、青々と茂った大木が天にそびえており、その壮観さは見事であります。これは、総馬(そうま)が築いた堤防に、苗木手植えしたもので、この堤防により住民洪水の災を受けることなく、彼の偉業心から敬意を表し感謝しています。
2.地域の中の矢部川
"矢部川は、福岡県西南部に位置し、4市10町216市町村またがり大和町において有明海に注いでいます。そのため市町村地形特性気候条件適応した産業盛んに行われています。このような地域特性の中で、市民団体では、積極的な活動が行われています。"

矢部川と地域社会つながり

矢部川は、その流域福岡県西南部に位置し、4市10町216市町村またがり大和町において有明海に注いでいます。流域主な産業は、黒木町八女茶立花町山川町ミカン栽培瀬高町酒造業有明海ノリ養殖加工業など、地形特性気候条件適応した産業盛んに行われいます。
【日向神ダム】
日向(ひゅうが)ダム
矢部川流域は、利水対す関心が高い地域であり、歴史的観点からみても「水争い」が激しく井堰造り川の水領土内に引き込んではもどす水路(かいすい)が計十箇所もつくられており、このような」を巡る状況は、江戸時代はもちろん、明治大正になっても変わらず、上流日向(ひゅうが)ダム出来るまで続いていました。
河川利用については、上流域では水力発電として現在4箇所発電所があり、中下流域では耕作かんがい用水として利用されています。
また、」を主体とした淡水漁業行われており、さらに、矢部川より分派沖端川流れは、水郷のまちとして全国的にも知られている”柳川川下り”にも利用されています。
【柳川の川下り】
柳川川下り
このような地域特性の中で、市民団体積極的な活動を行っています。また、グラウンドワーク住民企業行政の3者がお互いに協力通して身近にある自然環境社会環境を豊かにしていく)活動通して自然環境改善環境教育福祉支援様々な環境改善を行っているNPO法人等の存在は、地域住民河川関心を持つ足がかり作る役割を果たしています。
3.矢部川の自然環境
"矢部川流域は、自然豊かな環境を有しており、中、上流域及び星野川一部は、県立自然公園指定されており、船小屋付近クスノキ及びゲンジボタル上流域に位置する黒木町の大フジが国の天然記念物指定されています。また、上流域の日向渓谷周辺には、豊かな自然が残されています。下流域の瀬高堰下流には、貴重な延性植物見られ河口付近は、有明海特有の干潟形成しています。"


矢部川は、その源を福岡、大分、熊本の3県にまたがる三国山標高994m)に発し、日向渓谷(ひゅうがけいこく)の山あいに流下し、八女市において最大支流星野川合わせ、さらに辺春川(へばるがわ)白木川飯江川(はえがわ)等を合わせながら、また、山ノ井川花宗川沖端川(おきのはたがわ)分派しながら有明海に注いでいる。その流域は、福岡県八女市筑後市柳川市等)の4市10町216市町村からなり流域面積620k幹川流路延長61km、直轄管理区間19.6kmの福岡県有数河川です。
【クスノキ林】
クスノキ
矢部川の中上流域及び星野川一部は、県立自然公園普通地域)に指定されており、船小屋付近クスノキ及びゲンジボタル天然記念物指定されています。
上流域には、日向渓谷(ひゅうがけいこく)呼ばれる神々伝説秘め大岸壁や白糸の滝等があり、この周辺には豊かな自然が残されており、鳥類昆虫類多く生存しています。また、日向渓谷(ひゅうがけいこく)下り黒木町立花町を過ぎて、八女市に至る区間は、矢部川沿川に集落果樹園間近に迫る渓流区間であり、近くには国の天然記念物指定されている黒木町の大フジ見られます。
船小屋温泉を含む市街地耕作地広がる平野部流れ中流域は、河岸クスノキ竹林帯状分布しており、水際にはヨシツルヨシ群落点在し、一部にはマコモ群落見られます。この樹林帯存在により、山野生息する鳥類昆虫類多く見られます。また、河原中洲形成されていることから、砂礫地を好むシギチドリ類が生息しています。河道内は、瀬淵の変化に富んでおり、瀬や淵を好むオイカワウグイ生息し、瀬はアユ産卵場にもなっています。初夏には清流を好むゲンジボタル成虫出現し、穏やかな流れは、水遊びの場としても利用されています。そのほか船小屋付近では、ゲンジボタル生息配慮した護岸工事が行われており、松原堰上流の津島地区では、筑後川広域公園考慮した多自然型川づくりが行われています。
【ゲンジボタル】
ゲンジボタル
下流域の瀬高堰下流は感潮区間となるため、アイアシ群落前面には、貴重な塩生植物見られます。また、水域では汽水域生息するエツ見られます。また、矢部川河口付近は、有明海特有の河口干潟形成しており、他の地域では見られないムツゴロウトビハゼ等、干潟特有の魚介類生息しています。この河口干潟には、多く水鳥訪れサギ類やカモメ類の干潟沿岸部生息する鳥類見られます。このほか、瀬高堰上流には、ヨシアイアシオギ等のイネ科草本の大規模群落見られホオジロ類やオオヨシキリ草地を好む鳥類多く出現します。河道内は、緩やかな区間多く流れの緩やかな場所を好むハス生息しています。
4.矢部川の主な災害


発生発生原因被災市町村被害状況
昭和28年6月梅雨前線矢部川流域既往最大
詳細不明
平成2年6月梅雨前線大和町高田町瀬高町山川町床下浸水1,662
床上浸水484

(注:この情報2008年2月現在のものです)

矢部川

読み方:ヤベガワ(yabegawa)

所在 福岡県

水系 矢部川水系

等級 1級


矢部川

作者中薗英助

収載図書南蛮仏
出版社新潮社
刊行年月2002.6


矢部川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/22 03:48 UTC 版)

矢部川(やべがわ)は、福岡県の南部を流れる一級水系の本流である。




[ヘルプ]
  1. ^ 矢部川水系河川整備基本方針[1]より


「矢部川」の続きの解説一覧





矢部川と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

矢部川に関連した本

辞書ショートカット

カテゴリ一覧

全て

ビジネス

業界用語

コンピュータ

電車

自動車・バイク

工学

建築・不動産

学問

文化

生活

ヘルスケア

趣味

スポーツ

生物

食品

人名

方言

辞書・百科事典

すべての辞書の索引

「矢部川」の関連用語

矢部川のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング

画像から探す

神通川

高瀬川

肝属川

十勝川

沙流川

最上川

天塩川

大井川





矢部川のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
三省堂三省堂
Copyright (C) 2001-2017 Sanseido Co.,Ltd. All rights reserved.
株式会社 三省堂三省堂 Web Dictionary
国土交通省河川局国土交通省河川局
Copyright© 2017 MLIT Japan. All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの矢部川 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2017 Weblio RSS