多自然型川づくりとは? わかりやすく解説

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多自然型川づくり (たしぜんがたかわづくり)

 水辺多様な生物環境として位置づけ治水上の安全を確保しつつ、人間生活と調和する豊かな自然の保全創造配慮した川づくりを目的とした、国土交通省河川改修事業河川改修等に当たって、瀬と淵を保存または再生し川幅広くとれるところは広くし、法勾配緩勾配とし、植生自然石利用した護岸採用するなど自然の川の持つ構造的な多様性尊重した工法採用している。

多自然型川づくり (たしぜんがたかわづくり)

多自然型川づくりとは、地水上の安全性確保した上で草花や緑にあふれ、昆虫などさまざまな生き物育む多様豊かな自然環境保全創出し再生することを目指す川づくりのことです。例えば、魚類生息重要な瀬と淵の創出、木や石を用いた空隙のある多様な水辺環境創出護岸表面覆土等による緑化などです。

多自然川づくり

(多自然型川づくり から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/30 17:45 UTC 版)

多自然川づくり(たしぜんかわづくり)とは、1989年度から旧建設省(現在の国土交通省)が実施している河川事業の一つ。日本のすべての河川の川づくりの基本方針とされている。


注釈

  1. ^ 2006年5月に提出された「多自然型川づくり」レビュー委員会の提言は、「多自然川づくりへの展開(これからの川づくりの目指すべき方向性と推進のための施策)」(平成18年5月)[9]と題され、「提言のポイント」[10]とともに国土交通省WEBサイトで公表されている[8]。レビュー委員会の委員構成は、民間委員として山岸 哲財団法人山階鳥類研究所所長)を委員長に、角野康郎(神戸大学教授)、岸 由二慶応義塾大学経済学部教授)、島谷幸宏(九州大学大学院工学研究院環境都市部門教授)、谷田一三(大阪府立大学大学院理学系研究科教授)、辻本哲郎(名古屋大学大学院工学研究科教授)、中村太士(北海道大学大学院農学研究科教授)、森 誠一(岐阜経済大学コミュニティ福祉政策学科教授)、森下郁子(社団法人淡水生物研究所所長)の9名、行政委員として、布村明彦(国土交通省河川局河川計画課長)、久保田 勝(河川局河川環境課長)、関 克己(河川局治水課長)、宮本博司(河川局防災課長)、天野邦彦(土木研究所水循環研究グループ河川生態チーム上席研究員)、藤田光一(国土交通省国土技術政策総合研究所河川環境研究室室長)の6名、その他に事務局として国土交通省河川局職員10名とリバーフロント整備センター職員2名となっている(肩書きは当時のもの)[11]
  2. ^ 2017年6月に提出された河川法改正20年 多自然川づくり推進委員会の提言は、「持続性ある実践的多自然川づくりに向けて)」(平成29年6月)[13]と題され、「概要」[14]とともに国土交通省WEBサイトで公表されている[12]。同委員会の委員構成は、山岸 哲((公財)山階鳥類研究所名誉所長)を委員長とし、池内幸司(東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻教授)、高村典子(国立研究開発法人国立環境研究所生物・生態系環境研究センター フェロー)、谷田一三(大阪市立自然史博物館館長)、辻本哲郎(名古屋大学名誉教授)、中村太士(北海道大学農学研究院基盤研究部門森林科学分野教授)、百武ひろ子(県立広島大学大学院経営管理研究科教授)の7名となっている(肩書きは当時のもの)[15]

出典

  1. ^ 国土交通省 河川局長 (2006年10月13日). “「多自然川づくり」の推進について(平成18年10月13日/国河環第38号/国河治第86号/国河防第370号)” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2023年4月12日閲覧。 “「多自然型川づくり」については、平成2年〔1990年〕の「「多自然型川づくり」の推進について」(平成2年11月6日建設省河治発第56号、建設省河都発第27号、建設省河防発第144号)によりパイロット的に開始された。”
  2. ^ a b c 国土交通省 河川局長 (2006年10月13日). “「多自然川づくり」の推進について(平成18年10月13日/国河環第38号/国河治第86号/国河防第370号)” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2023年4月12日閲覧。 “委員会〔「多自然型川づくり」レビュー委員会〕の提言を踏まえ、特別なモデル事業であるかのような誤解を与える「多自然型川づくり」から脱却し、普遍的な川づくりの姿としての「多自然川づくり」へと展開することとした。今後、「多自然川づくり」をすべての河川における川づくりの基本とし、課題の残る川づくりを解消し、さらに川づくり全体の水準の向上を図るため、別添のとおり「多自然川づくり基本指針」を定めたので通知する。貴職におかれては、本基本指針に基づき、次世代に恵み豊かな河川を引き継ぐための取組に万全を期されたい。/なお、「「多自然型川づくり」の推進について」(平成2年11月6日建設省河治発第56号、建設省河都発第27号、建設省河防発第144号)は廃止する。”
  3. ^ 多自然川づくり|環境|水管理・国土保全|政策・仕事”. 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2023年4月12日閲覧。
  4. ^ a b c 多自然川づくりとは”. 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2023年4月12日閲覧。
  5. ^ 祖田・柚洞 2012, pp. 147–148.
  6. ^ 坂本・福島・中井 2017, pp. 490–491.
  7. ^ 国土交通省 河川局長 (1990年11月6日). “「多自然型川づくり」の推進について(平成2年11月6日 建設省河治発第56号、建設省河都発第27号、建設省河防発第144号) : 第1回「多自然型川づくり」レビュー委員会 資料” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2013年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月12日閲覧。 ※p. 5参照。通達「『多自然型川づくり』の推進について」及び「『多自然型川づくり』実施要領」原文を転載。
  8. ^ a b 「多自然川づくり」レビュー委員会”. 国土交通省ホームページ. 国土交通省 (2005年9月-2006年5月). 2023年4月15日閲覧。
  9. ^ 「多自然川づくり」レビュー委員会 (2006年5月). “多自然川づくりへの展開(これからの川づくりの目指すべき方向性と推進のための施策)(平成18年5月)” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2023年4月15日閲覧。
  10. ^ 「多自然川づくり」レビュー委員会 (2006年5月). “提言のポイント” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2023年4月15日閲覧。
  11. ^ 第1回「多自然型川づくり」レビュー委員会 議事次第等” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省 (2005年9月22日). 2023年4月15日閲覧。
  12. ^ a b 河川法改正20年 多自然川づくり推進委員会”. 国土交通省水管理・国土保全局. 国土交通省 (2016年12月-2017年6月). 2023年4月15日閲覧。
  13. ^ 河川法改正20年 多自然川づくり推進委員会 (2017年6月). “提言『持続性ある実践的な多自然川づくりに向けて』(平成29年6月)” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2023年4月15日閲覧。
  14. ^ 河川法改正20年 多自然川づくり推進委員会 (2006年5月). “提言『持続性ある実践的な多自然川づくりに向けて』(概要)” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省. 2023年4月15日閲覧。
  15. ^ 第1回河川法改正20年 多自然川づくり推進委員会 : 資料1 出席者名簿” (pdf). 国土交通省ホームページ. 国土交通省 (2016年12月8日). 2023年4月15日閲覧。 ※提言書末尾にも委員一覧あり。
  16. ^ 報道発表資料:「河川法改正20年 多自然川づくり推進委員会」提言がとりまとめられました”. 国土交通省ホームページ. 国土交通省 (2017年6月16日). 2023年4月15日閲覧。
  17. ^ a b 上石 2017, pp. 205–206, 208.
  18. ^ a b c 坂本・福島・中井 2017, p. 481.
  19. ^ 福永 2019, p. 10, 71.
  20. ^ 福永 2019, p. 10-11.
  21. ^ 福永 2019.
  22. ^ 三宅 隆「杉山恵一理事を偲んで」『自然史しずおか』第40巻、NPO静岡県自然史博物館ネットワーク、2013年3月、5頁。 
  23. ^ 【訃報】名誉理事長 杉山惠一 逝去のお知らせ”. 認定NPO法人自然環境復元協会 (2012年12月1日). 2023年4月15日閲覧。
  24. ^ 祖田・柚洞 2012, p. 148.
  25. ^ 福永 2019, pp. 35–36.
  26. ^ 田中 1997, pp. 60, 68.
  27. ^ a b 祖田・柚洞 2012, p. 149.
  28. ^ 西山 2014.
  29. ^ 福永 2019, p. 10.
  30. ^ 山道省三(NPO法人全国水環境交流会)「いい川・いい川づくりの方策私案」『新潟の水辺だより』第91巻、2016年11月10日、1-2頁。 
  31. ^ 岡田智秀. “吉川勝秀 文庫”. 日本大学理工学部 科学技術史料センター. 日本大学. 2023年4月14日閲覧。 “吉川勝秀先生が河川行政で活躍した1970年代後半から2000年代は、河川行政にとって激動の時代であった。1970年代は、高度成長と人口増加を背景に、河川周辺部にも宅地整備が進行したことに伴い「治水整備」が求められ、やがて量から質の時代が叫ばれる安定成長期(1980年代)には「河川環境整備」が、バブル期(1980年代後半)には観光ブームも相まって、地域活性化の起爆剤として河川観光はもちろんのこと、住空間の付加価値として河川と背後市街地との一体的整備が注目されるなど「川まちづくり」という新たなニーズの高まりへと移行し、現在に至っている。”


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