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えんせいしょくぶつ 6 【塩生植物】
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塩生植物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2008/11/30 16:31 UTC 版)
塩生植物(えんせいしょくぶつ)とは、高塩濃度に耐える種子植物をいう。海岸や塩湖の周辺に出現し、独特の群落を形成する。
目次 |
概説
海および海水の影響のある地域では、藻類である海藻は普通に見られるが、種子植物に属するものはごく少ない。これにシダ植物、コケ植物をまとめて陸上植物といい、すべて淡水から陸上で進化したものと考えられている。そのためか、このような類は塩分への耐性が弱く、例えば台風で海水の飛沫が吹き込むと広く植物が枯れる現象(塩害)が見られる。そのため、海岸に出現するものすら限られたものとなるが、より海水に浸るような区域に生育する種も少ないながらある。そのような植物を塩生殖物という。
生育地
もっぱら塩沼や波の穏やかな海岸の潮間帯、干潟、河口の汽水域などに生育し、日本での分布は海岸付近に限られるが、世界的には塩湖、砂漠地帯の湿地や、塩害によって放棄された耕作地にも生育する。
塩生植物の生育地は場所によっては乾燥により塩濃度が非常に高くなることもあり、一般に塩生植物はこのような過酷な環境にも耐える一方、完全な淡水中では生育しない。
広い意味では、完全に海面下で生育する海草(アマモなど)や、耐塩性の強い海浜植物も含める。またヨシなどは淡水に生えるのが普通だが、塩沼でも生育するので、塩生植物に入れることもある。
種類
熱帯・亜熱帯では海岸湿地に塩生の木本からなる森林が成立し、マングローブと呼ぶ。日本では鹿児島県以南に見られる。
温帯以北に生育する塩生植物は、暖帯のハマボウ群落(半マングローブ)や大陸内陸部に生育するギョリュウ科樹木などを例外としてほとんどが草本であり、日本では代表的なものとしてアイアシ、シオクグ、アッケシソウ、ウラギク、ハマサジ、シバナなどがある。このような植物が生える内湾性の干潟的な草原になったものを塩性湿地という。これらの植物には、生育できる環境の減少により絶滅が危惧されているものもある。
このほか潮上帯で生育する海浜植物でも、ハママツナ、ハマアカザ、ツルナ(これらは干潟に生えることもある)など、かなりの耐塩性を示すものが多く、これらを乾塩生植物ともいう(これに対して上記の塩生植物を湿塩生植物という)。
メカニズム
耐塩性のメカニズムとしては、クチクラ層の発達により塩分吸収/表皮からの蒸散量を抑制する、侵入してしまった塩分を液胞に隔離する、木本では塩類腺から塩分を排出する、古い葉に塩分を集めて落葉させる、草本では多肉・多汁化したり、プロリンやグリシンベタインなどの有機化合物(適合溶質と呼ばれる)を蓄積して浸透圧に耐える、といったものが知られる。
また一般的な植物(中生植物、塩生植物ではない植物)が、海水の飛沫・乾燥による濃縮・不適切な潅漑などにより塩ストレスを受けることがある。この際は、上記の適合溶質の蓄積・液胞への塩分の隔離などを同様の機構を持っていることは興味深い。塩生植物とそうでない植物の違いは、まだ明らかになっていない部分が多く今後の研究に期待される。恐らくは、機構そのものの能力が弱い・塩分による傷害に弱いと言われている。
アッケシソウやオカヒジキでは液胞に貯めたナトリウムがかなりの量に達し、昔はこれを焼いてソーダ灰を作った。
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